2009年04月29日

GMとクライスラー、そして米国自動車業界の行方

【クライスラーの債務7割削減、フィアットの出方焦点に】
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20090428D2M2804228.html

【米GM:「捨て身の再建策」 債務圧縮に銀行団反発】
http://mainichi.jp/select/world/news/20090429ddm008020040000c.html

いよいよ、GMとクライスラーの経営再建に向けた協議が大詰めを迎えてきた。クライスラーはこのままフィアットに合意を取り付けて、破綻を免れるのだろうか?そしてGMの方は、銀行団を説き伏せる事ができるのだろうか?
各社の報道を見る限り、どうもGMの方が状況は厳しそうな感じがするけど、リーマンブラザーズ破綻の時と同じで、最後までどうなるかわからないので、ここ数日は固唾を呑んで彼らの行方を見守ることになりそうだ。GMとクライスラーに部品を卸している日本の中小企業も、気が気ではないのでしょうか?



さて、今日はGMとクライスラーの経営状況を分析する一つの指標として、「在庫日数の状況」を見てみよう。通常は、連結財務諸表等の資料を見るのもいいのだけど、そういう類の物は半期に一度しか公表されないので、月単位で公表されている「在庫日数の状況」でその他の自動車会社と比較してみる。

us-car_days-suplly.jpg

上記の画像は、アメリカの主要な自動車会社の在庫日数状況を示している。実際の統計では、もっとたくさんの会社があるのだけど、ここでは「BMW」「クライスラー」「FORD」「GM」「ヒュンダイ」「日産」「スズキ」「トヨタ」の8社に絞ってみた。

さて、この画像を見るとGMの在庫日数が2008年9月のリーマンショック以降で急増しているのがわかる。その他の会社も、リーマンショック以降に在庫日数が増加したのだけど、ここ数ヶ月でリーマンショック以前の水準に戻している事が読み取れるだろう。
GMがリーマンショック以前の水準に戻せないのは、需要が減っているにもかかわらず生産台数をそこまで減少させてないものと思われる。これは、GM労働組合の力が強いので、急には生産台数を落とせないという内部事情があるかもしれない。アメリカ政府から公的資金を受けているにもかかわらず、相変わらず在庫を増やしている昨年末の状況だけを見ると、そりゃアメリカ国民から「GMを潰せ!」という声が上がるのもわかる気がする。

【米GM:6工場追加閉鎖 ブランド廃止も−−再建見直し案】
http://mainichi.jp/select/world/news/20090428ddm002020032000c.html

○工場:47→34に削減
○従業員:6万1千人→4万人に削減
○販売店:6246→3605に削減

一応GMの方も「これではまずい」と思ったのか、上記程度の事業縮小は労組と合意できたらしいけど、果たして債券の株式化で、素直に銀行団が「うん」と言うのかどうなのか……。
その点、クライスラーの在庫日数は3月と4月で随分減らしたのが、グラフから読み取れる。果たしてこのまま在庫日数を減らせるのかどうか興味深い。この数字を見て、フィアットが「これなら大丈夫」と思ってくれればいいんだけど。

車みたいな耐久消費財は、乗り続けてればそのうち壊れるわけなので、そのうち販売台数の減少に歯止めがかかるのは間違いない。今は、従業員をクビにして生産調整をしてるかもしれないけど、そのうち在庫日数が少なくなって再び増産する日が来るはずなんだ。実際、スズキの在庫日数は4月に入って急減して30日程度になってしまっている。おそらく、アメリカのスズキは今頃増産体制に入っているのではないだろうか?
このように、どの自動車会社も2009年に入っての在庫調整が上手く行っているので、アメリカの自動車会社の景気は、あと2,3ヶ月くらいで底を打つんじゃないのかな?と、俺は予測している。




【おまけの考察】
上記グラフの「ヒュンダイ」は、韓国の自動車メーカー。このヒュンダイ、実はすごい販売方法でアメリカ市場では注目の的になっている。

【ヒュンダイの新プログラム…米国新車販売に革命か!?】
http://response.jp/issue/2009/0224/article120856_1.html

↑この販売方法、何がスゴイかって、「購入から1年以内に失業や病気で支払いが困難になった場合、車両を返却すればローン残債が免除される仕組み」との事。これで本当に儲けが出るのか半信半疑なんだけど、このおかげでヒュンダイはアメリカ市場で販売実績が伸びているらしい。
今は、そりゃ販売実績は伸びるだろうけど、もう半年くらいして車を返却したりローンから逃げる人がどれだけ出てくるかなんだよな。さぁ、ヒュンダイの快進撃はどこまで続くのか?
posted by きらっち at 23:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済

2009年04月27日

来るか恐怖のパンデミック!

【豚インフルで米緊急事態宣言、メキシコの死者103人に】
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090427-OYT1T00475.htm

ちなみに、今回の豚インフルエンザは「H1N1型」に近いとの事で、人間にとっては弱毒性のウィルスになる。ちなみに、1918年〜1919年にパンデミックを起こしたスペイン風邪も同じ「H1N1型」に近い型だったらしい。スペイン風邪の時は、人類が始めて経験する「H1N1型」だったらしく、6億人の感染者数(当時の全人類が12億人)に対して、5000万人〜1億人の死者が出たらしい。まぁ、「致死率10%以上」ってところかな?
その後、「H1N1型」はソ連A型として定期的に流行してるので、俺達にも多少の抵抗はあるかもしれないけど、それでも新種と言えば新種だしなぁ……。

ところで、今回の豚インフルは青年期の人の致死率が高いらしい。普通に考えると、幼児とか老人の致死率が高くなりそうなのに、これはどういう事だろう?
どうも、鳥や豚インフルエンザにかかると、免疫に関する情報伝達物質「サイトカイン」が過剰生産されるらしい。このサイトカインは通常、何かの感染症にかかると防御反応のためにもともと人間の体内で生産される物質らしいのだが、鳥や豚インフルエンザに感染した場合は過剰に生産され、正常な細胞すら破壊して多臓器不全に陥る、と言われている。つまり、老人はもともと免疫力が低下しているし、子供は免疫不十分ということで、免疫力の一番強い20代の致死率が一番多くなるらしい。



【豚インフル感染1000人超、死者68人に】
http://www.chunichi.co.jp/article/world/news/CK2009042502000231.html

ちなみに↑の記事では、日本で新型インフルエンザが発生した場合、最大で64万人の死者を見込んでいる。感染率50%、致死率1%ってところか。まぁ実際、メキシコでの統計情報がわかってくれば、おおよその感染率と致死率がわかってくるので、その辺も具体的な数字となって出てくるんだろう。
日本に上陸するのも時間の問題だと思うんだけど、俺も感染しちゃうのかなぁ……。




【おまけ】
ちなみに、スペイン風邪のウィルスが「H1N1型」に近い型であるとわかったのは、わずか10年前。アラスカ凍土で発掘された遺体からウィルスゲノムを解析してわかったらしい。しかも、鳥インフルエンザウィルスに由来する可能性が高く、現在のインフルエンザウィルスよりも増殖スピードが30倍程度早かったらしい。
posted by きらっち at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 科学

2009年04月26日

「超大選挙区」ってダメ?(笑)

【民主党:「世襲制限」政権公約に 同一選挙区出馬を禁止】
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090423k0000e010040000c.html

国民感情的には「世襲制限はあってしかるべし」という風潮になっているかもしれないけど、世襲の国会議員だって当選して国会議員になっているわけで、別に無試験で国会議員になっているわけでもないんだよね。「世襲という評価は、有権者が判断すれば良いのではないか」という主張も一理あると思う。

一方で世襲制限を主張する人の論拠は、親の地盤を引き継ぐ行為が「不公平」という事を主張してるわけで、どちらの言い分もそれなりに的を得てるので、この議論はそんなに簡単に収束するとは思えない。



これに関して、俺はちょっと突飛な案を持っている。というのも、現在の衆議院選挙は「小選挙区」と「比例代表」の2つが並立してるじゃない?そもそも「地盤がどうのこうの」って議論は、小選挙区の方で問題になるので、ここを変えたほうがいいんじゃないの?例えば一つの案として、現在300ある小選挙区を全国一区で上位300人を当選というようにすれば、地盤がどうのこうのなんて関係なくなるじゃん?(言うなれば、超大選挙区?!)そんで残りの200人は、完全な比例代表(投票は政党名のみ)にすればいいんじゃない?

いやぁ、これだと選挙に相当のお金がかかりそうだけどね。けど、こうやってお金のかかる選挙の仕組みを作ると、民主党には不利になるなぁ。そうか、だから民主党は自分の懐が一切痛まない世襲制限にしたいわけか。(笑)
posted by きらっち at 00:12| Comment(0) | TrackBack(1) | 政治

2009年04月25日

省幹部を巡る旅

俺みたいな若造が、大臣とか事務次官の執務室に入る機会なんて、まずあり得ない。ところが、うちの局長が省の幹部にある案件を説明する機会ができて、俺もメモ取り要因として帯同することになった。別に俺が直接幹部に説明するわけではないのだけど、何故か俺までむちゃくちゃ緊張して、メモを取る手が震えちゃったよ。(笑)

「事務方で決めた話なので、すんなり通るのかな?」と思ってたんだけど、こちらにとっては痛いところを突かれた質問が出たりして、「さすが大臣!」と思ったわ。やはり、事務次官とか大臣みたいに物事を大局的に見る立場の人は、俺みたいな若造とは見る視点が違うと思ったよ。


再びいつの日か、大臣の執務室に入る機会なんてあるんだろうか?最初で最後の経験だったのかもしれない。
posted by きらっち at 23:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事

2009年04月24日

2曲目〜進むべき場所〜

この曲もかれこれ5年前に作った曲。「ADVANTAGE LUCY」っていうバンドの「シトラス」って曲が当時のお気に入りで、その曲のコード進行をインスパイアして作った曲。自作着うた用に作ったので、サビのみの1コーラスしか作っていない。

俺にとっては、2小節で一つのコードを使うという概念がなかったので、「こんなコードの使い方もできるのか。」と非常に勉強になった記憶がある。

買ったばかりのエレキギターを使ってギターストロークを重ね録音したんだけど、1フレーズにもかかわらずレコーディングに1日くらいかけたなぁ。(笑)


それではいつも通り、MP3と歌詞&コードを載せておきます。

susumubeki_basyo.jpg

posted by きらっち at 23:05| Comment(2) | TrackBack(0) | 作曲

この不良資産額をどう乗り切るんだ?

【独、銀行の不良資産処理へ 最大8530億ユーロ 受け皿機関を計画】
http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200904230083a.nwc

【英金融支援1兆4000億ポンドに GDP匹敵、さらなる追加懸念】
http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200904240021a.nwc

ドイツの不良資産が8530億ユーロ(約109兆円)で、イギリスも1兆4000億ポンド(約198兆円)か。特にドイツはユーロ圏の中では物作りで稼ぎ頭的な存在って事で、相対的に他のユーロ圏の国よりも金融依存ではなかったにもかかわらず、GDP(およそ2兆5000億ユーロ)の30%もの不良資産が出たわけか。こりゃ、他のユーロ圏の国の不良資産はGDP比で50%どころじゃ済みそうも無いな。
イギリスの不良資産額にいたってはGDP比100%なわけで、すでに「お前はもう死んでいる」状態と思うのは、俺だけかな?(笑)

この数字がどのくらい絶望的かというと、日本の「失われた10年」の時の不良資産額が100兆円で、GDP(500兆円)の20%程度だったわけですよ。ところが失われた10年では幸運だった事に、輸出産業へのダメージが少なかったので、ここをテコにして日本経済は何とか乗り切れたけど、イギリスなんて金融産業がメインの国なんだから、GDPとほぼ同額の不良資産を一体どうやってこれから返済するつもりなんだろう?ユーロ圏の国の方もまともな政府支出すらしないで、これだけの不良資産を抱えた不況を乗り切れるんだろうか?




【クライスラー、来週にも破産法適用申請を…米財務省指示か】
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090424-OYT1T00403.htm

【GM、債務1000億円「返済せず」 6月1日期限分、CFO表明】
http://www.nikkei.co.jp/sp2/nt244/20090423AS2M2301223042009.html

さらに、この状況でGMとクライスラーにも「リーチ」がかけられている。クライスラーは来週中、GMもGW明けくらいにアメリカ政府のチャプター11の決断が下されるとの事で、いよいよ「その時」が迫っているのかもしれない。ここでは記事を上げなかったけど、特にGMは在庫調整のために最大2〜3ヶ月間休業する工場も出てくるらしい。「休業中にそのままチャプター11になったら」と思うと、従業員は非常に複雑だよなぁ……。



さらにさらに、実は日本の方もうかうかしていられなくて、GW明けに大企業の昨年度決算報告が次々に行われるので、自動車業界や電機業界の赤字額が発表されるわけだ。千億円単位の赤字の出る企業がたくさん出るだろうし、3月は何とか乗り切ったけど決算報告で株価が急落してドロップアウトする会社が出てこないか心配だよ。



世界中でこれだけ悪材料が重なっているので、GW明けに昨年9月以来の金融危機第二幕が起きるんじゃないかと非常に心配。何かあれば、ますます円高が進むぞ……。
posted by きらっち at 22:25| Comment(1) | TrackBack(0) | 経済

2009年04月23日

韓国 輸出で儲からない加工貿易国

【輸出の付加価値創出効果が低下の一途、韓銀調査】
http://tinyurl.com/cy58zn

記事中では、「輸出の付加価値誘発係数は2000年が0.633、2005年が0.617、2006年が0.609と下落を続けている。」とあるが、韓国だけのデータを見てもこの数字が大きいのか小さいのかよくわからないので、日本の数字と比較してみよう。

s-korea_added_value_indice.jpg
上記画像は、2006年韓国と2007年日本の産業連関表から導出した最終需要別粗付加価値誘発係数を表している。図の見方を説明すると、各部門において1の需要があった時に、国内産業がどの程度の付加価値をつけられるかを示している。
具体的に説明しよう。例えば、道路を作るための公共事業(100億円で発注)を考えてみよう。この場合、政府が民間会社に道路整備の発注をかけるのだが、受注した会社の方では人を雇ったり、道路を作るためのアスファルトを購入したりと、その会社以外にも波及効果を伴いながら、いろいろなお金が動く。ここで、日本の一般政府消費支出の最終需要別粗付加価値誘発係数が0.94であることから、公共事業に支出するお金のうち、国内産業には100億円のうち94億円の経済効果が回り、国外産業には6億円が回ることになる。

さて、ここでグラフをよく見てみると、韓国の最終需要別粗付加価値誘発係数は全ての分野にわたって日本よりも低い事がわかる。つまり、何をやるにしても日本より輸入依存度の高い事がわかる。さらに、「輸出」に当たっては日本とはかなり差が開いてしまっていて、最終需要別粗付加価値誘発係数が0.6程度と極度に低い。つまり、韓国の輸出品が売れても、その額の4割は海外にお金が流れてしまうわけだ。しかも、韓国の代表的な輸出産業は、IT製品や自動車なわけで、その核心部品や技術など、相応の部分を日本に依存している。海外に流れる4割の全てが日本に来ているわけではないけれど、韓国は「量」で稼がない限り輸出ではそんなに儲けが出ない構造になっている一方、「量」で稼げば稼ぐほど日本も儲かるようになってると推測される。

しかも上記の記事によれば、輸出における最終需要別粗付加価値誘発係数が年々落ちているとの事。輸入依存度を下げるためには、核心部品や技術等々を自国で生産・開発しなければいけないため、その辺りの先行投資をするべきだと思うんだけど、それだけの余力が韓国にあるのかな?
韓国は日本ほど内需がしっかりしていないので、今後もしばらくは加工貿易で儲けるしかないのだが、長期的な韓国経済を考えると、輸入依存度が年々上がっているのは非常に頭の痛い話だと思う。



【おまけ】

【アジアの加工貿易国の受難】
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/28029394.html

実は先日書いた↑のエントリーで、「韓国は輸出で稼ぐという意味においては、非常に効率の悪い貿易をしているのではないか?」と俺は書いてたわけだけど、まさに今日のエントリーは、その事をさらなる数字で裏付けてしまったわけですな。

韓国は国の産業構造を変えない限り、「今のビジネスモデルでは経済成長に限界があるのではないか?」と俺には思えてしまうのだが……。
posted by きらっち at 21:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済

塵も積もれば……

今日は備忘録として、俺が今使っているクレジットカードについて書こうと思う。↓のカード以外で、何かもっとお得なカードがあれば教えてください。


【ポケットーカードイエロー(Master)】
http://www.pocketcard.co.jp/card/card_01.html

俺が使っている年会費無料のメインカード。銀行から引き落としされるときに、1%オフになる上にポイントも付く。ポイントは、Gポイントとスターツ夢なびカードを経由してEDYに還元。理論還元率は1.35%。
※ちなみに、本カードの新規申し込みはすでに終了。興味のある方はほぼ同サービスのP-ONEカードを申し込んでください。


【K-POWERカード(VISA)】
http://ufjcard.com/credit_card/kpower/

PHS(WILLCOM)とデータ通信カード(softbank)の引き落としに使うカード。上記料金とジェフグルメカードを購入して、本カードで毎月1万5千円を引き落とす事で、6%程度のキャッシュバックを得られるので年会費1575円を払っても、非常にお得なカード。


【E-NEXCO pass(Master)】
http://pass.driveplaza.com/

俺にとってはETC専用カード。年一回でも、ETCを使えば年会費が無料になり、しかもロードサービスも無料なので、車を持っている人には一押しのカード。また、ETCや高速道路上のPA/SAの利用であれば1%還元率のポイントが得られ、そのポイントはそのままPA/SAでの決済や高速道路料金に還元できる。


【ビックカメラsuicaカード(JCB)】
http://www.biccamera.com/bicbic/jsp/w/report/suica/index.jsp

ビックカメラのポイントカードとsuicaが合体したカード。年一回でも利用すれば年会費は無料。オートチャージやJRの切符購入でのポイント取得により、1.5%の還元率を達成できる。ポイントは、そのままsuicaにチャージ。


【スターツ夢なびVISAカード(VISA)】
https://www.s-yumenavi.com/FwdAlluserSPageAction.do?pageId=AWP-22-0001

電気料金とガス料金の引き落としのみ、2.5%の還元率を達成できるカード。なお、年一回でも電気料金とガス料金以外に関して本カードで決済すれば年会費は無料。貯めたポイントは、EDYに還元。さらに俺は、付帯カードとして無料のiD専用カードを使用。



俺が使用しているカードは、以上の5種類。実は還元率だけを考えれば、他にも良いカードがあるにはあるのだけど、ポイントと引き換える物の汎用性を考えて以上の5枚に落ち着いた。まぁあとは、誕生月に2.5%の還元率を達成できる「ライフカード」が欲しいのだけど、当分自分の誕生日も来ないしなぁ。(笑)

ちなみに、電子マネーの類で使用しているのは以下の3種類。
○EDY(クレジットカードのポイント還元用)
○Suica(電車に乗るため(オートチャージ)用)
○iD(マクドナルドや自動販売機用)

最近は、クレジットカードと電子マネーだけで生活の用がほとんど足りてしまうので、本当に現金を持ち歩かなくなったよ。俺みたいなのが増えると、そりゃ日銀券の発行残高も頭打ちになって増加しなくなるよなぁ……。

【日銀券平均発行残高】
http://www.indb.co.jp/inreport/e_graph/html/KINYU101.html
posted by きらっち at 07:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2009年04月22日

円やドルが紙切れになる可能性

【紙幣を大増刷すると紙くずになる? 「中央銀行の国債購入」の行方】
http://moneyzine.jp/article/detail/145426

アメリカやイギリスの中央銀行の量的緩和について、「インフレ」を懸念する声が出てくるようになったわけか。特に、アメリカは3000億ドル(30兆円)分の長期米国債をFRBが買い入れるわけで、「ドルが紙くずになるのでは?」と考える人が増えるのもわかる。


そういえば、昨日のテレビタックルでも同じような話で大竹まことさんが「日本も今回の経済危機対策で10兆円の国債を刷るけど、インフレは大丈夫なのか?」と発言して、評論家の宮崎哲弥さんが「日本の需給ギャップは20兆円あるから、あの程度の国債発行ではインフレにはならない」というような趣旨で反論したところ、大竹まことさんの納得できない表情が印象的だった。大竹まことさんが納得できないのもよくわかる。俺達の受けてきた教育では、「国債大量発行」→「通貨価値が暴落してインフレ」と教え込まれてきただけで、それ以上の知識を教えてもらってはいない。
しかし基本的に「通貨」と「物」の価値関係は、「需要」と「供給」のバランスによって決まるものなので、そこから考えればアメリカも日本もすぐにインフレになるとは考えにくい。今日はその辺を考察するために、まずはかつてハイパーインフレに見舞われた国についてその背景を探ってみる。



ここからは、実際ハイパーインフレに見舞われた戦後のドイツや今のジンバブエについて書く。もちろん、彼らは最終的に国の財政が立ち行かなくなって紙幣印刷をしたわけだが、そもそものインフレの最初の原因は、「供給力激減」にあったわけで「紙幣印刷が最初にありき」だったわけではない。

どういう事か説明しよう。第一次世界大戦末期、イギリスやアメリカの連合軍はドイツの生産拠点であるルール工業地域を重点的に爆撃し、ルール工業地域の生産財も労働者にも大きなダメージを与えた。その直後に戦争は終わるのだが、ルール工業地域が壊滅状態になった事によりドイツの主産業である工業生産の供給能力が一気に落ちた。これにより需要と供給のバランスが崩れてドイツ国内のインフレが始まった。ドイツは戦後復興と重なり、供給能力は急には上げられない一方で、需要が急激に伸びていった事によりインフレが止まらなくなり、政府財政もインフレに対応するために国債をどんどん発行してしまう。この結果、通貨価値がどんどん落ちハイパーインフレのスパイラルにはまってしまったわけだ。

今のジンバブエも状況は似ていて、ムガベ大統領の「白人農場の強制収用」「外国資本の国外追い出し」等々の外国人の排他政策により、短期間で一気に国内産業の供給能力を落としてしまった。その結果、やはり需要と供給のバランスが崩れてインフレになってしまったわけだ。その後、ジンバブエ財政はインフレに対応できなくなり、紙幣を刷り続ける事によりハイパーインフレに陥ってしまった。

さて、ドイツとジンバブエの例が示す事は、そもそものインフレの原因は供給能力の激減にあったわけで、お金をじゃんじゃん刷り続けたのはインフレの結果として後からついてきたものなんだな。



という事で、今回の世界恐慌ではどう考えればいいか?別に供給能力が激減したわけでもなく、単純に「需要」が激減しただけなんですよ。上記の宮崎哲弥さんの言うように、今の日本は20兆円程度の需要が足りないわけで、むしろこの需要を政府支出によって埋めることが、正常な日本経済に戻る近道とも取れる。
もし政府支出をしなくても、市場の調整機能により、会社がたくさん潰れて需要供給バランスがそのうち釣り合うとは思うのだけど、それだと相当数の失業者が出るだろうし、デフレも進むだろうから、今は国債発行してでも政府支出をした方が、むしろ弱者救済になるのではないかと俺も最近思い始めてきた。

ちなみに、日本やアメリカの需給ギャップについては以下の記事が参考になる。

【デフレ阻止へ次の一手を】
http://www.business-i.jp/news/special-page/kishacolumn/200904170002o.nwc

【需給ギャップが語る「失われる時間」】
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20090407/191261/
(↑の記事から逆算すると、今年のアメリカの需給ギャップは9000億ドル(90兆円)程度。)



ところが問題は、これ以上の政府支出の出来ない国(国債の発行できない国)がたくさんあり、そういう国は今の現状になす術がないわけですよ。日本政府は、850兆円の国債を発行しているにもかかわらず、膨大な日本の家計金融資産(1400兆円)を資本に、さらなる国債を国内だけで売り切ることはできるけど、こんなにお金を持っている国は世界で日本だけなんだな。これ以上国債を発行できない国(特にマーストリヒト条約がネックで、国債発行も量的緩和もできないユーロ圏の国々)は当面の間、デフレと失業率の上昇に相当苦しめられると思う。

日本やアメリカに関しては、需給ギャップ以上の財政支出をしない事から、直近のインフレは無いように思う。ただし、供給能力の変化が極めて少ないレアメタル等の希少資源(流通量が固定なもの)の類は、今後値段の上がる可能性はありそうな気がするなぁ。




【おまけの考察】

世界的にデフレ傾向が懸念される中、インフレで困っている国があるそうだ。それが、以下の記事↓。

【ショッピングカートの「悲鳴」  じゃがいも1つ1000ウォン】
http://tinyurl.com/c9hggn

韓国経済の興味深いところは、需要激減によりデフレ傾向になるはずなのに、何故かインフレ傾向を示している事なんだよね。

もちろん韓国も需要減の影響を受けているのだが、ウォン暴落によって輸入インフレが起きていると推測される。これは、日本と比較すると非常にわかりやすい。日本は、「需要減」と「円高」が重なる事により、国内産業も輸入品もデフレ傾向に拍車がかかりそうなのに対して、韓国は、「需要減」のデフレよりも「ウォン暴落」による輸入品の価格高騰の方が市民に与える影響が大きいのではと推測される。
韓国では不況とインフレが同時に進むスタグフレーションに陥っていると推測され、今後どうなるのか非常に興味深い。
posted by きらっち at 02:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済

2009年04月20日

驚愕!男性の生涯未婚率

【コンカツ男子支援に数値目標 東海市長「未婚率3割に」】
http://www.asahi.com/politics/update/0419/NGY200904190012.html

これ、凄い公約だなぁ。しかも数値目標まで出されてるって事は、政策評価のネタとしても使えそうな……。(笑)しかしこの公約、考えようによっては「未婚は悪」と市側では捉えているわけで、好きで未婚を貫いている東海市の独身男性にとっては、余計なお世話だよなぁ。(笑)


さて、何はともあれここ最近「婚活」という言葉を至る所で見るようになってきて、徐々に一般用語になりつつある気がする。実際のところ、昔に比べるとそんなに結婚する事が難しくなったのだろうか?という事で、今日は結婚を巡る状況が昔とどう状況が変わったを考察したい。


japan_smam.jpg
上記画像は、1950年以降の男女別の「生涯未婚率」と「初婚年齢」を示している。これは元々、総務省統計局が5年に一回行っている国勢調査の結果を元に作成されている資料との事。
さて、ここ最近のデータを見てみると、男性の平均初婚年齢が30歳〜31歳で増加傾向が収まっている一方で、女性の平均初婚年齢は1980年以来ずっと増加の一途を辿っている。この分だと、女性の方も2010年の調査では平均初婚年齢が30歳を越えそうな気配が濃厚。確かにこういう状況であれば、「婚活」という言葉に市民権が出てきたのも納得できるかもしれない。


そしてもう一つ、男性と女性の生涯未婚率に大きな開きが出てきている。2005年の男性の生涯未婚率は何と16%を越えてしまったわけで、「さすがにこの数値はヤバイんじゃないの?」と思う反面、女性の生涯未婚率はそこまで急増しているわけではない。…さて、これは何を意味しているのか?

離婚率が上昇している背景を踏まえれば、一つの可能性として、「離婚した男性が未婚女性と結婚する割合が多くなったのではないか?」と推測できる。つまり、結婚には以下の4通りあるんだけど

1.未婚男性が未婚女性と結婚
2.未婚男性が離婚した女性と結婚
3.離婚した男性が未婚女性と結婚
4.離婚した男性が離婚した女性と結婚

この4通りの中で、男性の生涯未婚率が激増して、かつ女性の生涯未婚率に開きが出てくるのは、3.しか考えられないわけですよ。つまり、「未婚女性と複数回結婚する男性が増えた事により、未婚男性を増やしている可能性があるかもしれない」って事。これはあくまで俺の勝手な推測なんだけど、

○男性は「離婚しても再び結婚したい」
○女性は「一回離婚したらもう結婚したくない」

と考える人の割合が多いって事なんじゃないかな?もしそうだとすると、必然的に上記の3.のパターンが増えるので、話の筋は通る事になる。これ、数字として証明できるのであれば、社会学の博士号とか取れないもんかなぁ。(笑)




そして、もう一つグラフを見て面白いのが、1955年〜1985年の生涯未婚率。この時期は現在と違って女性の生涯未婚率の方が高いわけですよ。これは、どういう背景があるんだろう?結婚パターンとしては、上記の2.の割合が多かったという事になるだろうけど、どういう社会背景があって2.の割合が多かったんだろう?「女性が一人で生きていくには大変な時代だったから、とにかく男性と結婚した方がその後の生活が有利だった」という事なんだろうか?
この辺とかもはっきりした理由がわかると、今のミスマッチを解消する政策立案にも役に立つと思うのだが……。



いやぁ、俺も今年で30歳で未婚だけど、こんな生涯未婚率を見ちゃうと自分自身の結婚が心配になるよ、ほんと。(笑)
posted by きらっち at 22:01| Comment(2) | TrackBack(1) | 時事

2009年04月19日

韓国 縮小成長の行く末は

【自動車けん引で輸出活発 韓国経済「巻き返し」本物か】
http://www.j-cast.com/2009/04/19039659.html

リーマンショックの影響を大きく受けて、ウォン暴落でデフォルト寸前と言われてた韓国に明るい兆しが見えてきた。もともと韓国は輸出額がGDPの40%(日本は15%程度)もある加工貿易国であるので、貿易黒字の増える事は韓国経済の復活に大きく寄与する事になる。


s-korea_balace-of-payments.jpg
実はこの1,2年、韓国経済は非常にヤバイ状態が続いていた。上記の国際収支表がその事を如実にあらわしている。韓国が絶頂期だったのは、明らかに2004年だったと思われる。この頃、韓国の輸出は絶好調で経常収支が黒字。しかも、海外からもお金を呼び込んでいて資本収支も黒字という双子の黒字状態になっていた。(まさに、今の中国がこの状態)しかしながら、経常収支の方はここから赤字への道へと転落する事になる。この背景にはサービス収支の赤字幅が大きくなった事(韓国人の海外旅行ブームで韓国から海外へお金が流出した)と、ウォン高騰によって輸出における価格競争力が落ちたこと等に起因する。

2006年に入って、韓国は経常収支が下げ止まらなかった事により、外貨建ての国債を大量に発行する。これが、この年の「その他投資」が激増した原因。このように海外からお金が流入すれば、どんな形であれ黒字という事になるので、国際収支を見てその国の経済状況を考えるときは注意が必要なんだな。

そして特に去年は原油高騰という条件が重なり、韓国の経常収支と資本収支が共に赤字になってしまう。これはつまり、「貿易でも稼げない」&「海外からの投資資金も呼び込めない」という事で、韓国経済そのものが機能不全になってしまってたわけだ。しかも、リーマンショックが起こり世界恐慌に突入する中、韓国国内からドルが流出して外貨不足に陥り外貨準備高が急減。さらに韓国国債が札割れを起こし、ウォン暴落によって外貨建ての借金負担が重くなってしまい、ついにはロイターが韓国破綻可能性に関するニュース記事が出てくる始末。

実は俺も「韓国は長くもたなそうだな」と思っていたのだが、先月くらいから貿易黒字を確保するニュースや、ドル建て債券調達に成功する記事を見る機会が多くなり、とりあえず近々にデフォルトする事はなさそうだ。



ところが韓国破綻を遠のかせた代償として、「失業率の増大」が今後の韓国の課題になると俺は思う。どういう事か説明しよう。

【3月就業者19万5千人減、減少幅10年ぶり最大に】
http://tinyurl.com/cz57cn

【輸出より輸入が減少する縮小型貿易黒字】
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=113450

この二つの記事が、今後の韓国の行く末をある程度物語っている。
韓国の貿易収支が黒字になったのは、輸出量が増えているわけではなく、輸入量の方の減りがの方が大きいからだと、↑の2つ目の記事に書いてある。
つまり、ある製品を100個輸出するために原材料を200個輸入していたのに、世界不況の影響で、70個輸出するために原材料を120個輸入している状況なわけだ。

「別にそれで黒字になるのでれば、何が問題なのか?」と思う人もいるだろうけど、輸出品の生産量が減った事により、それまでの労働者の雇用を維持できないのは当然なわけだ。つまり、縮小成長により黒字は確保できるかもしれないけど、それと引き換えに失業者数が増えるのは当然なんですよ。要は、国全体の負担をクビになる労働者に押し付けているとも解釈できるわけで、車だけじゃなく全輸出品に対して輸出量を増やさない限り、どんどん失業者が増えると推測される。

韓国の輸出産業が縮小成長に入りだしたのは、国際収支表を見ると今年2月からだと思われる。まさに、↑の記事で3月の就業者の減少幅が過去最高になった主な原因は、縮小貿易に起因するのではないかと俺は見ている。
今後数ヶ月で韓国の失業率がどうなるか、非常に興味深い。
posted by きらっち at 16:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済

2009年04月18日

クォータニオン(四元数)による3次元座標回転計算

クォータニオンは、高校数学でいう「複素数」の発展版みたいな概念で、最初に考案されたのは1840年代。ただし、長らく純粋数学として研究されてきただけで、「何に応用できるのか?」はしばらく議論されていなかった。ところが、ここ20年〜30年くらいで計算機の情報処理能力が大幅に上がり、クォータニオンの持っている可能性が再び注目を集め出した。現在、CGや人工衛星やロケットの姿勢制御等々への応用が進んでおり、3次元座標の回転を取り扱う場合には、欠くことのできない物になっている。


実際クォータニオンとは何かというと、「高校で習った複素平面の多次元化」という位置付けが一番しっくりくる書き方かなぁ……。高校で習った複素平面は、x軸が実数軸でy軸が虚数軸という2次元平面を考えていたのだけど、クォータニオンの場合は、実軸以外に虚数軸が3つある4次元の虚数世界が対象になる。これの面白いところは、クォータニオンそのものは4次元虚数なのだが、通常のXYZ3次元実空間上の「任意の軸回りの座標回転」が、クォータニオンを使うことで少ない計算量で可能になる事なんだ。以下、これについての説明を書く。



通常、3次元回転行列を使って任意の軸回りにある座標を回転しようとすると、以下の計算をする事になる。
any-axis-rotation_matrix.jpg
これを見れば一目瞭然なのだが、3×3行列の掛け算を複数回演算する必要があるため、多大な計算量が必要になる事が直感的にわかる。しかしながら、クォータニオンになるとこの辺りの計算が非常にすっきりする。

クォータニオンqでは、3次元座標(x,y,z)を以下のように表す。高校数学のように複素数が1種類ではないので、i,j,kの複素数間での掛け算は、実数の掛け算のような可換演算ではないところに注意が必要。
quotanion_xyz.jpg
また、任意軸の回転の際に必要な回転クォータニオンrは以下のようにあらわす。
quotanion_rotation.jpg
この時、(x,y,z)の回転はq,rを用いて以下のようなクォータニオン計算で求められる。
quotanion_rotation_operation.jpg
クォータニオンの回転演算を見てみると、実部と3つの虚部に関する積の計算を2回やればいいだけなので、行列の積計算を複数回やるよりは計算量の少ない事が感覚的にわかると思う。



さらに、実際に途中式を計算するとわかるんだけど、ベクトルの外積を匂わすような結果がそれぞれの複素数項でゴロゴロ出てくるので、ベクトル解析やテンソル分野と密接に関係している分野なんだろうなぁ。しかも、回転が掛け算になるという事は、何らかの形でオイラー公式にも関係してそうで、一体背景にある法則性は何なのか、純粋数学という意味で非常に興味深い。

とはいうものの、今日のエントリーは大学院で習うレベルの数学の話なので非常に難解なのだけど、ここまで読んでくれた人がいたら感謝します。





【おまけの考察】
クォータニオンがメジャーになる前の3次元の座標回転は、それぞれX軸、Y軸、Z軸回りの3軸に対する回転角度を指定して、座標を行列計算するやり方が主であった。
ただし、この3軸の回転角指定のやり方だと、「回転順番」を予め決めておく必要があるため無用な混乱の元になるケースが多く見られ、さらに回転に順番があるが故に発生する「ジンバルロック」という現象を回避できない致命的な欠点を持っていた。クォータニオンは、これらの欠点はない優れたやり方ではあるのだが、「ジンバルロックって何?」と思われる方が多いだろうから、これについて説明しよう。

anntena_axis.jpg
写真は、固定電話のアンテナである。このアンテナは写真のように2軸(黄色と水色の矢印部分)の回転機構があるため、理論上は左側の全ての方向にアンテナを向けられる。

zimbal_lock.jpg
多少なりともアンテナをいじった人ならわかると思うけど、最初に水色矢印部分を回転させて、アンテナを黄色矢印部分の回転軸と同じ方向に合わせてしまうと、上記画像のように机の面上からアンテナを起こせなくなる。計算機で回転する座標を計算させる時に、この状況が起こってしまうと回転後の座標が計算不能になってしまうので、極力こういう状況を回避するためにいろいろ考えなければいけないわけだ。

この状況を回避するためには、最初に水色部分の回転軸を回転させるのではなく、黄色部分の回転軸を最初に回転させた後に、水色部分の回転軸を回転する必要性が生じる。このようにある軸を回転した結果、回転対象座標が他の軸に向きに重なってしまうと、回転に対する自由度が減ってしまう事態が生じる。これが「ジンバルロック」という現象である。

ところが、クォータニオンを用いた回転計算であれば、ジンバルロックの起こらない事が保証されている。この事もクォータニオンの普及を後押ししたらしい。




高校時代は、「二乗して-1になる数なんて、どこでどう役に立つんだ?」と思ってたけど、こういうのを説明してくれる先生がいたら、もうちょっと真面目に勉強してたんだけどなぁ……。(笑)
posted by きらっち at 13:41| Comment(1) | TrackBack(0) | 科学

2009年04月17日

米国債 果たしてどこまで売りさばける?

以前、↓のエントリーで米国債について書いたのだけど、直近の米国債の売れ行きを調べてみたので、今日はそれについて書く。

【アメリカ政府を救うのは、米国民か中国か?〜その@〜と〜そのA〜】
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/27955679.html
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/28062724.html


us_debt.jpg
↑のグラフは、米国債の発行残高を示している。これをみてすぐにわかるけど、3月末現在の米国債の発行残高はおよそ11兆ドル。1$=100円とすると、およそ1100兆円程度の国債を米国は発行してるわけですよ。(ちなみに日本の国債発行残高は850兆円くらいだっけ?)しかも、この1年間で1.8兆ドル(およそ180兆円)も国債を発行している事がわかる。

ちなみに、9月と10月に一気にグラフが上昇しているのは、リーマンショックで急速に増えた金融市場の資金需要に対応するために、市場へ現金を供給するために担保した短期国債だと思うけど、2月と3月の急上昇は、2月中旬に成立した景気対策法案を受けての国債発行だろう。
さて、ここでよく考えて欲しい。3月は前月よりも2500億ドル(25兆円)程度の米国債発行残高が増えている。つまり、アメリカ政府は1日平均で83億ドル(8300億円)も国債を発行してることになる。俺にはとても尋常じゃないと思えるのだが、意外にも米国債はこれだけ発行してるにもかかわらず、今のところは順調に売り切っている。


【中国:償還期間短い米国債購入増やす必要、元人民銀顧問−東方早報】
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003011&sid=aCi5BCsRlRkw

おそらく最近発行された米国債を一番買っている国は中国だろうけど、長期国債ではなく短期国債をメインに米国債を購入しているそうだ。そりゃ確かにそうなるだろう。今後のドル安がわかりきってるだけに、「なるべく米国債を持ちたくない」と普通だったら思うのは当然の事。
ただ、中国は日本のように完全変動為替レート制度を採用していないので、長期の米国債を買うのは、日本よりはむしろ中国の方が適任なはずなんだけどな……。


今はまだ、アメリカは金融支援や景気対策の財源に困っていないのだけど、米国債が売れなくなり始めたらアメリカ経済は「The END」なわけで、どんな裏技を使ってでも引き続き今後も何とかして米国債を売り続けないといけないわけだ。日本と違って、アメリカは米国債を自国で売り切れる能力はないので、他国(主に中国)にも販売されている。よって、すでにアメリカ経済の命運は7500億ドルの米国債を保有する中国に握られていると言っても過言ではないと思う。中国が米国債を売り出すと、それだけでアメリカ経済が破綻してしまう可能性があるからなぁ……。


さて、6300億ドルの米国債を保有する日本は、この状況でどのようにアメリカと中国の間で上手く立ち回れるのだろうか?世界最大の個人金融資産(特に現金・預金)を武器に、いろいろとアメリカから何かを引き出せそうな気もするけどなぁ……。
posted by きらっち at 00:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済

2009年04月15日

政府の予算編成プロセス

役所の予算を所管してるのが財務省なのは、皆様もご承知の通りだと思うけど、この前民間会社に勤めてる友達から
「どうせ政治家を無視して財務官僚が予算配分を全部決めてるんだろ?官僚が自分の予算の使い方を自分で決めてる限り日本は良くならないのでは?」
と喧嘩をふっかけられたので、丁寧に反論したわけですよ。(笑)その議論を聞いて思ったんだけど、一般の人には役所の予算決定のプロセスがほとんど知られていない(誤解されている)のかと思ったので、今日は役所の予算決定プロセスについて書こうと思う。



【4月と5月の動き】
各省は新年度が明けて、すぐに次年度の予算作成の作業に取り組みが始まる。省庁によってもやり方は違うのだろうけど、
○予算要求における重点事項は何か?
○今までやってきた事業に関する政策評価はどうか?
○新規に始める施策は何か?
等々を各局内部で議論して詰めていく。


【6月の動き】
この6月から、「経済財政諮問会議」が予算編成プロセスにおいて大きく関与することになるので、まずはこの組織について説明する。

経済財政諮問会議とは、内閣総理大臣の諮問を受けて経済財政政策に関する予算方針を含む重要事項について審議する組織で、2001年の省庁再編の時に新しく設置されたんだよね。この経済財政諮問会議が、予算編成過程の改革、金融システム改革、郵政民営化、三位一体の改革、政策金融改革、規制改革、税制改革、経済成長戦略、歳出・歳入一体改革等々の数々の改革を推し進めた経緯がある。
ちなみにメンバーは、内閣総理大臣や主要大臣を始め、日銀総裁や民間出身の有識者4名で構成されている。ちなみに、経済財政諮問会議のHPは以下の通り↓。

【経済財政諮問会議HP】
http://www.keizai-shimon.go.jp/


さて、話を予算編成の流れに戻そう。この経済財政諮問会議は、概算要求が始まる前の6月末くらいに「経済財政改革に関する基本方針」という物を閣議決定する。この「経済財政改革に関する基本方針」は、通常「骨太200X」(去年は骨太2008)と呼ばれていて、予算編成面という視点から見ると、8月末から始まる概算要求に対する査定基準の指針になる物なんだ。なのでこの骨太200Xに、「○○の整備を重点的に進める」みたいな事が記載されるだけで財務省への説明が非常にスムーズに運んで、予算もちゃんと付くわけですよ。なので各省庁とも、骨太200Xに自分の業務が掲載されるのを固唾を呑んで見守っているわけですよ。ちなみに、実際の閣議決定文章は↓の通り。

【経済財政改革の基本方針2008(骨太2008)】
http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2008/0627/item1.pdf

この骨太200Xの策定の際に各省にも照会はかかるので、省側から文言の修正依頼も出せるが、基本的には政治家(与党)主導で作成されるために、必ずしも修正を受け付けてもらえる保証はない。(昨年、俺の組織は修正を受けつけてもらえなかった)いずれにしても、この骨太200Xが予算要求における一つのキーになる。



【7月の動き】
そしてこの骨太200Xの策定作業が終わり、7月に入って経済財政諮問会議はその年のGDP等の経済指標の見通し見直しが行われる。この作業は、経済成長率等の指標を最新版に見直した上で、4名の民間議員が次年度の経済見通しを経済財政諮問会議に提出する事で、実際の予算編成につなげるものである。その後、この民間議員が提出した経済見通しを踏まえて、財務省が概算要求基準を作り経済財政諮問会議に諮る事になる。概算要求基準とは、具体的には各省に対して概算要求の上限を示すものであり、「シーリング」と呼ばれている。まぁ、ちょくちょく新聞にも出てくる言葉だよね。この上限値も経済財政諮問会議で議論されるものである。ちなみに↓が実際に昨年、経済財政諮問会議に提出されたもの。

【平成21年度概算要求基準について】
http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2008/0729/item1.pdf



【8月〜10月の動き】
これらの経済財政諮問会議の行う種々の議論を踏まえて、8月末から各省の概算要求が始まるという事で、官僚の暑い夏はここからが本番を迎える。この時期に何回財務省まで足を運んだ事か……。(笑)

ちなみに、この時期は経済財政諮問会議としてのルーチンワークが途切れる事もあり、「税制改革」「社会保障改革」「規制改革」「中長期的な経済成長戦略」等々の様々な議論が展開される。ちなみに、去年は「補正予算」とか「金融情勢」に関する議論が多かったような気がする。



【11月の動き】
概算予算要求が一息ついたこの頃に、経済財政諮問会議で「予算編成の基本方針」が議論される。これは、骨太200Xを踏まえて、政府の予算編成作業に先立ち、予算の基本的な考え方を明らかにするのが目的。俺みたいな下っ端から見ると、「骨太200Xとは何が違うのか?」と思える事もあるんだけど、やはりここでも、自分達の行っている事業が掲載されると予算獲得においては非常に有利になるらしい。(そもそも、11月末だと財務説明もほとんど決着してるようにも思うのだが)
ちなみに、昨年の実際の文章は↓の通り。

【平成21年度予算編成の基本方針】
http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2008/1203/item7.pdf



【12月の動き】
予算編成の基本方針の策定も終わり、財務省の方も政府予算案作成に対していよいよ大詰めを迎える。大体クリスマス頃に、財務省からの予算案についての内示が届くのだけど、政府財政も苦しい中、うちの組織はここ数年まともなクリスマスプレゼントが無い状況が続いている……。(泣)

経済財政諮問会議の方は、財務省の予算案内示と同時期に「経済見通しと経済運営の基本的態度」を議論して閣議決定する。これは、政府予算案が実際に執行される頃の経済状況を予測するという意味があるのだが、昨年は「経済見通しと経済運営の基本的態度」ではなく、代わりに「経済財政の中長期方針と10年展望」という物を打ち出した。中身は例年やっていた「経済見通しと経済運営の基本的態度」とは違い、中長期的な展望と財政再建のための道筋が述べられている。今後、この10年展望の策定が毎年続くのかどうかが注目される。



【1月〜3月の動き】
財務省の予算案が政府案として閣議決定されて、国会へと提出される。その後、国会でいろいろと議論され、国会議決を元に次年度の正式な予算となる。



これを見ると役所の予算編成に関しては、決して役人だけで勝手に予算を決めているわけではなく、民間議員を含めた経済財政諮問会議が大きな役割を果たしているのが分かると思う。省庁再編前までは、それこそ旧大蔵省が非常に大きな権限を持っていたので、概算要求基準の発表前に予算編成の方向性について議論されることは無かったし、予算の大蔵省原案が提出されるまで、予算編成の基本方針が策定されるということも無かったわけだ。そういう意味からすると、政府の予算決定プロセスは政府外の人も関与できるようになったし、予算方針の議論もよりオープンになっているという事が言えると思う。

まぁ我々の仕事は、政権与党がどうなるかでがらっと仕事のやり方が変わるので、予算編成に関して今後もこのようなプロセスを行っていくかどうかはわからないけど、現状は上記の説明のようなプロセスを経て、政治家や政府外有識者の議論も踏まえつつ、じっくり次年度の予算を決めていくわけですよ。




と、本エントリーの最初に登場した友達に説明したところ、「1年の予算編成に1年間の時間をかける事自体、俺には理解できない。何で2ヶ月くらいで決められないの?」と、ばっさり言われちゃったわけですよ。(笑)
「80兆円分の予算を2ヶ月くらいの短時間なんかで決めようとすると、それこそ官僚主導になるのでは?」と思うのは、俺だけでしょうか?(笑)
posted by きらっち at 20:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事

2009年04月14日

人間の直感がどれだけいいかげんか?〜三囚人問題〜

今日は認知心理学の分野でよく出される三囚人問題。「条件付き確率」や「ベイズの定理」を考える上でよく例として出されるんだけど、こんな話↓。


************************************************************
三人の囚人、A,B,Cがいる。先日の司法会議でこのうち二人の処刑が決まった。三人は同程度の重い罪を犯している事により、処刑を免れる確率はA,B,C共に1/3とする。三人には、「二人が処刑される」と伝えてあるのだが、「どの二人が処刑されるか」は伝えられていない。

その状況で囚人Aは、看守にこう言った。
「BとCのどちらかは必ず処刑されるのだから、処刑される一人を教えてくれないか?それによって俺に情報を与えることにはならないだろう?」
誰が処刑されるかわかっている看守は、囚人Aの言い分に納得してこう答えた。
「Bが処刑される。」
これを聞いて、囚人Aは喜んだ。
「自分の助かる確率は1/3だったが、これを聞いて自分の助かる確率は1/2に上がった」
さて、実際に囚人Aの助かる確率は1/3から1/2に本当に上がったのか?

※ただし、BとCが処刑される場合は、看守はどちらかを1/2の確率で言うとする。
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俺が大学生の時、最初にこの問題を聞いて「ん?」と思い、2時間くらい考えたという思い出のある問題なんだけど、皆様はいかがでしょうか?



受験数学の常套手段として、このくらいの規模の問題であれば、全ての場合をしらみつぶしで探すと答えは出てくるので、表にして考えてみるとそれぞれのケースで以下のような確率となる。
normal_sansyujin.jpg
何も情報が無い時点では@〜Hの可能性があるのだが、看守の言葉「Bが処刑される」という条件の下で考えると、考えられるケースがA(Aが恩赦)とG(Cが恩赦)の場合のみに狭まったことになる。Aが知りたいのは自分が恩赦になる確率という事なので、

Aの確率/(Aの確率+Gの確率) = 1/3

というのが、数学上の答えとなる。つまり、AはBが処刑される情報を得ても、「自分が助かるかどうかにはまったく関係無い」という事が数学的には導かれるわけだ。

ちなみに、この手の条件付き確率の話になると、人間の直感は当てにならない事が多いらしく、「あれ、待てよ?!」と思う人が多かったのではなかろうか?




面白いのは、三囚人問題の発展版である↓の変形三囚人問題。

************************************************************
三人の囚人、A,B,Cがいる。先日の司法会議でこのうち二人の処刑が決まった。三人は罪の大きさを考慮して、それぞれ恩赦になる確率は1/4,1/4,1/2とする。三人には、「二人が処刑される事とA,B,Cの恩赦の確率」を伝えてあるのだが、「どの二人が処刑されるか」は伝えられていない。

その状況で囚人Aは、看守にこう言った。
「BとCのどちらかは必ず処刑されるのだから、処刑される一人を教えてくれないか?それによって俺に情報を与えることにはならないだろう?」
誰が処刑されるかわかっている看守は、囚人Aの言い分に納得してこう答えた。
「Bが処刑される。」
これを聞いて、囚人Aは喜んだ。
「自分の助かる確率は1/4だったが、これを聞いて自分の助かる確率は上がるだろう。」
さて、実際に囚人Aの助かる確率は本当に上がるのか?

※ただし、BとCが処刑される場合は、看守はどちらかを1/2の確率で言うとする。
************************************************************

これも、表にして全てのケースをつぶしてみよう。
normal_sansyujin2.jpg
先ほどと同じように、「Bが処刑」という条件付きで考えると、AとGのケースだけ考えればいいので、Aの助かる確率は

Aの確率/(Aの確率+Gの確率) = 1/5

つまりこの場合は、Bの処刑を聞いた事で自分の助かる確率がかえって落ちてしまうわけだ。この事実、「いや、ちょっと待て。本当にそうか?」と思う人の方が多いような気がするんだけど、数学上の確率は確かにそうなんですよ。



このように、条件付き確率になると人間の直感なんて当てにならないわけですよ。胡散臭い儲け話ふっかけて、この当たりを上手く利用すれば騙される人がたくさん出そうな気もするけどなぁ……。(笑)
posted by きらっち at 21:17| Comment(2) | TrackBack(0) | 科学

上向きかけた経済指標とデフレ阻止

【日米経済指標に光? 雇用、ともに足かせ】
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090412ddm008020048000c.html

【3月の米衣料品チェーン売上高:予想上回る−春物の販売促進策で集客】
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003009&sid=av5UQgy8mpdg

【カナダ・ドル:2週間ぶり高値、予想外の貿易黒字や商品相場上昇で】
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003009&sid=ahmI2TIf3XiE

【中国の3月工業生産は8.3%増加、温家宝首相が明かす−新華社】
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003017&sid=aiO6ZpVhdA98

【韓国 景気、前向きな信号も上半期中の回復は難しい(1)(2)】
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=113864
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=113865

各種メディアは「まだ油断はできないけど景気の底を打った可能性がある」と報じているけど、確かに様々な経済指標の中でも光の見えるものはあるにはある。リーマンショックに起因する第一ラウンドはとりあえず何とかなったかもしれないけど、次の第二ラウンドは実体経済を代表するGM/クライスラーの行方とデフレ撃退になるんじゃないかな?
アメリカは、リーマンショックの余波が収まるまでGM/クライスラーの問題を先延ばしにしてきたわけで、昨日も書いたけど6月1日までにチャプター11を発動するらしい。

来たるべきGMショックがどれだけ影響を与えるのか読めないけれど、1929年の世界大恐慌もGM株価急落から始まった事を考えると、嫌な予感。実体経済の方は、雇用調整等々によっていずれまた景気のよくなるサイクルが来るのだろうけど、デフレに関しては、デフレスパイラルに陥ると自然に終息する事が期待できないので、政府がありとあらゆる手を尽くしてこれを阻止しないといけないわけだ。


【3月の国内企業物価、前年比2.2%下落 02年5月以来の下げ幅】
http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/hotnews.aspx?id=AS2C13008%2013042009

しかしながら、これまた残念な事にすでに日本がデフレに陥りかけている事を示唆するニュースが出てきた。「失われた10年」の時は、国内金融機関の機能不全に起因して全体需要が減少、その結果デフレが進行していたので、金融機関の機能不全の回復を狙って量的緩和をやったわけだ。ところが今回のデフレは、日本から見れば国内金融機関の機能不全に主因があるわけじゃなく、国内外の単純な需要減によるものなので、どう対処すればいいんだろうか?


実は麻生首相、このデフレ問題を知ってか知らずか、一つの解決手段を提示していて、↓の記事でこんな事を言っていたわけですよ。

【麻生首相ぶら下がり詳報「未来戦略はマニフェストに入るかも」(9日夜)】
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090409/plc0904092134015-n1.htm

記者:贈与税の税制関連法案について昨日も質問したが、「出したら必ず通すべき」という意見が多い。今国会に提出する必要性はどうか?

首相:1430兆円になるんだと思いますが、この個人金融資産。1430兆がジッとしたまま動かない。こんなに、巨大な個人金融資産がジッとしている国はありません。このお金が今の時代に、消費に回る。投資に回る形でこのお金を動かすのが、一番、景気対策としては大きいと思っています。問題は、1430兆の半分以上が、高齢者が持っておられる。なかなか消費意欲の少ない層となっているので、消費意欲の高い子や孫に移るということが、消費を直接刺激することになると思っています。その意味では、贈与税という形は1つの方法だ。私はそう思います

いやぁ、問題の本質を見抜く目と現状認識能力は素晴らしいと思ったよ。その辺をわかっているなら、あとは問題解決のための政策実行をお願いします。(笑)




【参考エントリー】

【日銀よりも自動車業界が心配】
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/28451075.html
(GMの破産法申請について記述)

【量的緩和とは何か〜その@〜そのA〜】
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/28088435.html
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/28350306.html
(量的緩和とデフレスパイラルについて記述)
posted by きらっち at 07:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済

2009年04月13日

日銀よりも自動車業界が心配。

【日銀、自己資本を増強 財務悪化に備え準備金積み増し】
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090412AT2C1100911042009.html

うむ、やはり5月危機(昨年度の決算発表がピークを迎えるのがこの頃)のために、念には念を入れてるわけかな?日銀は、企業のCP(短期社債)や社債(長期社債)を大量に買い取る量的緩和を行ってるし、買い切ったCPや債券が不良債権にでもなってしまうと日銀そのものが大赤字になるしなぁ……。ところで、「日銀ってどれだけCPと社債を買い切ってるんだっけ?」と思い調べてみた。

【日銀が受け入れている担保の残高】
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/col/col0903.pdf

ふむふむ、3月末時点で現先オペレーションのCP総額はおよそ3兆円くらいなのね。確か、現先買いオペで3兆円規模のCP買取&1兆円の社債の買取を日銀は公表してたけど、実際の現先買いオペの方は、短期社債・保障付短期外債が2兆3千億円しか買い入れなかったところを察するに、思ったよりもCP市場はまともに機能してたと言えるのかもしれない。

ちなみに今回の日銀の場合の現先買いオペとは、「一定期間後に、一定の価格で売り戻す条件でCPを買い入れる」という事。日銀の意図は、CP市場の機能不全が指摘される中、3月末の決算で資金繰りがどうにもこうにもならずに意図せず倒産してしまう企業が出てくるのを防ぐために、企業の持っているCPを一時的に日銀が引き取って、企業に現金を供給するものなんですよ。おそらく年度が明けて決算を乗り切ったところで、日銀が買い取ったCPを再び売り戻すのだろうね。

↓の記事に書いてある通り、現先オペに関してはこれで6回連続で札割れ状態になってるし、しかも4月10日に実施された入札した現先買いオペは、通知額3000 億円に対して応札額はわずか190億円で全額落札という事で、日銀の短期市場の安定化政策は十分過ぎるほど効果が出たと推測される。

【TB・CP需給ひっ迫、新年度資金が流入−「5月危機」は警戒(2)】
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003017&sid=aMc2Db8ye8mI&refer=jp_japan



さて、今後の不安要因として、トヨタや日産等の自動車会社の決算内容は悪いのはすでに予測済みなんだけど、決算発表と同じタイミングでGMやクライスラーのチャプター11(アメリカの会社更生法に基づく経営破産)発表があると、これまた世界中の自動車関連業界が大混乱しそうな気がするんだよ。実際、↓の記事を見る限り5月中にGMの破産発表っぽいしなぁ……。

【米財務省がGMに6月1日までに破産法申請の準備命じる】
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003017&sid=aMflhKE3kx.E

自動車業界の人はわかるだろうけど、日本の自動車部品を作る中小企業の一部は、日本の自動車会社にだけではなくGMやクライスラーにも卸しているので、GMやクライスラーに何かあると少なからず日本にも影響はあるだろうね。
posted by きらっち at 20:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済

2009年04月12日

袋小路に追い込まれた決断

【石原都知事:ワッペン作り直し…「くだらねえ完全主義だ」】
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090411k0000e040034000c.html

石原都知事は、かなり吠えてるなぁ。(笑)基本的にこの手の「税金無駄遣い」の記事は、そこにしか焦点を当てないので、背景にある重大な問題を見過ごす傾向にあるように思う。

この記事に関しては、問題とするポイントが以下の2つに絞られると思うんだよな。

@大した変更じゃないのに、ワッペン再作成のために3400万円の都税を使い込んだ。
Aそもそも、何故内規に違反している物を最初に作ってしまったのか?

大抵の記事は、@の視点でしか記事を書いていなくて、Aに関して踏み込んだ事を書いてる記事を俺は見たことが無い。むしろこの問題の本質は、Aの方にあると俺は思うのだが……。




さてさて、話はちょっと変わるけど、記事中には、

@最初のデザインを決めた幹部2人が訓告処分を受けた
A作り直しを決めた職員も処分する意向を示した

とあるけど、最初のデザインを決めた幹部2人は「内規に違反するデザインを認めた」事に対する処分なので、筋は通っていると思う。ただ、作り直しを決めた人に対する処分の大義名分は何になるんだろうか?「3400万円を無駄遣いした」って事になるのかな?だとすると、この人は「ワッペン作成を止めます」という決断をすれば良かったのだろうか?(それはそれで処分されそうな気もするが。)つまるところこの職員、どんな決断を下そうとも、結局は処分される事になっていたような気がするんだけど、どうなんでしょうか。
posted by きらっち at 21:09| Comment(9) | TrackBack(0) | 時事

親日国で経済も良好なんだけどねぇ……。

【麻生首相 タイで暴動直撃!ヘリで脱出】
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2009/04/12/02.html

【タイ首相、バンコクにも非常事態宣言】
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090412-OYT1T00510.htm

国際会議(ASEAN)の議長国で、デモ隊が会場に突入して非常事態宣言が出て会議が順延されるなんて、前代未聞だよな?(笑)

しかもタイは、昨年も国際空港を反政府グループに占拠されてるし、2006年だったか軍事クーデター起こってなかったっけ?確か当時、うちの職場の幹部がちょうどタイに行っていて、大騒ぎした覚えがあるんだよなぁ。

タイは軍が大きな権力を握っているので、過去にも軍主導で何回かクーデターが起こっていて、政治体制が安定していないんだよね。東南アジアの中では、日本やシンガポールに次ぐ識字率を誇っているし、観光産業や輸出産業が好調で外貨も獲得できていて良好な経済を維持しているので、間違いなく将来は非常に有望な国になるとは思うので、政治体制が不安定なのは非常に残念。国力を経済一本に振り向けられれば、それなりの時間で経済大国になれると思うんだけどなぁ……。
posted by きらっち at 20:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事

GPSの位置取得原理

最近、携帯電話のGPS機能やポケットGPSを利用した位置情報産業が軌道に乗り始めて、ナビゲーションやグーグルマップと連動するサービス等がますます一般的になってきている。この手の位置情報を利用したサービスの要は、「GPSでの位置取得」と「それを利用する地図や空間情報の整備」だと思うんだけど、今日はGPSで位置を取得する原理について書こうと思う。

さて、俺たちエンドユーザにとっては、GPS端末を持っているだけで位置を取得できるわけだけど、裏ではすごいお金のかかるインフラ(GPS衛星)があるわけですよ。このGPS衛星が、それぞれの衛星の位置情報と時刻情報を俺達の持っているGPS端末に特殊な電波を飛ばしていて、位置を算出してる事になるんだな。(図にすると、↓な感じかな。)

GPS_outline.JPG


GPS端末はそれぞれのGPS衛星の電波を捉えているわけだけど、この電波に入っている衛星の「位置」と「電波照射時刻」から逆算して自身の位置を計算してるわけですよ。つまり、それぞれのGPS衛星の電波到来時間差を利用してるわけだ。ところが、いろいろと特殊要因を考慮しなくてはいけないため、そんなに事は単純ではない。

例えば、あのアインシュタインの相対性理論。実は相対性理論を考慮しないと、正しい位置計算ができない事が実証されている。どういう事かというと、それぞれのGPS衛星は正確な電波照射時刻を求める必要があるので、原子時計を搭載しているわけですよ。しかしながら、地球上から見れば時速数kmで高速周回している上に、地球から受ける重力が地上よりも全然弱いため、時間の進み方が地上よりも速いわけだ。このため、地上のGPS端末では相対性理論による時間の進み方を補正した上で計算しないと、正しい位置が求められないことになる。

さらに、「じゃあGPS衛星の位置はどうやって求めているのか?」というと、これもまた完全に物理の話になるのだが、GPS衛星の運動はケプラーの法則(地球を焦点の一つとする楕円軌道)に従い運動している。この運動は、つまるところ6つのパラメータで表されるので、GPSに搭載した各種センサや地上基準局の軌道追跡などで、これらのパラメータを求めてるわけなんだな。ただし、
○地球が完全な球体ではなく、でこぼこして重力分布がそれぞれの場所で異なる事
○(地上に比べれば全然薄いけど)地球大気との摩擦
○他の天体からの万有引力
○太陽輻射圧
等々によって、もちろん誤差計算は必要ではあるけれど。


まぁ、上記のような誤差要因をいろいろと取り除いてGPSは位置を算出してくれてるわけなんですな。そして、何故俺が上記の絵で4つもGPS衛星を書いたかと言うと、未知変数はGPS端末のX,Y,Zに加えて、それぞれの衛星の持っている時刻を補正しなければいけないので、時刻tも未知変数で考えなければならない。つまり未知数は全部で4つ(X,Y,Z,t)であり、これを全て連立方程式で解こうと思うと式が4本必要なわけなので、最低4つのGPS衛星が必要なわけなんですよ。(4つのGPS衛星に対して、電波到達時間差に関する4本の式を作るわけだ)

まぁ実際は、日本の上空であればGPS衛星は大体の時間で4つ以上補足しているので、5つとか6つのGPS衛星を使ってGPS端末の位置を算出している。(複数のGPS衛星を利用するほうが、最小二乗法等を利用して各種誤差要因を小さくできるため)



きちんとした値段の高いGPSになると、誤差数cmくらいで測位できるようになるんだけど、このシステムを最初に開発したアメリカ軍って、やっぱすごいと思うわ……。相対性理論とケプラーの法則を持ち出すスケールの大きさに、日本人じゃ思いつかないような気がする……。
posted by きらっち at 14:14| Comment(1) | TrackBack(0) | 科学