
上記が、固定利率3%で2000万円の住宅ローンを組み、2009年1月から月10万円(元利均等返済)の支払いをした場合のローン残高シミュレーション結果である。(2000万円じゃ都心のマンションは絶対無理だろうけど……)
余談だけど、最近であればフラット35とか、政府の住宅ローン減税なんかを使えばかなり低い利率でローンが組めるんだけど、とりあえずフラット35を参考に今の標準的な金利で固定利率を約3%としてみた。ちなみに、変動金利で減税を上手く組み合わせると、今は1%くらいの金利でいけそうなんだってね。
話を戻そう。さて、上記の表を見ると、住宅ローンを全部返済するまでに23年程度かかる事がわかる。しかも総支払額が2776万円という事で、最初の額面2000万円と比べると返済利率がかなりきいてるわけですよ。この値段だけみれば、何か凄い損したような気持ちにもなるんだけど、そこは「一括支払いの安さ」と「分割支払いでの負担軽減」を天秤にかけることになるわけなんだよね。
インフレになるのがわかっていれば、むしろ分割支払いしたくなるのだけど、世界の景気動向と日本国内の経済動向を考えれば、今後しばらくはデフレの心配をしなければいけないわけで、そうなるとなるべく一括支払うか、あるいは頭金をたくさん払いたい状況ではあるよね。
俺の感覚だと、わずか3%でこれだけ余分に払うのなら、一括で支払うか、一生賃貸マンションでもいいような気がしてきたよ……。(泣)
ちなみに、住宅ローン金利って、何に連動して上がったり下がったりしてるのかというと、変動金利は短期プライムレート、固定金利は長期プライムレートに連動してるらしい。過去のプライムレートは以下の日銀のHPに掲載されてるんだけど、バブルの頃に短期プライムレートが8%を超えてた事実が今となっては信じられないよなぁ……。
【長・短期プライムレート(主要行)の推移】
http://www.boj.or.jp/type/stat/dlong/fin_stat/rate/prime.htm
【おまけの変動金利考察】
ちなみに、変動金利の場合はいろいろと複雑なルールがあるらしく、金利が安いという理由だけで、制度を良く知らない人が変動金利を選ぶと後々非常に困ることになりそうなんだよね。俺が変動金利を勉強して、すぐに気づいた落とし穴は以下の通り。
@金利変動があっても月々の返済額は5年間変わらない。
基本的に変動金利は、半年毎に金利が見直される。ところが、金利が上がろうが下がろうが月々の返済額は最初の設定から5年間は変えられないわけですよ。金利が下がっている時はいいけど、金利が急に上昇したりした場合、下手すると金利上昇分の利子の支払いでいっぱいいっぱいになり、全然ローン残高が減らない事態が起こりうるわけだ。
銀行通帳だけ見れば、引き落とし金額が変わらないためにローン残高が減らない事に気づかない人もいるんじゃないかなぁ……。
A5年後の月々返済額は当初の設定の1.25倍まで
変動金利の場合は、5年毎に月々の返済額を再計算するわけだけど、再計算後の返済額は前返済額の1.25倍までとなっている。例えば、毎月10万円ローン返済していたのに金利上昇でローン残高が思ったより減らなくて、5年後に月々の返済額を再計算したら15万円だったとする。この時、次の5年間は月々15万円支払うのではなく12.5万円しか支払えないわけですよ。これも、銀行通帳見てるだけだとローン残高が減らないのに気づかないわけですよ。逆に、何でまたこんな1.25倍の上限ルールがあるんだかよくわからないのだが……。
Bローン最終月に残り金額を一括返済
Aを考えると、場合によっては最終月に相応のローン残高が残る可能性があるのだけど、当然支払期限を延期することはできないので、ローン返済の最終月には一括で全ローン残高を返済しなければならない。ぎりぎりでローン返済してる人にとっては、最終月の一括返済は非常にリスキーかもしれない。
まぁ、いずれにしても金利が下がってる分には心配しなくていいのだけど、金利上昇の局面を考えた場合でキツキツなローン返済を考えている人にとっては、絶対に固定金利の方をオススメしたい。
目の前の低い金利に釣られて変動金利を選ぶ人はくれぐれも要注意!