2009年10月30日

その作業が無駄という可能性

@【予算ムダ減らし、国民の目で 行政刷新会議が審議公開へ】
http://www.asahi.com/politics/update/1020/TKY200910200485.html

A【事業仕分け人、議員は大幅減の7人 小沢幹事長と合意】
http://www.asahi.com/politics/update/1030/TKY200910290472.html

元々私の中では、民主党の経済対策は「むしろ日本経済が縮小してしまう」という視点で、明らかに反対しています。ところが、無駄削減や公務員改革という視点では「自民党よりはまともな事をするだろう」と今までは思っていました。ところが↑のニュースを見て、本格的に民主党に政権担当能力があるのかを疑いたくなったので、それについて書こうと思います。


まず、↑のA記事中では政府が行っている3000事業のうち、200程度の事業に絞って事業仕分けを行う旨が書いてあります。この3000事業は、一般会計(H22の概算要求額はおよそ95兆円)に関するものですが、民主党は12月末までにこの95兆円にうち3兆円くらいの削減を考えているとの事ですが、2ヶ月程度くらいかかる作業にもかかわらず、200事業で3兆円しか減らせないとなると、全3000事業の事業仕分けが終わるのに何年かかるか民主党はわかって言ってるんですかね?
ちなみに、この3000事業には特別会計の事業はほぼ含まれていないので、特別会計まで事業仕分けしようとなると(いや、むしろ本命は特別会計の方だと私は思いますが)、次の衆議院選挙までに事業仕分けは終わらないのではないでしょうか?
そもそも、すぐに無駄だとわかる200事業で3兆円しか減らさないとなると、他の2800以上の事業でどれだけ減らせるか非常に疑問です。結局、全力で無駄削減しても子供手当て等の財源を確保できずに結局増税せざるを得ないような気が……。

そもそもこの手の予算改革や政策改革をやる場合、本来であれば各省庁の事業や今後の日本経済等々を踏まえた上で、日本全体を考えた議論をしなくてはなりません。事業の中身や方向性を政治主導で別の目的や別の方向性へ変えるのであればまだしも、単純に無駄削減のみの目線でやるのであれば、財務省にやらせた方がよっぽど効率的だと俺は思います。というか、財務省はそのための組織でしょ?
民主党は「95兆円を92兆円に抑えてくれ」と財務官僚に命令すれば良いだけのような気がしてなりません。


そしてこれは俺の勝手な裏読みですが、例年財務省は9月中旬から予算作成作業をするわけなのですが、現在の予定では11月末に事業の仕分けを終わらせた後に、財務省が作業に入るとの事です。これは普通に考えると、行政刷新会議と財務省が裏で密接なやりとりをしていない限り、12月末までの予算案決定が絶対に間に合わないと思うのですが……。
民主党は脱官僚を唱えていますが、財務省に関しては自民党以上にベッタリであろう事は想像に難くありません。


とは言うものの、「今まで官僚のやっていた作業の一部でも政治家がやる」という事は、長期的に見れば日本のためになるのかもしれません。その一方で、「政治家が財務官僚の言いなりになるのではないか?」という懸念もあるのですが、民主党のポリシーが「政権担当能力とは財務省と仲良くできる能力である」という事であれば、その程度の政党という事なのでしょう。
まぁ自民党も同じようなものかもしれませんが……。


【民主政権は「頭脳なき航海」 日経が異例のモーレツ批判】
http://www.j-cast.com/2009/10/30052971.html

ちなみに民主党の経済政策については、「いよいよ」なのか「やっと」かわかりませんが、↑の記事の通り日経が批判の口火を切り出したみたいで、この後に続く新聞社が出るかどうか注目です。



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2009年10月29日

いよいよパンデミックの始まり

【新型インフルエンザ:患者急増 県が警報発令 /宮崎】
http://mainichi.jp/area/miyazaki/news/20091029ddlk45040536000c.html

【インフルエンザ:県が警報発令 /兵庫】
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20091029ddlk28040303000c.html

【新型インフルエンザ:県内初の警報発令 大分市、前週より大幅増 /大分】
http://mainichi.jp/area/oita/news/20091028ddlk44040466000c.html

【インフルエンザ:患者急増、初めて「警報」発令−−東津軽・青森市 /青森】
http://mainichi.jp/area/aomori/news/20091029ddlk02010093000c.html

【インフルエンザ:県、警報発令 流行は北勢地域中心 /三重】
http://mainichi.jp/area/mie/news/20091028ddlk24040297000c.html

【インフルエンザ:県が警報発令 感染者、4保健所で基準超え /滋賀】
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20091028ddlk25040589000c.html

【インフルエンザ:流行警報発令、さいたま市で初 /埼玉】
http://mainichi.jp/area/saitama/news/20091028ddlk11040252000c.html

【東京都が新型インフル警報発令】
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/tokyo/091028/tky0910282030014-n1.htm

flu-japan.jpg

いよいよ新型インフルが爆発的に増えてきました。↑に挙げたニュースは、今日と昨日のわずか2日間のものだけを掲載しています。しかも、↑の画像に示すように、10月から新型インフルで入院している全国の患者数が激増しています。一体いつまで患者数が増加を続けるのかわかりませんが、このままのペースだと、11月中には新型インフルによる入院患者数が1000人を突破するでしょう。皆様、今年の冬は特にご注意下さい。

ちなみにうちの職場では、同居している家族が新型インフルエンザに感染した事が判明した際は報告義務があるのですが、かなりの報告(主に学校に通っている子供さん)が上がっているとの事です。そういえば何も子供だけじゃなく、「昨日と今日で合計3人の職員が新型インフルにかかった」という情報も流れてたけど、全員子供からの感染が濃厚との事。
こういう状況になってくると、電車通勤している人は大変ですよね。なるべくマスクしている人とは隣り合いたくないしなぁ。(笑)


新型インフルが今後どうなるかも非常に興味はあるのですが、米国債の発行ができなくなる11月以降は、「資源価格」と「新興国市場」の行方に注目です。今、FXでブラジルとかオーストラリア通貨に手を出すと面白いことが起こるかもしれません。(笑)



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2009年10月28日

「心のノート」の行方

【「心のノート」廃止も 民主反対で 背後に日教組の意向】
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091005/stt0910050130006-n1.htm

日教組もいろいろと物議を醸し出しているけれど、この「心のノート」の何が問題なんですかね?この前、低学年用の「心のノート」を見たのだけど、「嘘はつかない」とか「困っている人を助ける」とか、そこまで問題になるような物なんですかね?左向きの人が多少反応しそうなのは「自分の国に誇りを持とう」ってところくらいのような気もしたけどなぁ……。


【心のノート存廃で文科相と刷新相が応酬】
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091027/plc0910271341015-n1.htm

さて、↑の記事の通り「心のノート」については、文科相が「存続」、刷新相が「廃止」を狙っていて、多少面白い展開になってきたわけです。(両方とも悪い言い方をすれば)官僚の代弁者になってしまった文科相と、予算削減と言う名の下に日教組のバックアップをつけた刷新相との間で、熱いバトルが繰り広げられそうです。(笑)

しかし論理的に考えると、「心のノート」が子供の教育にどの程度役に立ったかを客観的な数字で調べるのは難しいわけで、刷新相が何を根拠に「心のノート」を廃止しようとするか興味があります。ただ単純に「効果が無い」とは言えないので、「現場の教師が混乱している」というようなお決まりのフレーズが出てくるのでしょうか?(笑)
(「心のノート」以外でも、教育は全般的に「効果」を調べるのが難しい分野だとは思いますし、コストパフォーマンスで語れるものでもないとは思いますけどね)


もともと、この手の話はいろいろと主張の分かれるところだとは思います。道徳教育においては「内心の自由」を守らないといけない一方で、「最低限のモラルは教育で教えるべきだ」という理屈も、個人的にはその通りだと思います。
ただし、「自由」は「無秩序」とは違いますし、「教育」は「洗脳」ではありません。左右の方どちらにも、この辺りを吐き違えないで議論していただきたいものです。



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2009年10月27日

Pontaのビジネスモデルは?

【共通ポイント:ローソン、昭和シェル石油、ゲオが提携 来春から】
http://mainichi.jp/select/biz/news/20091027dde007020053000c.html

この手のポイントって、なかなか「ビジネスモデルが確立しにくい」と言われているんだよね。一種類のお店のポイントなら「顧客を囲い込める」というお店側のインセンティブがあるのだけど、異業種で一緒にポイント運営するとなると、企業側にとってのメリットがなかなか見出せないと思うんだよなぁ……。

そんな状況で、今のところ共通ポイントの成功例となっているのは「Tポイント」だと思います。この「Tポイント」は、そもそもビジネスモデルが他のポイントと全然違うわけですよ。
通常のポイント原資はお店が支払っているわけですが、このシステムのまま異業種同士で共通のポイントを作るとなると「自分で支払ったポイント分の金額が、他のお店で使われてしまう」というリスクが出てきます。もちろん「Tポイント」の場合も、基本は自分のお店で付与したポイントは自分が支払うのですが、それと引き換えにその人のTカードのポイント履歴情報(「○月○日にガストで10ポイント貯めた」とか「×月×日にブックオフで5ポイント使った」等々)が加盟店に渡されて、加盟店側ではその情報をマーケッティング等に利用するわけです。
つまりTポイントの場合は、「ポイントの原資を支払う」というわけではなく「その顧客の情報料を支払っている」という事なんだよね。これによって、通常は自社で多大なお金を使ってマーケッティングに関する資料収集を行うところを、Tポイントの加盟店になって少額のポイントを支払うだけで出来てしまうわけです。
さらに、既存のポイントとはビジネスモデルが異なるので、Tポイント加盟店では「クレジットカードで払ってクレジットカードのポイントを貯めながらも、さらにTカードの掲示でTポイントも付く」というようなポイントの二重取りが出来てしまうわけですね。


Pontaは、2番手としてTポイントを追いかけるわけですが、やはりTポイントと同じようなビジネスモデルを考えているのでしょうか?個人的に思うのは、このTポイント型のシステムは、プリペイド型の電子マネー(特に、特定企業の色がかかっていないEdy)との相性が非常に良いような気がします。
決済部分をEdyが担当して、顧客情報をTポイントやPontaで担当できる形が取れれば、それなりのビジネスモデルが成り立ちそうな気もするんだけどなぁ……。



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2009年10月26日

わざわざ不確実な方法を取る理由は何だ?

【資産・負債に見る不況の原因】
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/33147412.html
nf_asset-liability.jpg
↑の先日のエントリーで、非金融部門中の「非金融法人企業」「家計」「一般政府」の資産・負債を分析したところ、不況の影響を直撃しているのは、「家計」ではなく「非金融法人企業」である事を示しました。バランスシート不況のせいで、「非金融法人企業」における資産・負債は共に急減してしまっているので、この状況を断ち切り、再び「非金融法人企業」の資産・負債を増やす政策を打ち出す事が、日本経済を元の姿に戻す上で重要な方法である事を説明しました。
今日はこの事を踏まえた上で、民主党と自民党の経済政策について考察していきましょう。とりあえず民主党と自民党の経済政策の違いを端的にまとめると以下のようになります。


dpj-flow.jpg
【民主党の経済対策の視点】
@家計支援中心(「子供手当て」や「農家の戸別補償」等々)
A政府支出削減(徹底的なムダ削減/国債発行は消極的)
B経済成長戦略が無い
Cデフレ阻止に対する政策が無い


jimin-flow.jpg
【自民党の経済対策の視点】
D企業支援中心(「公共事業」等々)
Eできるだけ政府支出維持(必要であれば国債発行やむなし)
F経済成長を促して、債務残高対GDP比を低くさせる
G政府支出拡大による需要増加でデフレ阻止

バランスシート不況の脱却(「非金融法人企業」の資産・負債を増やす)という視点で比較すれば、@AとDEでどちらの方が確実な政策かは、それぞれの目指すフローの図を見てもらえば一目瞭然です。「政府支出削減」と「家計支援」を打ち出している民主党のやり方であれば、「非金融法人企業」の資産・負債の増加は、家計消費が増加しないと達成できないので、100%の保証がありません。(家計支援の結果、消費に回らず貯蓄に回されると、まったく効果が出ない事になります。)
一方で自民党のやり方は、政府支出で企業にお金を流すので「たら」「れば」の仮定は必要無く、確実に「非金融法人企業」の資産・負債を増やす方向には向かうわけです。しかも、自民党のやり方であれば、Gにも示したとおり政府支出によって需要を作り出すので「デフレ対策」にもなるわけですが(同時にある程度の失業率低下にもつながるでしょう)、Cのように民主党には「デフレをどうにかしよう」という戦略は今のところ何も言及していない上に、Bのように経済成長に対する戦略が今もってまだ不明確なわけです。


民主党のやり方で心配なのは、政府支出を削った上で家計支援を貯蓄されたら、日本が再びデフレスパイラルに陥る危険性があるという事です。家計支援すれば、「家計消費が間違いなく増える」という確信があるならその根拠を明確に示して欲しいのですが、それについては民主党は何も語っていません。民主党は、民間企業の資産・負債を増やさないといけないのに、民間企業に政府支出せずに家計に政府支出をするというギャンブルのような経済対策を打とうとしているわけで、俺には理解に苦しみます……。
とは言え、ここ1週間で来年度の国債発行増が規定路線になってしまったようで、民主党も政府支出増加の現実路線に舵を切っているのかもしれません。良かったのか悪かったのかわかりませんが、連立相手のあの大臣がキーマンだったのでしょうかねぇ……。



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2009年10月23日

資産・負債に見る不況の原因

【GDP(フロー)と資産・負債(ストック)の意味するところ】
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/33103560.html

GDP-image2.jpg
先日↑のエントリーで、フローとストックについて説明しました。その際、現在の日本経済の状況を↑の画像に集約して、「政府支出でGDPを支えるために政府の資産・負債が拡大して、一方で民間企業は債務返済のために資産・負債が減少している」事を書きました。
さて、今日はその資産・負債(ストック)面において、日銀の資金循環統計から実際の数字を追ってみましょう。


f-nf_asset-liability.jpg
まずは、↑に日本国内の金融部門と非金融部門に対する資産・負債額の推移を出しました。金融部門の方は、景気動向にかかわらず、資産・負債共にわりと安定している事がわかります。金融部門が会社や個人から預かったお金は「いつか預け主に返さないといけない」という理由で、負債として位置づけられているのですが、現金のまま持っていても利子や利回りがつかないため、その大半を株とか債券を購入して資金運用をしています。そのため金融部門は、資産も負債も同程度の金額で推移しているのです。
一方、非金融部門の方の資産・負債の推移は動きが激しいのがわかります。ぱっと見た感じでは景気動向と非常に相関がありそうですね。いずれにしても非金融部門については、正常な経済状況であれば、生産/投資活動が活発になるので、資産・負債が共に増加していきます。実際に、失われた10年からようやく抜け出し始めた2002年辺りから、その傾向が顕著にあらわれています。ところが、アメリカのサブプライム問題が表面化した2007年頃から、日本の非金融部門の資産・負債の増加傾向が止まって、共に急減に転じました。

普通、不景気になると生産/投資活動が弱くなることにより、資産・負債は伸びなくなります。ただし、仮に生産/投資活動をしなかった(お財布の中身の出し入れが無い事に相当)としても、資産・負債額に変化は出ません(お財布の中の金額は変わらない事に相当)。ところがお財布の中には、「株」という日々価値の変動する物があるわけで、株価が買った値段より下がってしまうと、当然その分を損をするわけです。そのまま放っておいて、株価が値上がりするのを待てるほど資金繰りに問題がないならばいいのですが、社債や借入金の類の負債については、負債額が変動するものではないため、期限までにしっかり返さないといけないわけです。
通常、民間企業の資金は全て預貯金のみで運用しているわけではなく、多額の「株」で資金運用しているところもあるわけです。例えば、会社の全資産の1/2を株で運用していたとしましょう。そして、株の暴落があって平均株価が1/3になったとしたら、会社の資産の2/6が消えた事になります。一方で、会社が発行した社債や銀行から借りた借入金の額は変わらないので、会社の実質的な返済負担が重くなるわけです。これにより、今までは営業利益を何かに投資(自社の設備投資、子会社への増資等々)していた会社が、迫り来る借金返済が怖いので、営業利益をそのまますぐに借金返済につぎ込んだわけです。これにより非民間部門は、資産も負債もどんどん減少する「失われた10年」から抜け出せなかったわけです。

さて、↑の2007年以降の非金融部門の資産・負債状況を見ていると、国内非金融部門の資産は3150兆円→2700兆円、負債は2950兆円→2450兆円まで減っているわけで、再び「失われた10年」と同じ状況になりかけているのかもしれません。ただ、日本はすでにこの状況は一度経験しているし、その時に企業のバランスシートを相当に綺麗にしたので、他国に比べると今回の被害は相対的にかなり軽いとは思いますけどね。

それでは、次にこの国内非金融部門をもう少し深堀して調べてみましょう。非金融部門は「非金融法人企業」「家計」「一般政府」「対家計民間非営利団体」の4つの部門で成り立っています。「対家計民間非営利団体」は規模が小さいのでここでは省略しますが、残りの「非金融法人企業」「家計」「一般政府」についての資産・負債状況を見てみましょう。


nf_asset-liability.jpg
↑が「非金融部門」中の「非金融法人企業」「家計」「一般政府」の資産・負債の推移となります。まず皆様が「あれ?」と思うのは、非金融法人企業の資産よりも負債の多い状況ではないでしょうか?これはどういう事かと言うと、返済義務の無い株も負債としてカウントされているからです。個人投資家(家計)や金融部門が購入している企業の株は、個人投資家や金融部門にとっては「資産」であり、企業にとっては「負債」となります。ただし、株は返済義務の無い負債であるので「借金」とは違います。2009年Q2現在で、非金融法人企業の負債のうち440兆円が株による返済の必要の無い負債なので、これを考慮すれば、非金融法人企業は資産>負債となります。
ただ、「一般政府」の方はそうではありません。一般政府の負債増加の原因は、皆様もご承知の通り国債発行によるものですが、これは返済義務のあるものです。
そして、「家計」の資産について言えば、失われた10年以降も着実に増えてきました。2007年以降、株安のせいで若干減少傾向を示していますが、一方で負債の方も額は少ないけど着実に減少しています。しかし、純資産(資産-負債)が1000兆円程度あるので、日本国民は素晴らしくお金持ちですなぁ。(笑)

いずれにしても、今まで見てきたように、非金融部門のストック面における現在の日本経済の課題は、「非金融法人企業」の資産・負債を増やす事である事は明白です。それでは次回、どうやってここを底上げするのかを自民党視点と民主党視点で考察してみたいと思います。
(「民主党の経済対策は逆に景気が悪くなるのでは?」と思う論拠を図でいろいろ説明する予定です。)



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2009年10月22日

オイラーの公式

今日は、表題の通り「オイラーの公式」を紹介します。この公式は理工系の大学生でないと習わないのだけど、もしこの公式が発見されていなかったら、様々な分野でいろいろな技術が実現できなかったでしょう。(身の回りにあるもので言うと、「携帯電話」「MP3プレーヤー」「JPEG圧縮方式」等々。スケールの大きな物となると、「ロケットの打ち上げ」「人工衛星の軌道制御」が挙げられるでしょうか。)

euler-formula.jpg
さて、そのオイラーの公式だけど、↑の通りです。「はぁ?!」と思った人は多いでしょう。そう、高校の数学でe(自然対数)、i(複素数)、sin/cos(三角関数)は習っているけれど、「e^(ix)(eのix乗)が全然イメージできないぞ!」という方がほとんどだと思います。
ちなみにこのオイラーの公式は、特に「x = π」の時がよく知られていて、この時「e^(iπ) = -1」となる。右辺をべき乗しているにもかかわらず、左辺に負の数が出現するため、ますますわけのわからない公式なんですよね。(笑)
今日は、このオイラーの等式をマクローリン展開を使って導出するところまでを説明します。


maclaurin.jpg
まずはマクローリン展開についてだけど、これは「ある連続な関数f(x)を、xの多項式で近似する」というものである。とりあえず、文章だけじゃよくわからないので、マクローリン展開の公式その物を出すと、↑の通り。式そのものの理解は非常に難しいのだが、マクローリン展開の直感的な意味は、
1.nが小さいと、x=0近辺は近似できるが、x=0から離れるにつれて近似精度が悪くなる。
2.nが大きくなるにつれて、x=0から離れている場所の近似精度が上がる。
3.n→∞の時に、マクローリン展開した右辺がf(x)と一致する
というところでしょうか。

maclaurin_exsample.jpg
ちなみに↑の画像は、例としてf(x)=cos(x)という関数を、n=2,6,10としてマクローリン展開した例です。nが大きい程、cos(x)と一致する事がよくわかるかと思います。


さて、それでは次にそれぞれ「e^(ix)」「isin(x)」「cos(x)」にマクローリン展開をかけてみましょう。実は、この3つに非常に面白い関係が導き出せるのですが、それを↓の画像に示します。
euler-formula_qed.jpg

そうなんです。「isin(x)」「cos(x)」をマクローリン展開した物の和が、「e^(ix)」をマクローリン展開した物と一致するわけですよ。(ここでは、「isin(x)」をマクローリン展開した項を青色、「cos(x)」をマクローリン展開した項を赤色にしているので、「e^(ix)」をマクローリン展開した項との対応が容易に理解できると思います。)
このオイラーの公式は、「指数関数」と「三角関数」が「複素数」を介して一本の公式でつながっているわけで、数学的には非常に重要な公式なのです。


さて、この「オイラーの公式」は、あまりに基礎的かつアカデミックな話なので、これ以上の説明はしないけど、この「オイラーの公式」から派生したもので、「フーリエ変換」という数学分野がある。「フーリエ変換」を使う応用例として、「音声/音楽/画像/映像処理」とか「通信処理」とか「ロボット制御」等があるんだけど、次回(来月くらい?)はこの「フーリエ変換」の基礎について説明しようと思います。



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posted by きらっち at 23:48| Comment(5) | TrackBack(1) | 科学

2009年10月21日

GDP(フロー)と資産・負債(ストック)の意味するところ

今日は、GDP(フロー)と資産・負債(ストック)を説明して、今の日本がどういう状況に置かれているかを図で表してみたい。そして、次回に具体的な数字を用いて、それを裏付けていこうと思う。


flow-stock.jpg
まずは、フローとストックの概念図を↑に表す。そんなに難しい図ではないので見ればすぐにわかるだろうけど、要はGDP(フロー)とは社会の中で流れるお金の額を表している。(本来の経済学でのGDP定義とはちょっと違うのだけど、ここでは「矢印の方向にお金が支払われる」と理解してもらう方が理解しやすいと思います。)そして、資産・負債(ストック)は、それぞれの持っている資産と負債の額を表している。
つまり、
1.GDP(フロー)とは「財布に出入りするお金の量」
2.資産・負債(ストック)とは「財布の中にあるお金の量」
という事なのです。

さて、この事さえわかれば、「GDP(内閣府から3ヶ月毎に発表される)」と「資金循環統計(日銀から3ヶ月毎に発表され、団体別の資産・負債額がわかる)」で、フローとストックの分析が出きるわけです。とりあえず今日は、直近の日本経済をこのフローとストックの概念図に反映してみましょう。


GDP-image2.jpg
かなり誇張して書いていますが、↑この図こそが現在の日本経済(世界各国の経済状況も似た状況のはずです)を端的に表しています。

フローについて言えば、政府による支出以外はお金の流れる量が減ってしまったわけですよ。GDPの「最終民間消費支出」「民間設備投資」「民間住宅投資」「輸出」「輸入」は、リーマンショック前に比べると減少しているので、当然GDPは減少するわけです。一方で、落ちるGDPを支えているのが「政府最終消費支出」と「公的固定資本形成」なわけです。
何せ、社会にお金の流動性を与える銀行は貸し剥がしや貸し渋りが横行して本来の役目を果たせず、景気が悪くなって民間企業の生産量は落ちて失業率も上がり、国民も先が見えずに貯蓄をする状況なので、どう考えても社会のお金の流動性は上がらないわけですよ。そういう状況になったら、そりゃ政府支出によってお金の流動性を与える(GDPを支える)しか手段はないでしょうねぇ……。

一方ストックについては、民間企業がバランスシート不況により負債返却に専念して資産・負債を減らす一方で、GDPを支える日本政府が国債発行により資産・負債を増やしていく構造になっているわけです。

つまるところ日本経済で一番の問題なのは、家計や民間企業が消費/投資をしなくなった事です。家計の方は、貯蓄によってストックの急減を抑えられているわけですが、民間企業は貯蓄ではなく負債の返済に専念しているので、資産・負債が急減しているわけです。その急減分を、政府支出でカバーしている状況なわけですね。


という事で、次回(明後日くらい)に「GDP」と「資金循環統計」からの具体的な数字を元に、現在の日本のフローとストックの状況をもう一度迫ってみようかと思います。


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posted by きらっち at 23:28| Comment(0) | TrackBack(1) | 経済

2009年10月20日

根回しの無い政治

民主党が政権を取ってからこの一ヶ月、仕事の面からも一国民の視点からも民主党の手腕を見てきましたが、自民党と決定的に違う物の一つに「根回しの少なさ」が上げられるのではないかと思います。


【国交相「国幹会議を廃止」 高速道計画、新たな仕組みで】
http://www.asahi.com/politics/update/0929/TKY200909290164.html

良くも悪くも、自民党時代の政権は「根回し主義」でした。代表的な物として挙げられるのは↑に代表される会議ですが、何か大きな施策の計画や政策の方向性を決める際には、こうやって民政官が事前に会議を行い問題点や課題等の議論を行いながら、全員参加型の意志決定プロセスを踏んでいたわけですが、民主党政権になってから決定した大きな施策や政策ではどうだったでしょうか?

@CO2削減1990年比25%減
【温室ガス削減目標、対応慎重に…経団連が要望】
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20091007-OYT1T00549.htm

A高速道路無料化
【自工会会長 高速道路無料化は慎重に検討を】
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091015/plc0910151837022-n1.htm

B子供手当て
【子ども手当の地方負担、知事会長「話が違う」】
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091020-OYT1T00558.htm

C農家の戸別補償
【所得補償なんかいらない? 農家の本音】
http://www.business-i.jp/news/flash-page/news/200910180008a.nwc

D借金の返済猶予制度
【亀井モラトリアムの危険すぎる“副作用” 金融界は猛反発】
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20090930/plt0909301552003-n1.htm

まぁ他にもいろいろありますが、要は根回しせずに首相や大臣の意志だけで決めてしまうわけですよ。確かに民主党は「しがらみの無い政治」を主張していますが、つまるところ「じゃあ今後は俺らが独断で決めるよ」という裏返しでもあるので、八ツ場ダムのような問題が今後もいろいろと出てくるでしょう。

特に自民党時代であれば、ACみたいにその政策が有利に働く業界から反対の声が上がるなんてまず無かったわけです。逆に言うと、「自動車業界が高速無料化に賛成ではない」「農家が戸別補償に賛成ではない」なんて事になっているのであれば、誰に対する何のための政策なんでしょうね?(笑)


一方、役人視点で見た場合、大臣によって大きく変わると思いますが、うちの大臣は「局長決裁くらいの案件は直接自分で見たい」との事で、精力的にお仕事をされているみたいですが、その分仕事がつかえてしまい、貯めた案件が限界に近づいてきています。
そういう面で考えると、案件が山ほどある「長妻厚生労働大臣」は大丈夫でしょうか?役人側の視点から見ると、大量の質問主意書を送りつけ、行政事務遂行の阻害要因にもなる長妻さんは当然嫌われていましたが、大臣という激務に追われて健康を害していないか心配になります。そもそも厚生労働省は年金以外の仕事もあるわけだし、事務の効率化(引いては税金節約)にもつながるので、ある程度役人に裁量権を持たせた方が良いのではないでしょうか?(一部週刊誌等では、すでに官僚の言いなりという報道もありますが)


いずれにしても、このまま現政権が根回しせずにいろいろと独断で決めていってしまうと、そのうち業界団体や地方自治体が敵に回ってしまうのではないかと、非常に心配しています。前政権のようにとは言いませんが、多少の「聞く耳」を持つ事は必要かと思います。ただ、それによって政策の方向性が変わるとなると、今度は自分達が「ぶれた」と言われるのでしょうけどね。(笑)



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posted by きらっち at 22:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治

2009年10月19日

クレジットカード大改編!

私事で申し訳ないのだが、最近ウィルコムのPHSからDOCOMOの携帯電話にチェンジしたのに伴い、電子マネー環境が大きく異なったので、それに合わせてクレジットカードの大改編を行いました。

現在の手持ちクレジットカードは以下の通り。


@ポーラスターカード(プラス)
ブランド:VISA
年会費:3150円
特徴:1%引き
用途:メインカード
還元率:1.7%
還元先:Gポイントと夢ナビカードを経由してEdy

Aビックカメラsuicaカード
ブランド:VISA
年会費:実質無料(前年度に利用実績があれば次年度無料で、初年度は無料)
特徴:VISAのみEdyチャージ可能
用途:モバイルsuicaチャージ、モバイルEdyチャージ
還元率:1.5%(suicaチャージ)、1%(Edyチャージ)
還元先:View商品券

B夢ナビカード
ブランド:VISA
年会費:実質無料(前年度に利用実績があれば次年度無料で、初年度は無料)
特徴:電気代・ガス代の引き落としは、ポイント5倍
用途:電気代・ガス代の引き落とし
還元率:0.5%(電気代・ガス代は、2.5%)
還元先:Edy

CK-POWERカード
ブランド:VISA
年会費:1575円
特徴:携帯電話使用料金に応じてキャッシュバック額が決定
用途:携帯電話使用料金引き落とし、ジェフグルメカード購入
還元率:6.5%
還元先:キャッシュバック

Dライフカード
ブランド:master
年会費:無料
特徴:誕生月の使用はポイント5倍
用途:誕生月での使用、モバイルiD
還元率:0.5%(誕生月は2.5%)
還元先:Gポイントと夢ナビカードを経由してEdy

EE-NEXCO pass
ブランド:master
年会費:実質無料(前年度に利用実績があれば次年度無料で、初年度は無料)
特徴:高速道路関係(ETCやPA/SAでの利用)はポイント2倍、無料ロードサービス付
用途:ETCとロードサービス
還元率:1.0%
還元先:E-NEXCOポイントでPA/SAでの利用

FファミマTカード
ブランド:JCB
年会費:無料
特徴:Tポイントカードを兼ねる
用途:ファミマでの公共料金支払い、モバイルEdyの括り付け
還元率:0.5%
還元先:Tポイントでいろいろなお店で利用


んで、使用する電子マネーは以下の3種類。

1.モバイルEdy(還元率1.5%)
Edyチャージで1%還元(0.5%サンクスビューポイントと0.5%ビックポイント)、Edy決済で0.5%還元(Tポイント)

2.モバイルSuica(還元率1.5%)
Suicaチャージで1.5%還元(1.5%サンクスビューポイント)

3.モバイルiD(還元率0.5%)
iD決済で0.5%還元(0.5%サンクスポイント)


おそらく手持ちカードの構成で似ている人は皆無のような気もしますが、Edyに還元させるという観点で「こんな良いやり方があるよ。」というのがあったら、是非とも教えてください。



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posted by きらっち at 21:57| Comment(9) | TrackBack(1) | 日記

2009年10月16日

残り2000億ドル程度……

【それぞれの想いを胸に米国債】
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/30347734.html

↑のエントリーで5月末現在の米国債の発行状況を書きましたが、今日は最新の米国債状況をお伝えします。
アメリカの法律で、「米国債の発行は12兆1千億ドルまで」という事が決まっていますが、すでに9月末現在で11兆9千億ドルを発行しているようで、今月か来月にはいよいよ米国債の追加発行ができなくなりそうです。
まぁとりあえず、じっくりと下のグラフを見てみましょう。


200909_us-bond.jpg
↑が、2008年1月〜2009年9月の米国債発行残高と、日本と中国の米国債保有額になります。見てわかるとおり、アメリカはコンスタントに米国債を発行し続けています。今年に入ってから、およそ1兆2千億ドル、すなわち一日平均で44億ドル程度(円に換算すると約4000億円)の米国債を発行しているにもかかわらず、米国債発行をいきなりストップして大丈夫なんでしょうか?

そして、日本と中国の米国債保有も見てみましょう。月によっては保有額を減らす事もあるもの、何だかんだ言いつつ中国は米国債保有額を増やしています。米国債を投売りしたら世界経済が崩壊してしまうので、中国も米国債の扱いには非常に困っている事でしょう。もちろん日本も、6月7月と米国債を買い増している事がわかります。
しかしいくら円高基調とは言え、日本は7200億ドル以上の米国債を保有するわけで、仮に利回りが3%だとしてもおよそ22億ドル(日本円で約2000億円)が毎年得られるわけです。もちろん、この利回りが全て円に換えているわけではないでしょうけど、これも「日本がなかなか円安になれない」という要因の一つでしょう。


ところで、アメリカはFRBによる3000億ドルの米国債購入を10月末で完了して、量的緩和の拡大が止まります。(おそらく、「10月末で米国債の追加発行が止まる」と米国財務省とFRBで話が付いていると推測されます)という事で、今まで米国債に流れていた世界中の資金がどこに向かうのかが注目されます。株や債券みたいな金融関係に資金が向かえば嬉しい限りなのですが、原油や貴金属等の「実物」の方に資金が向かってしまうと、それこそ去年のガソリン価格みたいに再びインフレが起こるかもしれません。

さぁ、11月以降インフレが起こるのかどうか。米国債の動向と共に、非常に注目です!



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posted by きらっち at 21:54| Comment(5) | TrackBack(1) | 経済

2009年10月15日

前政権の時と同じじゃん?!

【国会対策:やっぱり官僚頼み 質問議員への事情聴取指示】
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091015k0000e010080000c.html

結局、こうなってしまうわけですか。民主党は「脱官僚依存」を掲げていて、「これで、俺らの国会関係の仕事も少しは減るのかな?」とは思っていたけど、決してそんな事はないわけですね。やはり事前に質問がわかっていないと、大臣も即答できないのでしょうねぇ。(笑)

そもそも欧米の場合、政府組織の大臣は大学教授とか民間第一線のスペシャリストの方が就任される場合がほとんどです。一方、日本の場合は皆様もご存知のように、ほとんどの場合で国会議員が大臣に就任します。もちろん、日本にも何かの分野のスペシャリストである国会議員はいるのですが、実際大臣になった人を見てみると、どうでしょうか?
民主党の「脱官僚依存」は、イギリスをモデルにしているようですが、そもそもの国会議員の質も欧米並に合わせないと、目指すべき「脱官僚依存」を達成するのは難しいような気がします。


さて、議院の質と言っても、それを計る指標はいろいろありますが、ここではとりあえず「学歴」に着目して日本の大臣(18人(含む首相))とアメリカの各省トップである長官(15人(含む大統領))を比較してみました。

【日本】
博士×1、修士×5(弁護士3名を含む)、学士×12

【アメリカ】
博士号×4、修士号×8(弁護士4名を含む)、学士×2
※アメリカだと弁護士資格を取るために大学卒業後に、日本で言う法科大学院に当たるところに通うので、ここでは日米共に「弁護士」の資格を取得した人を修士相当としている。

一見して、日本とアメリカで差のある事がわかります。確かに、「学歴=能力」というわけではありませんが、なかなか面白い数字ではあります。違う見方をすれば(良く言えば)、ある意味で日本は「欧米に比べて学歴社会ではない」という事が言えるのでしょう。(笑)


日本の官僚は国会対応として、質問取りをしたり答弁を作成したりしていますが、欧米の場合はどうなんでしょうね?我々と同じように、大臣答弁とかも下っ端の官僚が作成してたりするのかな?非常に気になるところです。



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posted by きらっち at 23:04| Comment(0) | TrackBack(1) | 政治

2009年10月14日

日米欧のマネタリーベース推移

そういえば、本ブログでは「マネタリーベース」については一度も登場していなかったと思うので、今日はこの「マネタリーベース」について見てみよう。


cashflow_structure.jpg
まず「マネタリーベース」の説明の前に、お金の流通の仕組みについて説明する必要があるので、↑にそれを示します。日本の場合、通貨発行権があるのは日本銀行のみです。まず日本銀行はお金を刷って、民間銀行に流通させる。(実際の日銀と民間銀行のお金のやり取りは、「日銀当座預金」という利子の付かない口座を通して行われる)そして、民間銀行を通して広く日本の社会全体に現金が流通する仕組みになっている。
ここで、マネタリーベースとは「社会に出回っているお札/貨幣の総額」と「それぞれの民間銀行の日銀当座預金の残高」の合計の事である。つまるところマネタリーベースとは、日銀が社会に供給するお金の総額であって、これを基にしてその何倍もの額の経済活動を循環させているわけです。

さて、今日はここ最近の日米欧のマネタリーベースの額を追っていきましょう。日本経済は欧米経済と比較すると、非常に健全である事がマネタリーベースからわかります。


world_monetary-base.jpg
という事で、↑が日米欧の2008年1月〜2009年9月のマネタリーベースの推移となります。
アメリカのマネタリーベースは、リーマンショックから半年も経過しないうちに2倍以上に上がりました。社会に供給するお金の総額が2倍になったという事は、普通に考えると2倍のインフレが起きそうなものですが、まだアメリカにそこまでのインフレは起きていません。(ここ最近の消費者物価指数を見ると、ようやくデフレが止まった状態)
これは何故かと言うと、マネタリーベースは増加しているけれども、そのお金が循環しない(民間銀行から先にお金が流通しない)という、まさにバランスシート不況論に行き着きます。この辺りは、「マネタリーベース」と「マネーサプライ」のそれぞれの増加率を比較すれば一目瞭然なのですが、「マネーサプライ」については話が長くなるので、また後日に回しましょう。

いずれにしても、今のアメリカは
@マネタリーベースがリーマンショック以降で2倍になった。
Aしかしながらインフレが起きていない
という2点から、「資金不足」が問題なのではなく民間銀行から先の「資金循環」に問題のある事が推測されるわけです。逆に言うと、「資金循環」の問題さえ解決すれば、アメリカはすぐにインフレになるのではないでしょうか?確かに、FRBが出口戦略をどうのこうのというニュースを見ていて、「おいおい、まだまだ景気がジリ貧の状態で何を寝ぼけた事言ってるんだ?」と思っていましたが、確かにアメリカはインフレの下地が出来ているのかもしれません。(マネタリーベースが全て市中に出回るわけではありませんが)

一方EUの方も、アメリカ程ではないにしろ、マネタリーベースがリーマンショック前から3割程度増加しています。アメリカよりも、むしろEUの方が金融ショックの痛手が大きいと言われているので、「EUの方こそ、民間へジャブジャブに資金供給しなければいけなかったのでは?」と、個人的には意外に感じます。(確かに、EUはアメリカ程の本格的な量的緩和をしていないと言う事もあるとは思いますが)

そして、日本のマネタリーベースはさほど増加していません。欧米では、リーマンショックにより投資資金の回収と共に、相当な金額が現金化され一気に現金需要が急増したのでしょうが、日本の資金回収はそこまでひどくはなかったという事でしょう。
ただ、欧米のマネタリーベースが増加傾向を示す一方で、日本はほとんど変化が無いわけなので、しばらくは円安になる事は無さそうですし、アメリカと違ってインフレの下地ができているわけでもありません。
むしろ日本の場合は、デフレさえ何とかすれば、ある程度良好な経済/金融状態が取り戻せるはずなのですが、アメリカやEUの場合はすでに正常ではない部分(「マネタリーベース」「金融機関のバランスシート」「家計負債の多さ」「国債の利回り」等々)が複数あるために、どれかを無理やり回復させようとすると、どこかが破綻しかねません。今はまだ、アメリカもEUも何とかするだけの財政的余裕がありますが、世界景気が回復する前にこれが尽きるとなると……。いやいや、あまり考えたくないですね。(笑)


そして次回(1週間後くらいを予定)は「通貨供給量(マネーサプライ)」の方の数字を追ってみたいと思います。



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posted by きらっち at 22:17| Comment(1) | TrackBack(1) | 経済

2009年10月13日

本当に農業は儲からないのか?

【なぜ、なぜ、なぜ、日本の農業は儲からないのでしょうか?どうすれば、儲かるのでしょうか?】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1331012218

さて、いろいろと注目を浴びつつある「農業」ですが、皆さんの中では「農業は儲からない」というイメージがありません?俺も何となくそうは思っていたのですが、「実際のところ、世の中の農家の所得事情はどうなんだ?」と思ったので、今日は農林水産省の統計から野菜品目別の経営収支を調べてみました。


agri-prod_balance.jpg
↑が、平成19年の主要野菜20品目10a当たりの経営収支です。「農業粗収益」とはその野菜を売ったお金、「農業経営費」はその野菜を作るのに要したお金、「農業所得率」は「農業粗収益」から実際に農家の所得になる割合を示しています。
このグラフを見る限り、収支面(収益に対して必要経費が少ない)で効率良く稼げる野菜は「ししとう」を筆頭に、「なす」「きゅうり」というところでしょうか?俺は、農業をやった事は無いのですが、おそらく「ししとう」「なす」「きゅうり」は育てるのに必要な道具や機材があまり必要ない(あるいは安い)ため、初期投資が少なく抑えられるという事だと思います。
一方で、「たまねぎ」と「はくさい」は「農業所得率」が40%を切っているので、必要経費が収益に対して大きい事がわかります。これは、「たまねぎ」や「はくさい」を作る際に、「土を覆う防風ビニールを設置しなければいけない」とか「高価な肥料を使用しなければいけない」等々の必要経費が結構かかるという事なのでしょうか?(農業やっている方に是非とも聞きたいところですが)

ちなみに、↑のグラフは収支面での効率性しかわかりません。ひょっとすると「ししとう」「なす」「きゅうり」は、そもそも作るのに時間のかかる作物で「労働1時間当たりの所得」という面では効率の悪い作物かもしれないので、実際問題としては、「収支面での効率性」と「時給での効率性」がどうなっているかも調べる必要があります。


agri-prod_pbh.jpg
そして↑のグラフが、平成19年の主要野菜20品目10a当たりの労働時間と一時間当たりの所得です。これをみると、先ほど「収支面」で一番効率の良かった「ししとう」ですが、そもそも労働時間が多いために時給換算の所得は700円を切っていて、20品目中では最低レベルとなっています。必要経費が少ないとはいえ、これじゃあまり農家は「ししとう」を作りたいとは思わないかもしれません。
さらに、「作るのに時間がかかって必要経費も高いのに、手元に残る儲けが多いわけでもない」という要因で、時給面で一番効率の悪いものは「ミニトマト」です。「ミニトマト」を作っている農家さんも、実は薄々気がついているんですかね?
一方で、「時給」の面で一番効率の良いのは「キャベツ」(1時間当たりの所得は2000円程度)と「レタス」(1時間当たりの所得は1700円程度)になりました。「キャベツ」と「レタス」は、作るのに必要な労働時間の少ない事に起因して、1時間当たりの所得が高くなります。(ちなみに、計算したら「キャベツ」と「トマト」は俺の時給より高そうです。(笑))

という事で、「ミニトマト」と「キャベツ」では、1時間当たりの所得が3倍程度も違うために、それなりに所得を増やしたいという農家にとっては「栽培する作物の選択」が重要になる気がします。
そして注意しなければならないのは、↑の統計はあくまで全国平均の統計であって、「個々の地方の実情を反映したものではない」という事です。作物によっては、「○○地方では春のみ栽培可能」とか「××地方においては、△△の肥料が安く購入できる」というように、地方によって有利/不利になる要因があるはずですので、そういった地方の特色を踏まえて、さらにその年の気候変動等の予測や、リスク管理を綿密に考えれば、それなりに儲けられそうな気もするのですが、どうなんでしょうか?

幸い、「キャベツ」は品種によって育つ気温にバラつきがあるので、例えば俺が農家なら、労働一時間当たりの所得の良い「キャベツ」を品種を変えながら一年中作った上で、キャベツの不作対策(キャベツは高温に弱い)として、高温でも不作にならない野菜を作ってリスクヘッジしようかなぁ……。なんて事を考えていたら、案外農作物の生産計画っていうのは、株や金融派生商品の取引と似たようなものがあるのかもしれません。(笑)(あくまで、全然知識の無い農業素人の考えですが)


しかし、農業は製造業以上に人手に依存した産業ではあるので、人件費の高い日本は価格競争力においては非常に不利でしょうね。それこそ、「農作物は農家が作る」という時代から「農作物はバイオテクノロジーを駆使して、白衣を来た技術者が作る」という時代になれば、日本の農業を取り巻く不利な状況も変わるのでしょうけど。(笑)



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posted by きらっち at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事

2009年10月12日

学園祭と体重増

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tu-fest1.jpg
連休中に、母校の学園祭に参加してきました。音楽関係の後輩のライブが見れたのは非常に良かったのだけど、いろいろと出店の食べ物を喰い漁ってしまい、体重が間違えなく増えたような気がします……。

秋はいろいろとイベントが多いため、土曜日や日曜日や祝日の執筆率は落ちてしまうかもしれません。申し訳ありません。



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posted by きらっち at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2009年10月09日

国債発行が円高の維持につながる

今日は、日本の国際収支統計から日本の対外収支状況の凄まじさを見てましょう。そして、日本がそんなに簡単には長期的に円安にならない(なれない)上で、さらに国債発行が円高維持につながる事を説明します。


monthly-bop_japan.jpg
↑が2008年1月〜2009年8月の日本の月次の国際収支です。本ブログでは、国際収支統計を度々掲載していますが、復習のために今一度それぞれの項目について説明します。

経常収支とは、日本と海外での金融資産以外でのお金とやりとりで、
「貿易収支(貿易によるお金のやり取り)」
「サービス収支(サービスによるお金のやり取り)」
「所得収支(海外株や海外債券による配当金・利子・利回りによるお金のやり取り)」
「経常移転収支(母国への仕送りや無償援助等、見返りの無いお金のやり取り)」
からなっていて、以下の関係がある。
経常収支=貿易収支+サービス収支+所得収支+経常移転収支

資本収支とは、日本と海外での金融資産に対するお金のやり取りで、
「直接投資(海外子会社等に対する株等の取引)」
「証券投資(海外会社等への株や債券等の取引)」
「金融派生商品(海外とのオプション取引や先物取引等々)」
「その他投資(上記3つ以外のもので、海外との貸付・借入、貿易信用、現預金等の取引)」
「その他資本収支(その他)」
からなっていて、以下の関係がある。
資本収支=直接投資+証券投資+金融派生商品+その他投資+その他資本収支

外貨準備高は、政府や中央銀行の持つ外貨額

なお、「経常収支」「資本収支」「外貨準備高増減」には以下の関係があります。
経常収支+資本収支+誤差分=外貨準備高増減


さて、それではまず経常収支の方を見てみましょう。昨年9月のリーマンショックで、それまで順調だった経常収支が急減して今年1月には経常赤字になってしまいましたが、今年の2月以降は再び黒字基調に戻りました。ただし、経常黒字に一番寄与している項目は、貿易収支ではなく所得収支です。つまり、日本が対外的にお金を儲けている手段は、「貿易」ではなく「海外株や海外債券による配当金・利子・利回り」なわけです。
そして、次は資本収支の方を見てみましょう。直接投資と証券投資は、ほとんどマイナスになっています。日本の場合、2008年9月〜2009年3月はリーマンショックに起因して「日本勢が海外株や海外債券を売り払った」以上に、「海外勢が日本株や日本債券を売り払った」事が主因となり、資本収支が赤字になりました。一方で、それ以外の期間では「海外勢が日本株や日本債券を買っている」以上に、「日本勢が海外株や海外債券を買っている」事で主因で資本収支が赤字になっています。
↑の表だけを見ても、どちらの要因で赤字になっているかは読み取れないので、以下のさらに詳細な直接投資と証券投資の内訳表を読むことで判明します。
http://www.mof.go.jp/bpoffice/bpfdi.htm
http://www.mof.go.jp/bpoffice/bppi.htm

このように、同じ赤字でも「海外勢が日本から手を引く事」による悪性の赤字と、「日本勢が海外の株や債券を買っている」という良性の赤字があるので、この辺りは注意して数字を読む必要があります。ちなみに、日本の資本収支はリーマンショック直後を抜かせば、基本的には良性の赤字です。


さて、この国際収支表を見てみると、

1.経常収支の黒字分は主に所得収支(日本勢の購入した海外株や海外債券による配当金・利子・利回り)が支えている
2.資本収支の赤字分は主に直接投資/証券投資(日本勢による海外株や海外債券の購入)に起因する
3.外貨準備高は常に増加傾向

という事がわかります。これはつまり、「所得収支をもっと増やすために、さらに海外株や海外債券を日本勢が買い進めている。」という事です。日本がすでに貿易国から投資国へ舵を切ったのは、「いくら日本製品の品質が良くても、このまま円高が続けばそのうち新興国との価格競争に負ける」という読みがあったのでしょう。しかも非常に素晴らしい事に、リーマンショックの影響の一番大きかった2009年1月を除いて「経常収支+資本収支>0」の関係(つまり外貨準備高が増える事)が何十年と続いているので、「日本から海外に流出するお金」よりも「海外から日本に流入するお金」の方が多いわけです。とどのつまり、これではなかなか円安にはならないわけですよ。(もちろん国際収支だけで為替レートの決まるわけではありませんが、大まかな傾向を国際収支は示しています)
もう少し刺激的な書き方をすれば、

@所得収支の増加(海外株や海外債券による配当金・利子・利回りの増加)
A直接投資/証券投資のマイナス(海外株や海外債券の購入)
B経常収支+資本収支>0(すなわち外貨準備高の増加)

の3つの関係を保っていけるのであれば、日本の国際収支は当分安泰だし、円安になることはないでしょう。この成長モデルの素晴らしいところは、円高によって所得収支は為替損を被りますが、直接投資/証券投資がマイナスを続ける(海外株や海外債券を購入し続ける)ことにより現地通貨での配当金・利子・利回りは増え続けるので、所得収支の為替損をカバーしてしまえるわけです。



【国債の利回りさえ払えなくなる日はいつ?】
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/32620113.html

さらに、先日の↑エントリーで、「長期的な円安が日本国債の投売りにつながる可能性がある」と財務省的な視点で書いたのですが、国際収支を見る限り、今のところ円安になる可能性はかなり薄そうです。
ところで、日本の投資家(金融機関)には、今後も日本国債を買い続けた上で、円高を維持するために「経常収支+資本収支>0」を満たす程度に海外株や海外債券を購入してくれれば良いのではないでしょうか?というのも、この状況で一番怖いのは、逆に日本国債の発行を長期間止めてしまうと、日本の金融機関の余剰資金が長期的に海外株や海外債券に向かってしまい「経常収支+資本収支>0」の関係が保てなくなり、円安を呼び起こして日本国債の投売りされる可能性も出てきます。
つまり、「日本国債の投売りを守るためには、適度に日本国債を発行する必要がある」という事が言えるわけで(しかも日本は、外国に頼らなくてもまだ自力で日本国債を消化できるわけですしね)、果たして政治家の方でこれを理解してくれる方がどの程度いるのか心配です。



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posted by きらっち at 23:15| Comment(3) | TrackBack(2) | 経済

2009年10月08日

もう少し心を広く持った方が良いかと

【「物言いが非常識だ」橋下氏、職員の反論メールに激怒】
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200910080009.html

何だこりゃ?確か橋本知事って、大阪府職員に自分のメールアドレスを公開して、「批判も意見も受け付ける」って言ってなかったっけか?確かにこの女性職員の書き方も多少問題があるような気もするけど、批判メールを出して処分されるという事なら、みんなビビッて橋本知事への生の声が届かなくなるんじゃないのかなぁ……。
発端は、1日夜に知事が送信したメール。利水からの撤退によって府の損失が386億円に上った紀の川大堰(和歌山県)をめぐり、議会で原因を淡々と説明するだけだった府幹部について「何事もなかったかのよう。給料が保障される組織は恐ろしい」などと書き、全職員に送った。
↑の記事を読む限り、全職員にこの趣旨のメールを送信する必要があったかは、俺も非常に疑問に思います。県職員の議会対応に不満があれば、注意喚起として議会対応の可能性のある府幹部に限定して送信しても良かったのではないでしょうか?おそらく橋本知事も「公金に対する意識の低さを何とかしたい」という意図はあったのでしょうけど、果たして全職員にメール送信する必然性はどこにあったのでしょうか?
確かに、こんな不満だらけのメールが末端職員まで来るのであれば「愚痴はご自身のブログ等で行ってください。」と返信したくなる気持ちもわからなくはないなぁ。
これに怒った知事は同夜、この職員に「上司に対する物言いを考えること。トップとして厳重に注意します。言い分があるなら知事室に来るように」と送信。職員も返信で「公務をどけてでもお邪魔します」と応酬した。
しかし↑の通り、処分されたこの職員もなかなか骨のある人だよねぇ。確かに世間からは「何だコイツ?」と思われるのかもしれないけれど、どこの組織でもこういう反権力の人だって必要なんじゃないかなぁ……。もし俺がこの職員だったら、最後の捨て台詞として「部下に関する物言いすら考えられない人が、"上司に対する物言いを考えること"なんて言うな!」とでも言いますかね?(笑)
でも、大阪府だけでなく「批判のできる環境」っていうのは大事だと思います。ちなみにうちの職場でも、「感情的でやかましい上司」はいるのですが、1つ反論をすると常に10返って来るので、誰もその上司に物を言える人がいなくなってしまいました。そして、この上司が部下の耳も貸さずに政策判断や意思決定を下している状態を見ると、「部下の批判を受け入れるのも、上司の能力の一つなんじゃないの?」と思ったりもします。


そして、橋本知事は報道陣にこの件に関して「民間ならあり得ない」と言ったらしいですが、この職員の処分のために大阪府の人事課辺りの業務量がどれだけ増えたのでしょか?しかも、橋本知事も忙しいだろうにわざわざ、「言い分があるなら知事室に来るように」とまで言ってるわけだしねぇ……。
俺が思うに、この程度の案件であれば、橋本知事の取るべきベストな対応は「無視」だったような気もするのですが……。

そして、橋本知事は職員批判をする際、免罪符的に「民間ならあり得ない」というフレーズを使う事も、俺には多少の違和感を覚えます。



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posted by きらっち at 20:17| Comment(4) | TrackBack(1) | 時事

2009年10月07日

ポアンカレ予想とは?

【【第5回】難問奇問と天才奇人数学者 〜ポアンカレ予想の解決〜】
http://www.itmedia.co.jp/anchordesk/articles/0702/09/news029.html

数学の世界で「ミレニアム懸賞問題」というものがあるんだけど、これは数学上の7つの未解決問題(「P≠NP予想」「ホッジ予想」「ポアンカレ予想」「リーマン予想」「ヤン-ミルズ方程式と質量ギャップ問題」「ナビエ-ストークス方程式の解の存在と滑らかさ」「バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想」)に、100万ドルの賞金がかけられているものなんだ。
んで、このうちの「ポアンカレ予想」が最近、ロシア人のペレルマン博士によって証明されたわけなんだけど、今日はこの「ポアンカレ予想」について解説する。

ちなみに、この「ポアンカレ予想」は「ミレニアム懸賞問題」の中でも、一般の人には非常にイメージしにくい「トポロジー」と呼ばれる分野の問題であり、インターネット上でポアンカレ予想を解説しているサイトもあるのだけど、大抵それらは非常に難解であって、しかも「ロープを持って宇宙一周したらどうのこうの」と、これまた余計にわからなくなるような例え話が書かれている。
という事で、今日のエントリーはこのポアンカレ予想の本質について手短に説明したい。


そもそも、ポアンカレ予想とは「単連結なn次元閉多様体は、n次元球面に同相である」という予想なんだ。
まずは言葉の定義についてだけど、「AとBが同相である」とは、「図形Aを、切ったり穴を開けたりくっつけたりせず、曲げたり伸ばしたり縮めたりするのみで、図形Bに変形できる」という事である。もう少し数学的に言うと「図形Aと図形Bに連続的な1対1写像が取れる」という事なんだ。

poincare_digest.jpg
おそらく、文章だけの説明だとイメージがわかないので、n=1,n=2の時の具体例を↑の図を使って説明しよう。

まずは、@のn=1の場合を見て欲しい。この時、「単連結な1次元閉多様体」とは、2次元平面状で「線分の両端をつなげてできた閉図形」で、「1次元球面」とは「円周」を意味している。これを見ればすぐわかるけど、「単連結な1次元閉多様体」は、切ったりくっつけたりせずに、ちょっと形を整えて拡大/縮小するだけで、「円周」とぴったり一致する。これが「同相である」という事で、n=1の時は自明で成り立つ事がわかると思う。

そして、次にはAのn=2の場合を見てみよう。この時、「単連結な2次元閉多様体」とは、「内部に穴の無い立体の表面」で、「2次元球面」とは「3次元球の表面」を意味している。↑の画像中では、立方体の表面を例として書いたのだけど、この表面も切ったり穴を開けたりくっつけたりせずに、6面をそれぞれ上手に変形させた上で拡大/縮小すれば、3次元球の表面とぴったり一致する事がわかると思う。ということで、n=2の時も確かに自明で成り立ちそうな気がしますね。
ちなみに余談ですが、同じく2次元閉多様体である「トーラス」(ドーナツ形の表面)は、「2次元球面」とは同相ではありません。「トーラス」は、この形のままいくら変形したところで、一箇所をちょん切らない限りは「2次元球面」へ変形できないからです。(一箇所ちょん切れば、円柱の形に変形でき、そこから「2次元球面」に変形できます)このように、「立方体」と「トーラス」では物体の持つ空間的な性質(トポロジー)の異なる事がわかります。何に起因してこの違いが出るのかは、本エントリーの最後の参考@で補足説明致しましょう。

さて、話は戻して、次はBのn=3の場合を考えて見ましょう。ちなみに、ペレルマン博士が証明したのは、このn=3の場合です。今までは、n=1の時に2次元空間、n=2の時で3次元空間を考えていたわけですが、n=3になると4次元空間を相手にしなければいけないので、これが非常に難しいわけですよ。実際、「単連結な3次元閉多様体」も「3次元球面」も絵に描けないわけで、あくまで自分の想像力で考えるしかないのですが、とにもかくにもペレルマン博士の証明したのは「単連結な3次元閉多様体は、3次元球面に同相である」という事です。(一応、本エントリーの最後の参考Aで4次元球に対する補足説明をします)
ところで、ポアンカレ予想の面白いところは、普通は次元数が上がれば上がるほど証明が困難になると思ってしまうのですが、実は、n=4以上の時はすでに先人が証明されていて、最後のn=3をペレルマン博士が証明したところですかね。

わかりやすく書こうとは思っていましたが、やっぱポアンカレ予想を一般の人にわかりやすく説明するのは無理ですね。すみません。(謝)とりあえずn=1とn=2の時だけでも、飲み会用の話ネタにもなれれば幸いです。(笑)



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【参考@ 何故、立方体とトーラスではトポロジーが異なるのか?】
実は立方体もトーラスも、どちらも一枚の紙から作ることができるのですが、くっつけ方が異なるのでトポロジーが異なるわけです。

cubic-torus_difference.jpg
↑に、それを図示しました。立方体は、最後の貼り付けが一度に行えるので、1ステップ(単連結)で貼り付けが完了しますが、トーラスはまず側面の辺を貼り付けた上で、円周部分の貼り付けをしなくてはいけないので、貼り付けに2ステップ(2連結)必要です。この貼り付けのステップ数の違いで、同じ2次元閉多様体でもトポロジーが異なるわけです。


【参考A 4次元球のイメージ】
4D-ball.jpg
とりあえず「4次元球」のイメージを↑に出しておきました。ここでは、2次元球(円)はy直線で切った時の断面(面ではなく線だが)、3次元球をZ平面で切った時の断面、4次元球をt空間で切った場合の断面を表しています。何となく、4次元球についてイメージできるでしょうか?
それぞれの切った断面は、(例えば3次元球の断面が2次元円になるように)もともとの空間から次元数が1だけ落ちるのですが、「4次元球の断面が3次元球になる」という事は、やはり通常の感覚では理解しがたいところですよねぇ……。
posted by きらっち at 23:18| Comment(0) | TrackBack(2) | 科学

2009年10月06日

発案者は大臣か官僚か?

【成長戦略会議設立へ…内需拡大の具体策検討】
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091005-OYT1T01330.htm

役人目線で考えると、前原国土交通大臣がこんな事を言うのは非常に奇妙なんですよ。というのは、この手の成長戦略物って今まで経済産業省とか、財務省が仕切ってやってたはずなんだけど、何で突然国土交通大臣が「直轄会議の議論を通じて道路やダム、空港整備に代わる成長策を模索する」という大義名分を掲げて、こんな事を言い出したのでしょうか?

俺が思うに、これは十中八九官僚側の発案だと思うんだよな。というのも、これは大臣直轄の会議であるので、ここでの意志決定はほぼ国土交通省としての決定を意味するわけです。ご存知の通り国土交通省は、民主党政権の下で間違いなく一番冷や飯を食わされる役所なわけで、これからどんどん予算が削られるでしょう。よって、まだ経済産業省や財務省が長期戦略を立てる前にこういう会議を立ち上げてしまい、「国土交通省としては、○○や××を今後推進していく」というようなものを打ち出して、予算のイニシアチブを取ろうとしているのではないでしょうか?国土交通省としては幸いな事に、これは大臣直轄の会議なので、財務省もここでの決定を覆すのは難しく追認せざるを得ないでしょう。

「予算削減政策が大きく動き出す前に、大々的に次世代の公共事業を打ち上げる」という国土交通省の作戦ですが、果たしてこれは前原大臣の発案でしょうか?どうも俺から見ると、「役所理論に精通している官僚の策に前原大臣が乗ってきた」というような感じを受けるのですが……。(当然、官僚側から大臣への説明は「内需拡大のために、道路・ダム・空港整備に代わる成長策を模索する」という説明の仕方だったのではないかと思いますが。)



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posted by きらっち at 09:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 仕事

2009年10月05日

エストニアは回復基調に乗るのでは?!

@【危機は今:リーマン破綻1年/中 再燃の「火薬庫」】http://mainichi.jp/select/world/news/20090916ddm008020148000c.html

A【ユーロ圏の失業率、10年半ぶりの高水準】http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20091001-OYT1T00859.htm

B【IMF:ラトビアのユーロ導入、2014年目標達成は困難も−財政赤字で】
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=a2xHLyt0eB0M

↑ここ最近のラトビア関係の記事ですが、やはりラトビア経済は厳しい状況です。Aの記事に「失業率18%」って書いてあるけど、こんな高失業率で暴動とかおきないのかな?ちょっと心配。


【バルト3国 やはり一番手はラトビアか?】
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/30153940.html

そして今日は↑のエントリーの続きです。前回は、バルト3国の2009年Q1の経済指標と対外債務残高を見ていきましたが、今回は2009年Q2の最新指標を見ていきましょう。


baltic-state_foreign-reserve_2009-Q2.jpg
まずは、↑のバルト3国の外貨準備高の推移から見ていこう。このバルト3国シリーズでは「GDP」「国際収支」「対外債務状況」においては四半期毎のデータを出しているのだけど、「外貨準備高」に関しては月毎にリリースしているデータを使うので、8月までデータを掲載している。
ここでの注目はやはり「ラトビア」です。「ラトビア」は7月に外貨準備高が急増しているわけだけど、これはEUによる融資金でしょう。とりあえず、「ラトビア」はこのEUからの融資でデフォルトの危機を免れたような感じがします。しかし、もともと「ラトビア」は2012年に財政赤字をGDPの3%以内に抑えてEUに加盟する予定になっていたのですが、Bの記事にもある通り、この目標達成は到底困難になったとみてよいでしょう。そもそも「ラトビア」は、GDPすら前年比で-20%程度になった一方で、政府債務が前年比で2倍くらいに激増しているわけです。(この辺の数字は後で出てきます)こういう状況だと、「GDPを増やす」にしても「政府債務を削減」するにしても、どっからどのように手を付けていいか頭の痛いところでしょう。


baltic-state_GDP_2009-Q2.jpg
そして次は、↑のバルト3国のGDPについて見ていきましょう。ここでのGDPは、季節調整の無い生の名目GDPです。さて、実は2009年Q2は意外にも、「エストニア」も「ラトビア」も「リトアニア」も、前期比でGDPはプラスを確保しました。しかも、この3国の中で先行きの明るい国が一つあります。
その国とは「エストニア」です。「エストニア」は「総固定資本形成」が急減中ですが、これは「総固定資本形成」の中に「在庫変動」という項目に起因するものです。この「在庫変動」が-3400(100万クローン)となっていて、これが相当に足を引っ張っています。ただ、在庫変動が大きくマイナスになったという事で、近いうちに生産が拡大すると思われます。実際、「エストニア」の純輸出が急増しています。この表からはわかりませんが、エストニアの輸出増加の要因は「輸入の低減」ではなく「輸出の増加」によるものです。つまり、「エストニア」では生産量が増加してるわけで、これは失業率の低下にもつながる良いニュースかもしれません。いずれにしても、「エストニア」は在庫も無くなっているし、輸出量も増えているわけで、先行きはそこそこ明るそうな気がします。
一方、「ラトビア」と「リトアニア」は「総固定資本形成」が前期比でプラスに転じていて、一定の歯止めがかかった感じがします。ただし、「ラトビア」の「総固定資本形成」は最盛期の半分以下、「リトアニア」の「総固定資本形成」に関しては最盛期の1/4近くまで落ち込んでいます。特に、「リトアニア」の「総固定資本形成」は「在庫変動」によるマイナス分を除いたとしても、最盛期の「8600」には到底届かないわけで、外国資本に戻ってもらわない限りはかつての勢いを取り戻せそうにありません……。
ちなみに、それぞれ3国のGDP最盛期から2009年Q2の落ち込み幅は、エストニア18%、ラトビア20%、リトアニア25%となっています。


baltic-state_bop_2009-Q2.jpg
そして次は、↑のバルト3国の国際収支推移を見ていきます。
「エストニア」は、2009年Q2に経常収支をついにプラスにしました。今後、黒字に定着するかどうかは、特に「貿易収支」の動向に依存すると思います。もしここで、「貿易収支」が黒字になると、バルト3国の中では最初に自律回復に向かうのは間違いなく「エストニア」になると思います。何故かと言うと、「資本収支」中の「直接投資」と「証券投資」が急減しているのですが、「直接投資」に関しては、海外から「エストニア」に投資がされず「エストニア国内」から海外に投資している事に起因していて、「証券投資」に関しては、「エストニア国内」から海外の債券をたくさん購入した事による物です。いずれにしても、海外資本が「エストニア」から流出しているわけではなく、「エストニア資本」が海外に向かうものであるので、今回の「エストニア」の「直接投資」「証券投資」の急減は悪性の物ではなさそうです。さらに「その他の投資」が急増しているのも、「エストニア国内の金融機関」が海外に貸し渋っているのが主因であって、エストニア政府が海外向けに大量に国債発行したわけでもありません。
一方、「ラトビア」の方は所得収支が急増していますが、これは海外支店留保利益(日本語で何ていうのかわからないけど、英語では"undistributed branch profits")が多くなってきた事が主因です。おそらく、「ラトビア」にある海外企業はラトビア内で出した利益をすぐに本国に送金せずに、通過切り下げの後に本国に送金するつもりだったのでしょう。そして「その他投資」もQ1に引き続き大きな赤字になっていますが、これは「ラトビア」の金融機関や民間会社が通貨切り下げを見込んでラッツを売って外貨預金した事が主因です。「ラトビア」では通貨切り下げが既定路線だったので、みんなで為替得を狙ってたのでしょう。実際、Q1から外貨準備高が大きく減らしているのがわかります。この国際収支表を見ていると、確かにEUの融資がなければ「ラトビア」はおそらくデフォルトしてたんでしょうな。ただ、Q3からはEUの融資が始まったので、おそらくQ3の「ラトビア」の資本収支は大きく変わると思います。


baltic-state_ex-debt_2009-Q2.jpg
最後に、↑のバルト3国の対外債務推移を見てみましょう。
まずはデフォルト危機に瀕していた「ラトビア」ですが、2008年Q3で2065(百万ドル)だった対外債務が、わずか半年くらいで倍になりました。2009年Q2でも引き続き増えています。ところが7月にEUからかなりの融資があったので、何とか持ちこたえられるではないでしょうか?ただ、「ラトビア」は政府部門にかかわらず経済規模に対して債務額が大きい(「GDP」対「対外債務」が、エストニア524%、ラトビア590%、リトアニア356%)事がわかります。「エストニア」みたいに、そこそこ先行きが明るいならまだしも、今の「ラトビア」にはEUからの融資がないと厳しいだろうなぁ……。
「リトアニア」は、経済規模的には「エストニア」「ラトビア」よりも債務額が少ないのですが、肝心のGDPの落ち込みが3国で一番ひどいのでL字型の低空飛行を続けることになりそうです。



という事で、各国についてまとめると以下のような感じでしょうか?
【エストニア】
輸出量増加と在庫減少により、Q3はそこそこの経済成長が見込めそう。経常収支がこのまま黒字を確保できるなら、バルト3国の中では一番早く安定化するのではなかろうか?

【ラトビア】
2009年Q2時点ではどうにもならなかったが、7月のEU融資により一時的に何とかデフォルトを免れた。ただし、失業率18%の示すように国内経済はほぼ崩壊状態で、しかも国内企業が自国通貨を売って外貨預金するくらいなので、経済再建は非常に厳しい。まずは、ラッツの信用を回復した上で、金融に重視しすぎたビジネスモデルを修正する必要があるのではないか?

【リトアニア】
GDPの落ち込みは一番激しいものの、対外債務は経済規模に対して多くはないためデフォルトはまだまだ先だと思う。最盛期の1/4程度に落ちてしまったGDP中の「総固定資本形成」をいかに回復させるかが、リトアニア経済の鍵を握る。



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posted by きらっち at 23:41| Comment(180) | TrackBack(0) | 経済