http://www.nikkei.co.jp/sp2/nt242/20081219AT2M1301K18122008.html
@はリーマンショック直後のちょっと古い記事ですが、あの頃のアメリカの家計資産は1年で日本のGDP以上に減少していたというニュースです。何だか信じられないような金額が消えてしまったわけですねぇ……。
という事で、実は最近この記事を読んだのですが「そういえば、日本の家計資産や家計負債は以前のエントリーで書いたけど、アメリカの家計資産と家計負債は何も書いたことないなぁ」と思ったので、今日はアメリカの家計資産と家計負債について見てみましょう。

↑が、アメリカの家計資産です。日本の家計資産と言うと、普通は金融資産のみを指しますが、アメリカの場合は金融資産と固定資産のどちらも考えます。
とりあえず↑のグラフを見ると、2008年9月のリーマンショックよりも、2007年に火がついたサブプライム問題の影響が強かった事がわかります。しっかし、アメリカは2003年からの資産額上昇のペースがすごかったんですね。2003年から2007年のわずか5年間の間に、金融資産は70%近く、固定資産も50%近くも増加し、約30兆ドルも総資産額が上昇したわけです。しかしながら2007年Q3をピークにして、2009年Q1まで家計資産が急減したわけですが、この1年半の間で17兆ドル(1$=90円とすると、およそ1530兆円。日本のGDPの3倍!)も資産額が消えたわけで、これは確かにすごい影響が出ますよ……。
とはいえ、やはり家計資産が急激に落ちすぎたのか、2009年Q2,Q3と結構な勢いで回復しているように見えます。

↑そして、こちらがアメリカの家計負債と純資産です。アメリカの家計負債は、ほとんどが不動産ローンですね。日本の家計もほとんどが不動産ローンだった記憶があるのですが、アメリカの家計の場合はカードローンもそれなりにあるんですね。「アメリカは、不動産危機の次にクレジットカード危機が来る」という主張もあるくらいですもんねぇ。
そして(固定資産を含めた)純資産は、ピーク時で66兆ドル(およそ5940兆円)もありましたが、2009年Q1には49兆ドル(4410兆円)まで落ちています。そして、日本と比較するために、固定資産を省いた金融純資産を見てみましょう。現在のアメリカの金融純資産は、30兆ドル(2700兆円)ですね。日本の場合は、1000兆円なので単純な金額だけで言えば負けているのですが、人口1人当たりだと日本は良い勝負できるかもしれませんね。(以前、「家計資産はぶっちぎりで日本が世界一」という事を何回か書いた記憶があるのですが、ここで訂正させていただきます。金融資産のみでなく固定資産も含めた日本の家計資産は、人口1人当たりで世界一のような気はするのですが。)
そして、金融資産額対負債額の割合ですが、日本がおよそ28.6%(400兆円/1400兆円)でアメリカが31.8%(14兆ドル/44兆ドル)となります。何だか家計部門のこの数字だけ見ると、アメリカが「借金大国」とまで言いきれるのか微妙だと思いますよ。確かに、アメリカの家計負債額だけを見れば圧倒的に世界一なんでしょうけど、アメリカの家計も日本の家計と同様に負債を払えるだけの金融資産があるわけですもんねぇ……。(ひょっとして、アメリカが借金大国だと今まで騙されてた?)
という事で、今日のエントリーでは「日本とアメリカの家計部門に対する、金融資産額対負債額の割合は大きく違わない」という意外な事実を知れました。確かに、国としてのバランスシートは家計部門だけで構成されるものではありませんが、俺的にはちょっとびっくりです。
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