2009年06月28日

バルト3国 やはり一番手はラトビアか?

【ラトビア こりゃヤバイんじゃないの?!】(2009/06/06)
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/29640372.html

【ラトビア問題〜その後の展開〜】(2009/06/14)
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/29793523.html

【ラトビアに負けず劣らずエストニア】(2009/06/19)
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/29902626.html

さて、ラトビアシリーズの第4段です。今日は、ラトビアを含むバルト3国の経済&対外債務状況を比較してみよう。


baltic_foreign-reserves.jpg
まずは、バルト3国の外貨準備高を見てみよう。バルト3国の経済規模としては、リトアニア>ラトビア>エストニアであるので、外貨準備高の多さもこの順番通りである。リーマンショック以降、3国とも外貨準備高を減らしているのだが、2008年1月〜2009年5月の最高額と最少額の減少率で見ると、エストニア、ラトビア、リトアニアでそれぞれ、25%,40%,30%となっており、ラトビアの減少率が一番大きい。


baltic_GDP.jpg
そして、次は名目GDP推移を見ていこう。直近の名目経済成長率を見ると、リトアニアが-28.4%と相当な経済の落ち込みようが見て取れる。後でまとめるけど、これ年率換算だと-73.7%だぜ。(驚)一体、リトアニアは実際にどんな状況なんだろう?
どの国も、2008年3Q辺りから総固定資本形成が総崩れであるので、やはりスウェーデン辺りの投資の外資マネーが一斉に引いた事に起因していると推測できる。おそらく外資マネーで、住宅・建築・インフラ関係の投資を主導していたって事なんだろう。2008年の4Qで、バルト3国は政府支出を増やして、何とかしようとした形跡があるっぽいけど、2009年1Qは資金調達ができなくなったのか政府支出も大きく減少させていて、どうにもこうにもならない状況が読み取れる。
いずれにしても経済の失速度合いという視点では、リトアニアが一番やばそうだな。まぁデフォルトを考えた場合の問題は、GDPよりも対外債務の状況だよな……。まぁこれは後で見るとして、次は国際収支の状況を見てみよう。


baltic_BOP.jpg
これまた意外な事に、2009年1Qではバルト3国の経常収支は黒字に転換してるわけですよ。とは言うものの、これは輸出よりも輸入が激減した事と、不景気で株等の利子を海外に払わない事によるもので、典型的な縮小成長に起因するものである。まぁただ、黒字額は大したことがないので、どの国も問題は資本収支の方なんだよな。
さて、その資本収支であるけれど、バルト3国は2009年1Qで資本収支が赤字に転じたわけだ。注目すべきはラトビアで、「その他投資」が大幅赤字になっている。これは、海外からラトビア債券を購入した人が、ロールオーバーせずにそのまま債券を償還したのが主な要因と推測される。つまり先日のニュースの通り、ラトビアの債券の買い手が激減した事が読み取れる。ちなみにラトビアだけでなく、エストニアとリトアニアも同じ傾向が読み取れる。当然、それに連動してどの国も外貨準備高を激減させているわけだ。
いやぁ、これ見ると確かにラトビアは凄い勢いで外資が逃げてるのが読み取れるなぁ……。


baltic_external-debt.jpg
そして、いよいよ対外債務を見てみよう。これを見ると経済規模では、「リトアニア>ラトビア>エストニア」だったけど、全対外債務額を見ると、「ラトビア>リトアニア>エストニア」である事がわかる。やはり、ラトビアが一番外資依存の状況だった事が読み取れる。しかも、ラトビアは2009年1Qの政府債務が激増しているので、やはりバルト3国の中では一番せっつばった状況なんだろうか?ただ、もうラトビアは国債発行できないわけだしなぁ……。さっきの外貨準備高をグラフを見ると、ラトビアの外貨準備高が2009年5月時点で40億ドル程度だったので、すでにラトビアの対外政府債務はリミットまで来てるわけですよ。おそらく、ラトビア政府の債務はほとんどが短期債務だろうから、やっぱり非常にまずい状況かもしれないな……。

そして3国ともに、銀行部門、その他部門では2009年1Qで債務額が減少してるわけで、やはりロールオーバーできなくてどんどん外資の逃げている事が、ここでも読み取れる。ただ、エストニアとリトアニアの政府部門債務は外貨準備高と比較すると、まだ若干の余裕はありそうだな。特にリトアニアは、外貨準備高に対して、短期の対外債務と政府債務の割合が少ないので、おそらくデフォルト危険性という意味では、頭一つ抜いてエストニアやラトビアより安全であるわけか。


baltic_conclusion.jpg
そして、最後にバルト3国の直近の状況をまとめてみる。ここでは、あえて比較対象として「日本」と「韓国」を追加してみました。
さて、ここではGDPに対するそれぞれの対外債務額をパーセンテージで算出した。リトアニアは、経済規模に対して対外債務額は大した事になっていないけど、エストニアとラトビアは外貨準備高も豊富というわけじゃないし、かなり危ないかもなぁ……。




というわけで、とりあえずバルト3国について詳細に調べてみた結果を報告します。ここまで調べているのは、日本では俺が最初だと願いたい。(笑)
posted by きらっち at 23:52| Comment(1) | TrackBack(0) | 経済
この記事へのコメント
时はあなたの敵と見なして、永远のが筋だ。
Posted by Cheap Jordan Shoes at 2011年01月03日 11:47
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