2009年10月13日

本当に農業は儲からないのか?

【なぜ、なぜ、なぜ、日本の農業は儲からないのでしょうか?どうすれば、儲かるのでしょうか?】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1331012218

さて、いろいろと注目を浴びつつある「農業」ですが、皆さんの中では「農業は儲からない」というイメージがありません?俺も何となくそうは思っていたのですが、「実際のところ、世の中の農家の所得事情はどうなんだ?」と思ったので、今日は農林水産省の統計から野菜品目別の経営収支を調べてみました。


agri-prod_balance.jpg
↑が、平成19年の主要野菜20品目10a当たりの経営収支です。「農業粗収益」とはその野菜を売ったお金、「農業経営費」はその野菜を作るのに要したお金、「農業所得率」は「農業粗収益」から実際に農家の所得になる割合を示しています。
このグラフを見る限り、収支面(収益に対して必要経費が少ない)で効率良く稼げる野菜は「ししとう」を筆頭に、「なす」「きゅうり」というところでしょうか?俺は、農業をやった事は無いのですが、おそらく「ししとう」「なす」「きゅうり」は育てるのに必要な道具や機材があまり必要ない(あるいは安い)ため、初期投資が少なく抑えられるという事だと思います。
一方で、「たまねぎ」と「はくさい」は「農業所得率」が40%を切っているので、必要経費が収益に対して大きい事がわかります。これは、「たまねぎ」や「はくさい」を作る際に、「土を覆う防風ビニールを設置しなければいけない」とか「高価な肥料を使用しなければいけない」等々の必要経費が結構かかるという事なのでしょうか?(農業やっている方に是非とも聞きたいところですが)

ちなみに、↑のグラフは収支面での効率性しかわかりません。ひょっとすると「ししとう」「なす」「きゅうり」は、そもそも作るのに時間のかかる作物で「労働1時間当たりの所得」という面では効率の悪い作物かもしれないので、実際問題としては、「収支面での効率性」と「時給での効率性」がどうなっているかも調べる必要があります。


agri-prod_pbh.jpg
そして↑のグラフが、平成19年の主要野菜20品目10a当たりの労働時間と一時間当たりの所得です。これをみると、先ほど「収支面」で一番効率の良かった「ししとう」ですが、そもそも労働時間が多いために時給換算の所得は700円を切っていて、20品目中では最低レベルとなっています。必要経費が少ないとはいえ、これじゃあまり農家は「ししとう」を作りたいとは思わないかもしれません。
さらに、「作るのに時間がかかって必要経費も高いのに、手元に残る儲けが多いわけでもない」という要因で、時給面で一番効率の悪いものは「ミニトマト」です。「ミニトマト」を作っている農家さんも、実は薄々気がついているんですかね?
一方で、「時給」の面で一番効率の良いのは「キャベツ」(1時間当たりの所得は2000円程度)と「レタス」(1時間当たりの所得は1700円程度)になりました。「キャベツ」と「レタス」は、作るのに必要な労働時間の少ない事に起因して、1時間当たりの所得が高くなります。(ちなみに、計算したら「キャベツ」と「トマト」は俺の時給より高そうです。(笑))

という事で、「ミニトマト」と「キャベツ」では、1時間当たりの所得が3倍程度も違うために、それなりに所得を増やしたいという農家にとっては「栽培する作物の選択」が重要になる気がします。
そして注意しなければならないのは、↑の統計はあくまで全国平均の統計であって、「個々の地方の実情を反映したものではない」という事です。作物によっては、「○○地方では春のみ栽培可能」とか「××地方においては、△△の肥料が安く購入できる」というように、地方によって有利/不利になる要因があるはずですので、そういった地方の特色を踏まえて、さらにその年の気候変動等の予測や、リスク管理を綿密に考えれば、それなりに儲けられそうな気もするのですが、どうなんでしょうか?

幸い、「キャベツ」は品種によって育つ気温にバラつきがあるので、例えば俺が農家なら、労働一時間当たりの所得の良い「キャベツ」を品種を変えながら一年中作った上で、キャベツの不作対策(キャベツは高温に弱い)として、高温でも不作にならない野菜を作ってリスクヘッジしようかなぁ……。なんて事を考えていたら、案外農作物の生産計画っていうのは、株や金融派生商品の取引と似たようなものがあるのかもしれません。(笑)(あくまで、全然知識の無い農業素人の考えですが)


しかし、農業は製造業以上に人手に依存した産業ではあるので、人件費の高い日本は価格競争力においては非常に不利でしょうね。それこそ、「農作物は農家が作る」という時代から「農作物はバイオテクノロジーを駆使して、白衣を来た技術者が作る」という時代になれば、日本の農業を取り巻く不利な状況も変わるのでしょうけど。(笑)



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posted by きらっち at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事
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