2009年10月21日

GDP(フロー)と資産・負債(ストック)の意味するところ

今日は、GDP(フロー)と資産・負債(ストック)を説明して、今の日本がどういう状況に置かれているかを図で表してみたい。そして、次回に具体的な数字を用いて、それを裏付けていこうと思う。


flow-stock.jpg
まずは、フローとストックの概念図を↑に表す。そんなに難しい図ではないので見ればすぐにわかるだろうけど、要はGDP(フロー)とは社会の中で流れるお金の額を表している。(本来の経済学でのGDP定義とはちょっと違うのだけど、ここでは「矢印の方向にお金が支払われる」と理解してもらう方が理解しやすいと思います。)そして、資産・負債(ストック)は、それぞれの持っている資産と負債の額を表している。
つまり、
1.GDP(フロー)とは「財布に出入りするお金の量」
2.資産・負債(ストック)とは「財布の中にあるお金の量」
という事なのです。

さて、この事さえわかれば、「GDP(内閣府から3ヶ月毎に発表される)」と「資金循環統計(日銀から3ヶ月毎に発表され、団体別の資産・負債額がわかる)」で、フローとストックの分析が出きるわけです。とりあえず今日は、直近の日本経済をこのフローとストックの概念図に反映してみましょう。


GDP-image2.jpg
かなり誇張して書いていますが、↑この図こそが現在の日本経済(世界各国の経済状況も似た状況のはずです)を端的に表しています。

フローについて言えば、政府による支出以外はお金の流れる量が減ってしまったわけですよ。GDPの「最終民間消費支出」「民間設備投資」「民間住宅投資」「輸出」「輸入」は、リーマンショック前に比べると減少しているので、当然GDPは減少するわけです。一方で、落ちるGDPを支えているのが「政府最終消費支出」と「公的固定資本形成」なわけです。
何せ、社会にお金の流動性を与える銀行は貸し剥がしや貸し渋りが横行して本来の役目を果たせず、景気が悪くなって民間企業の生産量は落ちて失業率も上がり、国民も先が見えずに貯蓄をする状況なので、どう考えても社会のお金の流動性は上がらないわけですよ。そういう状況になったら、そりゃ政府支出によってお金の流動性を与える(GDPを支える)しか手段はないでしょうねぇ……。

一方ストックについては、民間企業がバランスシート不況により負債返却に専念して資産・負債を減らす一方で、GDPを支える日本政府が国債発行により資産・負債を増やしていく構造になっているわけです。

つまるところ日本経済で一番の問題なのは、家計や民間企業が消費/投資をしなくなった事です。家計の方は、貯蓄によってストックの急減を抑えられているわけですが、民間企業は貯蓄ではなく負債の返済に専念しているので、資産・負債が急減しているわけです。その急減分を、政府支出でカバーしている状況なわけですね。


という事で、次回(明後日くらい)に「GDP」と「資金循環統計」からの具体的な数字を元に、現在の日本のフローとストックの状況をもう一度迫ってみようかと思います。


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posted by きらっち at 23:28| Comment(0) | TrackBack(1) | 経済
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