2010年02月16日

2009年Q4の日本GDP

@【10〜12月の名目GDP、年率0.9%増 7四半期ぶりプラス】
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100215ATFL1502915022010.html

A【10〜12月期GDP、4・6%成長 3四半期連続プラス】
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100215/mca1002150859007-n1.htm

昨日、2009年Q4の日本のGDPが発表されました。とりあえず、@の記事の通り、物価変動を考慮しない名目GDPが7四半期ぶりに前期比でプラスとなりました。基本的に、実質GDPが増えても名目GDPが増えない限りは、国債返済の実質負担が重くなるだけですので、名目GDPが久しぶりに増加した事に、俺個人としてはほっとしています。
さて、一方でAの記事の通り、物価変動を考慮した実質GDPは前期比で1.1%(年率換算で4.6%)と、数字上では日本の景気も急回復しているように見えるのですが、この実質GDPの中身を見てみるとそんなに楽観はできません。今日は、その辺りを考察してみましょう。


2009Q4_japan-realGDP.jpg
という事で、↑が2007年Q1からの日本の実質GDP推移になります。実質GDPを見ると、日本の景気の底は2009年Q1だった事がわかりますね。その後、実質GDPは3四半期かけて3.18兆円増加しました。
それでは、2009年Q4について詳しく見てみてみましょう。2009年Q4のそれぞれの項目で、前期比を取ってみると以下のようになります。

最終民間消費支出:+0.51兆円
民間住宅:-0.10兆円
民間企業設備:+0.17兆円
民間在庫品増加:+0.08兆円
政府最終消費支出:+0.20兆円
公的固定資本形成:-0.08兆円
公的在庫品増加:±0.00兆円
純輸出:+0.72兆円

なるほど。「民間住宅」は未だに底が見えない状況ですが、その他の項目については明るさを取り戻している事がわかりますね。外需である「純輸出」が一番の回復要因ではありますが、何とか他の項目も純輸出に続いて、伸びて欲しいものです。

ところで、俺が多少気になっているのは「最終民間消費支出」の動向です。この項目が増加した要因としては、「エコポイントやエコカー減税の政府支援で拡大が続いた」と、Aの記事で書いてありますが、元々この政策では需要を先食いするために、あまりに前期比から増加すると、この先が少し心配です。おそらく、2009年Q4は年末のボーナス商戦の影響も大きかったとは思いますが、果たして2010年Q1はどうなるのでしょうか?

そして、心配なのは「民間住宅」ですね。現政権の打ち出す二次補正予算については、「住宅版エコポイント」がありましたが、果たしてこの政策によってどの程度「民間住宅」を上げられるか期待したいところです。俺の直感的な予測ですが、「エコ住宅の新築工事」に対しては、住宅版エコポイントの還元率が良くないので(何せ上限が30万ポイント)、思ったより効果がでないと思います。一方で、「エコリフォーム」の方は還元率も良いので、かなり効果が出るとは思いますね。ただ、リフォームの場合は新築とは違って、その他の分野への経済波及効果がイマイチなのが気になるところです。

「民間企業設備」は、2009年Q3で底を打ったとは思われますが、回復に勢いがありませんねぇ。そもそもの話として、この項目が日本の景気を悪くしている主要因であるので、何とか20兆円台まで戻せるように頑張って欲しいところなのです。ところが日本の大企業は、夏の参議院選挙の結果を見た上で、その後の本格的な投資を実行するものと思われるので、俺的には2010年前半に「民間企業設備」が急激に回復するとは思えません。財界や大企業にとってみれば、政治が安定した上で「どのような経済成長戦略を政府は描こうとしているのか」がわからなければ、投資の方向性を見出しづらいのでしょうね。
もっとも、「家計を中心に政策を打ち出す民主党」と「財界や大企業」の距離感は、なかなか縮まらないとは思いますが。

「純輸出」については、どこまで伸ばす事ができるのかわかりませんが、アメリカでのトヨタ車リコール問題の影響も今後出てくる可能性もあり、なかなか先の読めないところがあります。ただ、今の輸出増加ペースを今後数四半期に渡って維持するのは難しく、しかも輸入の増加によって純輸出を押し下げる可能性を考慮すれば、今の5.38兆円から大幅には伸びないと思います。「過去の純輸出の推移」と「中国やアメリカとの貿易動向」を察するに、やはり7兆円くらいが限界なんじゃないでしょうかね?
いずれにしても、今の日本経済の状況から察するに、この「純輸出」が伸び悩むとなると、いよいよ二番底の懸念が出てくるでしょうね。そうならないためには、中国の富裕層に日本車や日本製の電化製品を売りつけるのが一番楽な方法であるかもしれません。


さて、今後の日本GDPの見通しですが、一番危ないのは次の2010年Q1です。2010年Q1でGDPが増加しそうな要因は、1月28日に成立した「二次補正」(予算総額7兆2000億円)くらいしか無いのですが、事務手続きやらその他の要因で2010年3月までにその分の支出が全て民間企業に回らない事を考えると、「純輸出」でその他の減少分をカバーできずに、GDPが前期比でマイナスになるのではないかと、結構心配です。
そして2010年Q2以降は、前年度から4.1%程度増加した来年度政府予算がスタートするので、ある程度政府最終消費支出が前年度比で増加する事で、GDPを底支えするかもしれませんね。ただし、この頃には「純輸出」の増加が止まる事も予想されるので、内需の成長が鍵を握ってくるような気がします。


ちなみに、2010年Q1のGDP発表は5月中旬なのですが、「普天間問題でどうにもならなくなったところに、さらに景気の二番底到来のニュースで、相当に追い詰められた鳩山首相の姿を見てみたい」と、多少思わなくもないですが、果たしてどうなるでしょうか?
という事で、3ヵ月後の2010年Q1の日本のGDP発表が今から気がかりです。



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posted by きらっち at 00:34| Comment(2) | TrackBack(1) | 経済
この記事へのコメント
外需はあくまでも日本経済の補助エンジンに過ぎないわけで、どうやったって数年前のいざなみ景気くらいの好景気が限度でしょう。
しかし、メインエンジンを着火の仕方を民主党は知っているとも思えませんけどねえ。
Posted by あかさたな at 2010年02月16日 20:19
>あかさたなさん
俺は民主党の経済政策には期待していないので、「メインエンジンを逆噴射させなければそれでいい」と半ば諦めています。
民主党が突然経済に目覚めるのか、7月に再び政権交代が起こるのを気長に待ちますか。(笑)
Posted by きらっち at 2010年02月17日 23:00
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Tracked: 2010-02-16 14:53