2010年02月20日

エコカー減税の効果は?

ちょうど去年の今頃は、リーマンショックの影響で自動車業界がとんでもない事になってたのは、みなさんのご記憶に新しいと思います。今日は、自動車と二輪車の「生産台数」「輸出台数」「国内販売台数」の推移を追ってみて、政府の打ち出したエコカー減税の効果を考察してみましょう。

ちなみに、予め書いておくと、エコカー減税は「四輪車のみ」が対象となり、二輪車は減税対象にはなっていません。この事を頭に入れて↓のグラフを読むと、前政権の打ち出した景気対策はそれなりに効果のあった事がわかります。

car-production_japan.jpg

bike-production_japan.jpg
↑という事で、上のグラフが自動車(四輪者)、下のグラフが二輪車です。なお、ここでは「生産台数」「輸出台数」「国内販売台数」を出していますが、これらの関係はおおざっぱに書くと、
「生産台数」≒「輸出台数」+「国内販売台数」
となっています。(国内顧客に販売されずに、ディーラに売れ留まっている車は「国内販売台数」にカウントされないので、完全なイコールではありません。)

とりあえず、ここではまず上のグラフである「自動車」を見てみましょう。「自動車」については、2008年11月から急激に生産台数が落ち始めました。この主因は、輸出の急減によるものである事が「輸出台数」を見れば一目瞭然です。一方で「国内販売台数」の方は、毎年ピークを迎える3月では、確かに前年と比較すれば20万台程度の減少はあるものの、他の月に関してはそこまで落ちていない事がわかります。むしろ、2009年後半を見ると、販売台数としてはすでに元に戻ったと見るのが自然な見方でしょうね。この車の国内需要がそこまで落ちなかったのは、「エコカー減税」の効果が大きかったと思います。その一方で海外への輸出車に対しては、政策効果が効かない事から60万台くらいの輸出量だったものが20万台程度にまで急減してしまったわけですよ。
総じて見ると、リーマンショック前までは日本国内で100万台〜110万台を生産していたのですが、最悪期で50万台まで生産台数が減少して、現在では80万台程度まで回復しているということですね。ただ、再び110万台にのせるためには、輸出を増やすしかない状況であり、やはり外需頼みではあるんですよねぇ。

そして、下のグラフである「二輪車」を見てみましょう。二輪車の場合は、輸出も国内販売台数も減少の一途を辿っている事がわかります。特に、「輸出台数」については最盛期の14万台から3万台程度まで落ち込んでしまっています。さらに、国内販売台数の方も減少傾向に歯止めがかからず、販売台数2万台を切るのが視野に入ってきました。自動車(四輪車)とは違い、二輪車の方は国内需要も回復しないんですね。この辺の状況は、自動車(四輪車)とはっきり明暗がわかれています。とはいえ、二輪車の方はエコカー減税(2009年2月スタート)の始まる前から生産台数が落ちていたので、自動車(四輪車)とはそもそも状況が多少違うわけですが。


いずれにしても、二輪車はこの3年間で相当に生産台数が落ち込んでいるので、各メーカーとも悩みどころでしょうね。というか、二輪車に関しては「元々かなりの外需依存だった」というところに、真の問題があったわけですよ。そんな中、リーマンショックが起きて外需が激減し、減り続ける国内需要にも政府が何も手を打たなかったため、二輪車市場は壊滅的打撃を受けたわけです。(ちなみに余談ですが、二輪車のグラフを見る限り9月や10月に輸出が増えているのは、おそらくアメリカ向けの輸出がこの時期に増えるからでしょう。(アメリカの会計年度は10月スタートのため))
一方、自動車(四輪車)の方も外需は激減しましたが、内需の減少はエコカー減税の政策で最小限に抑えたために、二輪車ほど壊滅的な状況にはならなかったわけですね。そしてひたすら減税効果により内需の底割れを防ぎ最悪状況を回避し続け、ようやく外需が回復し始めた状況ということです。

確かに外需については、日本政府は手の打ちようがないので、このような世界不況に陥ってしまうと、財政支出をしてでも内需を刺激するしか輸出産業の景気底割れを防ぐ方法が無いのも事実だと思います。しかも日本は、世界不況になればなるほど円高が進んでしまうために、不利な条件が重なっているわけですよ。
前政権はその事もわかっていたので、G7の中でも最も早くに補正予算をまとめ上げて、「エコカー減税」や「エコポイント」でどうにもならなくなる輸出産業のアシストをしたかったわけです。(ところが当時の民主党に妨害されて、予算案は早くに出来たけど国会がなかなか通らなかったわけですが。)
これから二番底が来るかどうかわかりませんが、その辺りの機動的で妥当な政策判断を民主党ができるのかどうか多少心配なところではあります。



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posted by きらっち at 01:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事
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