2010年02月21日

嘘みたいな中国の不動産バブル

@【中国:リゾート地、海南島で1カ月で不動産価格2倍に】(2010年2月14日)
http://mainichi.jp/life/money/news/20100214k0000m020019000c.html

A【中国不動産、1月9.5%上昇、政府は「バブル」警戒】(2010年2月11日)
http://www.asahi.com/business/topics/economy/TKY201002110349.html

B【中国人民銀行、預金準備率また引き上げ バブル抑制】(2010年2月13日)

http://www.asahi.com/business/update/0213/TKY201002130007.html
政府が振興計画を明らかにしてから5日間で、島全体で取引された不動産の総額は、08年の年間総額に匹敵するとの報道もある。
@記事を引用
おいおい、これは明らかに中国政府の想定外じゃないの?!っていうか、1ヶ月で不動産価格が2倍ってのも通常じゃ考えられない話だよね。中国株買うよりも、全然投資効率良いじゃないですか?(笑)
しっかし、普通に考えればこの状態が長期間続くわけないのですが、果たして海南島の不動産バブルについては、どのように終結するのか見ものですねぇ。

もっとも、Aの記事の通り、中国の場合は海南島だけでなく全土で不動産価格が急上昇中なので、一体どのようにこの不動産バブルを制御するつもりなんですかねぇ。どうもBの記事のように、預金準備率の引き上げだけでは、不動産価格上昇を抑えられない気配も漂っているのではないかと思うのですが……。


このニュースは、超金融緩和政策を打った後の出口戦略がいかに重要かを示唆していますよね。確かに、リーマンショック前の中国はすでにインフレ過熱気味だった事もありますが、とりあえず景気が奈落の底に落ちたと同時に、中国人民銀行は民間銀行へ大量の資金供給を実施して、民間銀行に市中へどんどん資金貸し出しを促しました。この辺りは、社会主義の国である事を利用して中国政府の影響力をフル活用して、景気減速を何としてでも防ぎたかったのでしょうね。
ただし、民間銀行の新規貸出増加が膨れ上がった結果、↓のエントリーでも書きましたが、マネーストックが急激に膨張中で、しかも景気回復と重なって再びインフレ懸念が出てきているわけです。

C【2009年12月の日米欧中マネーストック最新状況】(2010年02月10日)
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/35247479.html

バブル崩壊後にどれだけ金融緩和しようが、銀行の貸し渋りを止められなかった日本から見れば、現在の中国のこの状況はある意味で非常に羨ましい話かもしれません。ただし、中国政府の想定している状況と決定的に異なる事が一つあるかと思います。というのは、おそらく中国政府は民間銀行に資金供給を行い、そのお金を市中に貸し出させて設備投資をさせたかったはずです。ところが実態は、貸し出したお金の大部分が「不動産」や「株」に流れていると見られているので、バブル膨張を促進させている可能性が大きいわけです。
さらに中国の場合は、2008年名目GDP成長率は16.85%、2009年名目GDP成長率は11.54%という状況ですが、政策金利はわずか5.58%しかないため、明らかに貯金するよりも何かに投資する方がお金を増やせるわけで、これもバブル膨張の大きな要因です。一方で中国は、株・債券みたいな金融商品や不動産のカウントされないマネーストック(M2)ですら急激に膨張しているわけで、株や不動産のみでなく中国国内のお金の保有量すら膨張している事になります。

今の中国は名目GDP成長率以上に、マネーストック・不動産価格・株価の増加率が大きいので、ある意味で「中国経済は大きな矛盾を抱えている」と言えるでしょう。しかしながら矛盾を一つ解決しようにも、「金利を引き上げれば外国からのお金が今よりも流入してくる(さらなるバブル膨張)」「元を切り上げれば中国経済成長の源泉である輸出がダメージを受ける」「金融を引き締め過ぎるとバブル崩壊する」等々、中国の景気を軟着陸させようとするのは、非常に舵取りが難しいだろうなぁと思います。


さて、いつ「その日」が来るのか俺にはわかりませんが、今後中国がどのような手段でバブルを回避しようとして、どのような結果になるのか、これは良いケーススタディーになるんでしょうね。



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posted by きらっち at 13:31| Comment(4) | TrackBack(0) | 時事
この記事へのコメント
1970年代の日本も不動産バブルでした。売り出しの住宅地を見て20坪300万か、高いなーと思ったが1ヶ月後にそこが500万になっていました。あの時買っておけばよかった、と思ったものです。
しかしあの頃の日本人の買い物スタンスと現在の中国人の買い物スタンスは全然違っています。いまの中国人の買い物意欲は超異常です。
物の価値を判断する正常な感覚が麻痺してしまって、ここで買わなければ乗り遅れて次のバスは満員通過してしまう、という気持ちが買いをさそう。買った価格より高い価格で買う人がいる。売りたい人と買いたい人がいるから売買が成立する。それほどの価値の無い物をついつい過大な価格で買ってしまっていた、と気付くのが何時なのか。その時がバブル崩壊。
13億人もいるだけに全世界を巻き込みそうで心配です。
Posted by ゆきちゃん at 2010年02月21日 13:54
>ゆきちゃんさん
日本でも、一ヶ月で不動産価格が倍になるような凄いバブルがあったんですね。俺は、実際にその頃の状況はよくわかりませんが、「何かおかしくない?」と当時の日本は不思議に思わなかったんですかね?
Posted by きらっち at 2010年02月22日 20:41
当時は戦後最大の発展が進んでいましたし、所得もそれなりに増大して、Japan as No.1の基礎を築いた時代でした。
現在のように株や債券なんて瞬時に電子取引していませんでした。事実バブルが弾けることもなかった。大体バブルなんて誰も考えなかった。ベビーブーマーの社会進出で全ての需要が発生して止まることがなかったのです。それが世界の常識でしたし世界も受け入れた。
いまの中国の危うさは世界とのバランスがないことだと思います。途上国とりわけ中国のみの慢心による発展はバブルの崩壊をもたらすだけだと思います。
崩壊の後、誰が勝ち残るのか。
勝ち残るのもまたタフな途上国だろうな、と思います。
Posted by ゆきちゃん at 2010年02月25日 11:24
>ゆきちゃんさん
中国のバブル崩壊後は、そもそも世界経済がどうなっているか不安ですよ。果たしてその時日本はどうなるのか……。
ただ、世界中で通貨切り下げが行われて、日本政府もそれに付き合うとすると、政府債務はインフレで消えちゃうでしょうね。国民の暮らしはひどくなるでしょうけど。
Posted by きらっち at 2010年03月01日 21:36
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