2010年03月02日

「足りないものは買えばいいじゃん」という考え方

【中国企業の日本買い急増 技術・ノウハウの吸収狙う】
http://www.asahi.com/business/update/0228/TKY201002280317.html

これも今に始まった話ではないですけど、日本企業もこの不況のあおりを受けて資金繰りに詰まったり赤字の続いている会社の場合は、中国企業によって買収をされやすい環境になっているのも確かなんですよね。(しかも日本はデフレ不況下なので、中国にとってみればお買い得物件でしょうね。)

もちろん中国に「技術」や「ノウハウ」を吸収されると、長期的には日本のディスアドバンテージになるとは思いますが、そもそも「日本人の手先の器用さ」とか「民族的気質」みたいなものは、少々な事では真似できないのではないでしょうか?おそらく中国は「日本企業を買収して技術やノウハウさえ吸収すれば、自分達が日本の製造業に取って代われる存在になれる」と思っているのかもしれませんが、そこまでのレベルに達するためには企業買収だけでなく「教育」みたいなところから、しっかりやらないと中国の持続的な成長にはつながらないと思います。
日本は対外的に人件費の安かった時代はまだしも、物価や人件費が上がってきて、国際競争に負けないように「技術・ノウハウ」「特許」「品質」に磨きをかけてきました。これは外国企業を買収して得たものではありません。仮に中国が日本企業を買収しても、「自分で付加価値を付ける能力」を磨かない限りは、長期的な中国製造業の発展は厳しいと思いますよ。(しかも、いつまでも元が今のレートで固定できるわけでもないだろうし。)


そして改めて考えてみると、日本の製造業の素晴らしいところは、もちろん日本人が先天的に持っていた「手先の器用さ」「勤勉さ」「(特定分野に秀でる)オタク気質」によるところも大きいのですが、採算が関係なければ「ネジ一本」から「特許等の絡む知的部品」まで、原材料以外は全て高品質の「Made in Japan」だけで完成品が作れるという全般的な裾野の広さですよね。さすがにこれは、今の中国や韓国にもできないところです。

確かに、中国の安い製品は日本にとって脅威です。この安さを維持した上で「技術」や「品質」の差を詰められると、日本製は苦しい立場に追い込まれます。そこでどんな解決法があるか考えると、

@日本企業が中国以外で人件費の安い国にどんどん進出する
A他国では製造不可能な「核心部品」の製造に絞る
B国際特許をバンバン申請して特許使用料で儲ける

っていうところなんですかね。ただ、これは日本の失業率減少には寄与しないんですよ。(良いか悪いかはさておき、@はそれこそ中国と同じで「足りないもの(安い人件費)は買えばいいじゃん(他国企業の買収)」の考え方なんですよねぇ……。)

日本企業がこのようなビジネスモデルに傾倒してしまうと、「日本人が海外に出稼ぎに行く」というシチュエーションも、そのうち本当に出て来そうな気がします。



中国の日本企業買収は、札束攻撃で来られると防衛手段が無いのでなかなか排除することは難しいとは思うのですが、「技術」や「ノウハウ」を吸収されるだけされて、その後にポイされないように、日本企業側も気をつけて欲しいものです。



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posted by きらっち at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 時事
この記事へのコメント
お元気だとのこと、安心しました。
中国人のタフさは感心しますが、日本人のようなカイゼンを積み重ねる利用者の立場になって向上努力をする人種的風土がないような感じがします。
芸術品においても、中国には素晴らしい作品があるけれど、何だかあれは芸術作品じゃなくて売るための「生産品」です。
Posted by ゆきちゃん at 2010年03月02日 21:20
>ゆきちゃんさん
まさに日本人の武器はそこですよ。地道と言えば地道ですが、「カイゼン」の積み重ねで「Made in Japan」のブランド作ってきましたからねぇ。
中国は、今のうちに次なる武器を準備しないと、次の20年や30年を見据えた持続的な発展は難しいんじゃないのかなぁ……。

もっとも、日本だって次の20年や30年を見据えた何かを探さないといけない状況ではあるのですが……。
Posted by きらっち at 2010年03月02日 23:17
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