http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20100302ATFS0200F02032010.html
ふむふむ。とりあえず、去年の7月をピークに失業率はゆっくり落ちているのだけど、トヨタのリコール問題で自動車産業の雲行きが非常に怪しいし、世界経済の二番底の懸念は消えないし、日本の失業率については今後の見通しが読めないんだよなぁ……。
という事で、今日は完全失業率の「年代別」「性別」によってどう変わるかを見ていきましょう。まずは、男女合わせた年代別の完全失業率推移のグラフが↓になります。

やはり、リーマンショック以降の2008年12月以降で、全ての年代について完全失業率が上がっている事がわかりますね。(65歳以上は増えたかどうか微妙なところかもしれませんが。)
特にひどいのは15歳〜24歳です。この年代の完全失業率は2009年になって急上昇し始めて、およそ9%〜10%の間で推移しています。昨年も今年も、非常に厳しい就職活動だったのではないかと推測されます。
そして、この年代は「月毎の値のばらつきが非常に大きい」という特徴も見られます。これはおそらく、「完全失業率」の定義を考えれば説明がつきます。
「完全失業率」とは
@現在仕事についていない
A仕事を探している
B仕事があればすぐに就くことができる
の3つを満たしている人です。つまり、アルバイトをしている人は@の条件を満たしていないので、完全失業率にはカウントされていないわけですよ。おそらく、15歳〜24歳は派遣も含めて日雇いみたいな仕事をしている方が多いため、調査タイミングによって数字が大きく変わるということでしょうね。
そして、25歳〜34歳も6%〜7%の高水準で推移していますね。ひょっとすると日本だけかもしれませんが、若い年代でこれだけ完全失業率が高いと、結婚する人が減ってますます少子化が進むかもしれませんねぇ。(実際に調べていないけれど、外国はどうなんですかね?若い年代の失業率が増加すると、結婚しなくなるんでしょうか?)
という事で、とりあえず次は↓の男女別の完全失業率を見てみましょう。(↑↓の3つのグラフは、縦軸のスケールが同じなので、見た目の違いが実際の数字としての違いになります。)


やはり、女性の方が完全失業率が低くなりました。特に15歳〜24歳については、同じ年代の男性とは非常に異なります。2009年5月までは、男性と同じような推移を辿っているわけですが、2009年6月以降は完全失業率が低減しています。おそらく、女性の場合は就職を諦めて「家事手伝い」となる事により、上記の完全失業の条件であるAが満たされなくなる人が多数出てきたからではないでしょうか?
しかし、男性の15歳〜24歳は物凄い高い値が出てますねぇ。「10人に1人が職を探しててバイトもしていない」というわけで、ここでアルバイトをしつつ就職活動をしている人まで加えたら、結構なパーセンテージになりそうですねぇ……。
普通に考えると、「年収1千万の50歳を1人リストラして、その分若い人を数人くらい雇えばいいじゃん?」と考えてしまうところですが、すでに働いている人をリストラするのはやはり相応に難しいという事でしょうね。裏を返せば、「職を探していて貯蓄の無い若い世代」は、就職難とデフレの直撃をもろに受けているので、この不況の一番の被害者であると言えるかもしれません。とはいえ、外需の急速な回復が見込めないとなると、しばらく日本の失業率も厳しい状況が続くような気がします。
もし俺が就職活動をしようとする立場なら、この怒りをどこにぶつければいいのでしょうか悩むところです。
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