2010年03月09日

預けたお金を返してくれない国

先週末は単純に更新をさぼっていて、さらに月曜日からは出張で更新滞りすみませんでした。コメントの返信は、今日の仕事が終わってから書きます。


【アイスランド:英蘭預金者保護法案を否決 国民投票で】
http://mainichi.jp/select/biz/news/20100308k0000m030047000c.html

よくよく考えてみればこれもすごい話で、イギリス人とオランダ人がアイスランドの銀行に預けていた預金が引き出せなくなったので、アイスランド政府が肩代わりして「イギリスとオランダ分の預金の払い戻しをしよう」という法案が否決されてしまったわけですよ。
そりゃイギリスやオランダから見れば、「アイスランドの銀行は泥棒か詐欺師と同じじゃねぇか!」って事になりますよねぇ……。

確かに、「借りたものは返す」ってのは世の中の鉄則です。ただし、民間会社の場合は破綻によって債務整理ができますけど、さすがに銀行における対外的な預金や債務に対してはチャラにできるわけでもなく、アイスランドはどうするつもりなんですかね?


そもそも、アイスランドは金融立国だったので、リーマンショック後にどうやって国を立て直すかを、今一生懸命考えているところだと思いますが、GDPの4割に当たるイギリスやオランダの預金を返すのは相当しんどいと思いますよ。
ちなみに、アイスランドは電力のほとんどを水力と地熱発電で補っていて、電力料金が近隣EU諸国よりもだいぶ安いという事情があります。よって、多くの電力を必要とする金属精錬(特にアルミニウム)が、今後のアイスランドを支える産業になるのではないかと、個人的には思っています。幸い、EUの工業国であるドイツは自国で金属を産出するわけではなく、どこかの国からの海上輸入に頼らざるを得ません。しかしながら、ドイツ国内での金属精錬は高くつくので、アルミニウム原石をアイスランドに積み下ろし、精錬したアルミニウムをドイツに持っていくのならば、アイスランドもドイツもウィンウィンの関係が築けるのではないでしょうかね?
あとはアイスランドの産業っていうと、従来からの「漁業」「水産加工業」や「観光業」ってところでしょうね。リーマンショック後、アイスランド通貨のクローナは通貨価値が1/3程度に暴落したので、「オーロラ」と「温泉」を売りにして日本人観光客を獲得するという戦略はどうでしょうか?(オーロラの観測時期は、初秋から初春にかけてではありますが)


という事で、バルト3国やギリシャの時と同じように、明日はアイスランド経済や債務に関する数値データを詳しく見ようと思います。



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posted by きらっち at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済
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