2010年03月02日

「足りないものは買えばいいじゃん」という考え方

【中国企業の日本買い急増 技術・ノウハウの吸収狙う】
http://www.asahi.com/business/update/0228/TKY201002280317.html

これも今に始まった話ではないですけど、日本企業もこの不況のあおりを受けて資金繰りに詰まったり赤字の続いている会社の場合は、中国企業によって買収をされやすい環境になっているのも確かなんですよね。(しかも日本はデフレ不況下なので、中国にとってみればお買い得物件でしょうね。)

もちろん中国に「技術」や「ノウハウ」を吸収されると、長期的には日本のディスアドバンテージになるとは思いますが、そもそも「日本人の手先の器用さ」とか「民族的気質」みたいなものは、少々な事では真似できないのではないでしょうか?おそらく中国は「日本企業を買収して技術やノウハウさえ吸収すれば、自分達が日本の製造業に取って代われる存在になれる」と思っているのかもしれませんが、そこまでのレベルに達するためには企業買収だけでなく「教育」みたいなところから、しっかりやらないと中国の持続的な成長にはつながらないと思います。
日本は対外的に人件費の安かった時代はまだしも、物価や人件費が上がってきて、国際競争に負けないように「技術・ノウハウ」「特許」「品質」に磨きをかけてきました。これは外国企業を買収して得たものではありません。仮に中国が日本企業を買収しても、「自分で付加価値を付ける能力」を磨かない限りは、長期的な中国製造業の発展は厳しいと思いますよ。(しかも、いつまでも元が今のレートで固定できるわけでもないだろうし。)


そして改めて考えてみると、日本の製造業の素晴らしいところは、もちろん日本人が先天的に持っていた「手先の器用さ」「勤勉さ」「(特定分野に秀でる)オタク気質」によるところも大きいのですが、採算が関係なければ「ネジ一本」から「特許等の絡む知的部品」まで、原材料以外は全て高品質の「Made in Japan」だけで完成品が作れるという全般的な裾野の広さですよね。さすがにこれは、今の中国や韓国にもできないところです。

確かに、中国の安い製品は日本にとって脅威です。この安さを維持した上で「技術」や「品質」の差を詰められると、日本製は苦しい立場に追い込まれます。そこでどんな解決法があるか考えると、

@日本企業が中国以外で人件費の安い国にどんどん進出する
A他国では製造不可能な「核心部品」の製造に絞る
B国際特許をバンバン申請して特許使用料で儲ける

っていうところなんですかね。ただ、これは日本の失業率減少には寄与しないんですよ。(良いか悪いかはさておき、@はそれこそ中国と同じで「足りないもの(安い人件費)は買えばいいじゃん(他国企業の買収)」の考え方なんですよねぇ……。)

日本企業がこのようなビジネスモデルに傾倒してしまうと、「日本人が海外に出稼ぎに行く」というシチュエーションも、そのうち本当に出て来そうな気がします。



中国の日本企業買収は、札束攻撃で来られると防衛手段が無いのでなかなか排除することは難しいとは思うのですが、「技術」や「ノウハウ」を吸収されるだけされて、その後にポイされないように、日本企業側も気をつけて欲しいものです。



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2010年03月01日

工人舎PAを購入して3ヶ月

kojinsha-pa.jpg
実は、昨年12月に↑のPC(工人舎がリリースしている「PA」という機種)を買ったんですよ。何せ400gという軽さで、大きさも電子辞書サイズのPCなので、昔のノートPCに比べると持ち運びが随分楽になりました。こんな小さいマシンでWindowsXPが動くのだから、びっくりですよ。バッテリーも4時間程度もつので、通常の日帰り出張くらいであればコンセント等も持ち歩かずにすんでいます。

このPAをどんな時に何の用途で使っているかというと、出張時・外出時にメールやニュースをチェックしたり、mixi閲覧やブログ更新等々なんかに使っています。この程度の大きさであれば持ち運びも楽だし、無線LANとBlueToothのアダプターが内蔵されているので、無線LANを提供してくれる場所(スタバとかマック)であれば高速通信できますし、携帯電話があれば低速ですが場所を選ばずインターネットにつながるので、非常に重宝しています。

ただし、このPAは小型でディスプレーも小さい事から、「表示される文字の大きさが非常に小さくて読みにくい」「キー間隔が短くて打ちにくい」「メモリーが512MBしかない」等々、普通のノートPCとは異なる制約があるため、これらを解決しようとするといろいろ自分でカスタマイズしなければなりません。よって、万人向けのスタンダードPCとはとても言えないですねぇ。(笑)
という事で、とりあえず「参考」&「備忘録」として、このPAの使い勝手を良くするために私がインストールしたソフトの一覧を書いておきましょう。


1.AVG Anti-Virus Free Edition 9.0
http://www.avgjapan.com/avgfree80-dl.html

完全フリーのアンチウィルスソフト。市販のウィルスソフトをPAにインストールすると、非常に重たくなるしメモリーも消費するので、軽くて機能もそこそこであるこれをインストール。


2.Foxit Reader
http://www.foxitsoftware.com/downloads/index.php

完全フリーのPDF閲覧ソフト。Adobe Readerは、メモリ消費が激しいしいのでアンインストールして、軽くてサクサク動作するこのソフトをインストール。


3.仮想画面マネージャ
http://members3.jcom.home.ne.jp/dodome-juu/vsm/index.html

PAの画面解像度は通常1024pix×600pixなんだけど、たまに画面に入りきらないウィンドウが出てきて、画面外の領域に「次に進むためのボタン等」があると、クリックできずに先に進めなくなる場合がある。そういう状況を回避するために画面解像度を仮想的に上げるフリーソフト。


4.Google Chrome
http://www.google.com/chrome/intl/ja/landing.html?hl=ja&hl=ja

「IE」や「FireFox」は、立ち上がる時間が遅かったり、メモリ消費が激しかったりするので、軽くてメモリ消費の少ないこちらをインストール。
プリファレンスファイルの最下部"webkit"の中に、「"minimum_font_size": 20,」を加えることでフォントの拡大が設定できる。(クロームのバグによって、通常のやり方で最小フォント数を変えられない。)もちろんフリーソフト。


5.ドコモコネクションマネージャー&ワイヤレスゲートコネクション
http://bit.ly/cEKmBH
http://www.tripletgate.com/yodobashi/use/

無線LAN接続ソフト。ドコモコネクションマネージャーは、「Mzoneエリア(主にタリーズ,スタバ,モスバーガー,地下鉄)」での無線LAN接続時と、携帯電話を使ってインターネットをする時に必要。また、ワイヤレスゲートコネクションは「Wireless Gateエリア(主にマクドナルド)」での無線LAN接続時に使用。
なお、「Mzoneでのインターネット接続(定額)」「携帯電話でのインターネット接続(定額)」「携帯電話の通話・通信」の料金がセットで月8000円くらい。「Wireless Gateでのインターネット接続(定額)」で月380円。


6.Irfan view32日本語版
http://www8.plala.or.jp/kusutaku/iview/

フリーの画像編集ソフト。このソフトで、日々のブログの画像を編集している。


7.Sylpheed
http://sylpheed.sraoss.jp/ja/

フリーメーラー。元々、Sylpheedはlinuxに搭載されていた軽くてサクサクなメーラーでしたが、有志によってWindows版でもリリースされています。


8.+Lhaca
http://www.forest.impress.co.jp/lib/arc/archive/archiver/pluslhaca.html

ファイルの圧縮・解凍ソフト。


9.Adobe Flash Player
http://www.adobe.com/jp/products/flashplayer/

フラッシュファイルのビューアー。ただ、これは処理が重いしメモリも消費するので、何かフリーの代替ソフトが無いか探索中。


まぁ大体、こんなところですかね?ちなみに、文字の小ささに関しては、画面のdpi設定設定で通常の150%(144dpi)くらいに拡大すれば、俺にとっては問題ありません。(うちの親父は「こんな小さい画面は老眼にきつすぎる」と言ってましたが。)一方でキーボードの大きさは物理的に変えられませんが、長文を書くわけでもなければギリギリ許容範囲内かなと。

そうそう、この機種のUSB口は右側面に一つあるのですが、USBメモリやUSBモデムをつけるだけで、猛烈に邪魔になります。無線LANとBluetoothアダプターが内蔵されているので、接続環境を全て無線化できる方には良いのですが、そうでなくてUSBモデムで接続を考えている人にはあまりオススメできないかもしれません。

あとは、SSDはデフォルトでFATフォーマットされているので、プチフリーズの心配はありません。EeePCでプチフリに悩まされた俺には助かりました。


という事で、3ヶ月くらい使ったPAの感想と導入したソフトの紹介でしたが、ご購入をお考えの方は是非ともご参考に。



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2010年02月25日

アメリカの家計資産と家計負債

@【米の家計資産、600兆円減 1年で、7割が株式・不動産】(2008年12月19日)
http://www.nikkei.co.jp/sp2/nt242/20081219AT2M1301K18122008.html

@はリーマンショック直後のちょっと古い記事ですが、あの頃のアメリカの家計資産は1年で日本のGDP以上に減少していたというニュースです。何だか信じられないような金額が消えてしまったわけですねぇ……。

という事で、実は最近この記事を読んだのですが「そういえば、日本の家計資産や家計負債は以前のエントリーで書いたけど、アメリカの家計資産と家計負債は何も書いたことないなぁ」と思ったので、今日はアメリカの家計資産と家計負債について見てみましょう。


2009Q3_us-household-asset.jpg
↑が、アメリカの家計資産です。日本の家計資産と言うと、普通は金融資産のみを指しますが、アメリカの場合は金融資産と固定資産のどちらも考えます。
とりあえず↑のグラフを見ると、2008年9月のリーマンショックよりも、2007年に火がついたサブプライム問題の影響が強かった事がわかります。しっかし、アメリカは2003年からの資産額上昇のペースがすごかったんですね。2003年から2007年のわずか5年間の間に、金融資産は70%近く、固定資産も50%近くも増加し、約30兆ドルも総資産額が上昇したわけです。しかしながら2007年Q3をピークにして、2009年Q1まで家計資産が急減したわけですが、この1年半の間で17兆ドル(1$=90円とすると、およそ1530兆円。日本のGDPの3倍!)も資産額が消えたわけで、これは確かにすごい影響が出ますよ……。
とはいえ、やはり家計資産が急激に落ちすぎたのか、2009年Q2,Q3と結構な勢いで回復しているように見えます。


2009Q3_us-household-liability.jpg
↑そして、こちらがアメリカの家計負債と純資産です。アメリカの家計負債は、ほとんどが不動産ローンですね。日本の家計もほとんどが不動産ローンだった記憶があるのですが、アメリカの家計の場合はカードローンもそれなりにあるんですね。「アメリカは、不動産危機の次にクレジットカード危機が来る」という主張もあるくらいですもんねぇ。
そして(固定資産を含めた)純資産は、ピーク時で66兆ドル(およそ5940兆円)もありましたが、2009年Q1には49兆ドル(4410兆円)まで落ちています。そして、日本と比較するために、固定資産を省いた金融純資産を見てみましょう。現在のアメリカの金融純資産は、30兆ドル(2700兆円)ですね。日本の場合は、1000兆円なので単純な金額だけで言えば負けているのですが、人口1人当たりだと日本は良い勝負できるかもしれませんね。(以前、「家計資産はぶっちぎりで日本が世界一」という事を何回か書いた記憶があるのですが、ここで訂正させていただきます。金融資産のみでなく固定資産も含めた日本の家計資産は、人口1人当たりで世界一のような気はするのですが。)

そして、金融資産額対負債額の割合ですが、日本がおよそ28.6%(400兆円/1400兆円)でアメリカが31.8%(14兆ドル/44兆ドル)となります。何だか家計部門のこの数字だけ見ると、アメリカが「借金大国」とまで言いきれるのか微妙だと思いますよ。確かに、アメリカの家計負債額だけを見れば圧倒的に世界一なんでしょうけど、アメリカの家計も日本の家計と同様に負債を払えるだけの金融資産があるわけですもんねぇ……。(ひょっとして、アメリカが借金大国だと今まで騙されてた?)


という事で、今日のエントリーでは「日本とアメリカの家計部門に対する、金融資産額対負債額の割合は大きく違わない」という意外な事実を知れました。確かに、国としてのバランスシートは家計部門だけで構成されるものではありませんが、俺的にはちょっとびっくりです。



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2010年02月24日

日本国債の買い手とその購入意図

@【個人向け国債、金利で魅力低く 財務省が意識調査】(2010年2月22日)
http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/hotnews.aspx?id=ASFS1902R%2021022010

↑@の記事を見る限り、個人向け国債を買わない理由は「お金が無い」という事ではなく「利回りが低い」って事ですね。数年前までは、わりと家計部門による国債購入が増加してたような気がするのですが、直近では全然人気が無くて個人向け国債が売れてないのでしょうね。


A【個人向け国債 固定5年(第17回)の発行条件】
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/kojinmuke/contents/list_kotei/No_17.html

まぁ確かに、直近で発行された固定5年物の個人向け国債の利回りは、↑Aの通り税引後で0.35%程度なので、こんなんじゃ買う気になれないのもわかりますよ。(笑)
でも、だとすれば一体誰が日本国債をあんな低い利回りでも購入してるのでしょうか?今日は、その辺について迫ってみたいと思います。


2009Q3-japan_bond-holder.jpg
という事で、↑が2006年Q2からの「日本の普通国債所有者別内訳の推移」です。2006年Q1以前のデータは、購入者カテゴリーが現在と異なる統計なので単純な比較が難しい事から、ここでは掲載していません。

さて、このグラフを見るといろいろと興味深い事がわかりますね。まず、「日銀」と「一般政府」の所有する割合がどんどん少なくなっています。日銀に関しては、2006年3月に量的緩和が終了したのをきっかけに金融引き締めに転じたため、民間へのお金の供給を減らすためにその原資である日本の普通国債を売り出したという事でしょうね。ちなみに、リーマンショック以降の日銀の資金供給は短期国債が原資になっているため、↑のグラフではカウントされていません。この事から日銀は、リーマンショックの一時的な資金需要については対処するが、長期的な金融政策については、2009年Q3の時点で「緩和」という方向性を想定していない事が推測されます。そして「一般政府」の減少分は、財投債(地方自治体や独立行政法人などに資金を貸し付けるため政府が発行して、政府で所有する国債の事。しかし、これによって自治体や独立行政法人の自立を妨げるなどの批判もあって、発行額は年々減っている。)によるものでしょうね。

そして「銀行等」については、リーマンショック前までは所有率が40%前後で推移してきましたが、リーマンショック後の2008年Q4以降は、どんどん所有率が上がっています。金融不安によって、「株」や「債券」から「定期預金」や「普通預金」等へ資産シフトした結果、銀行の預かるお金が増大してしまったからでしょうね。日本国内に、利子や利回りの良い投資対象があれば銀行も積み上がる資金をそちらに流すのでしょうけど、とりあえず魅力的な金融商品が見つからないので、国債を買う選択肢しか無いのでしょうね。

「生損保等」については、2006年から一貫して国債所有率が増え続ける傾向にありますね。生命保険や損害保険については、将来の保険金や給付金などの支払いに備えるため、「責任準備金」としてお客の支払ったお金を積み立てていて、その積立金は資金の貸付けや株式・債券などへの投資で運用されています。これによって、保険会社はお客に対して「最低保証」を約束しているわけですね。という事で、この「最低保証」を約束するために、保険会社は安全資産である国債を購入しているわけですよ。さすがに、何かを保証する保険会社の場合は、投資信託とか金融派生商品みたいに購入者にリスクを背負わせることができないので、国債以外の購入は難しい事もあるかもしれませんね。

「公的年金」については、リーマンショック以降、所有率の増加が止まったように見えますね。これはおそらく、今まで国債を購入していたお金で日本株を買い支えて株価の底割れを防いでいたからでしょうね。日本の株価がある程度まで上昇すれば、再び「公的年金」の国債所有率は上がってくると思います。ただ、今後は納付者がどんどん少なくなる一方で、保険料の値上げの可能性もあるので、長期的にも「公的年金」の所有率が増加するかは不透明のような気がします。

「年金基金(私的年金)」「その他」については、特段の変化は読めません。

「海外」については、2008年Q3に所有率は7.9%のピークを迎えていましたが、リーマンショックを機に所有率が落ちて、2009年Q3では5.8%となっています。「いよいよ日本国債も国内だけじゃ支えきれなくなるのかな?」と思っていましたが、幸か不幸かなかなかそうはならない模様です。元々、GDP対日本の国債発行残高が170%で先進国の中でも一番高い数字であるため、いくら「円高基調」とは言っても海外の投資家から取ってみれば、「何でこんなリスキーな国債をこんな低い利回りで買わなくちゃいけないんだ!」というところなんでしょうね。
それでも買っている国は、通貨暴落&破綻懸念がちらほら出ているイギリス辺りですかねぇ……。

そして最後の「家計」ですが、2007年Q2からは家計の国債所有率は止まった事がわかります。その原因は、@の記事にある通りに「利回りの低さ」でしょうね。確かに、「日本国民が日本国債を信頼していない」という可能性も無きにしも有らずかもしれませんが、そもそもそこまで日本国債が信頼されていなければ、それを購入している銀行が批判にさらされていなければおかしいわけですし、国債を大量発行する来年度予算案だってもっと叩かれているはずです。(笑)
日本の家計部門は、純資産が1000兆円もあるので、その気になれば国債はまだまだ買える余力があるはずなんですよ。それでも家計部門が国債を買わないのは、単純に「利回りが低すぎる」という以外に合理的な理由が見つかりません。もし銀行貯金に課税するとなれば、家計部門が貯金を諦めて日本国債を大量に買ってくれそうですねぇ……。(笑)


それでは、これを踏まえた上で
○金融不況の二番底が来た場合
○このまま世界経済が回復する場合
で、日本国債所有率や日本国債の利回りはどのように変わっていくのでしょうか?次回は、この辺を考えてみたいと思います。



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2010年02月23日

世論調査と長崎知事選の結果

@【選挙:長崎県知事選 民主敗れる 自公系新人が圧勝】(2010年2月22日)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100222ddm001010054000c.html

21日(日)に行われた長崎県知事選は、与党推薦の候補者が負けて自民党と公明党推薦の候補者が勝ちました。今日は、この長崎県知事選の得票数に注目してみましょう。
とりあえず@の記事によると、それぞれの候補者の得票数が出ていますので、得票率も合わせて計算したものが以下の通りです。
中村法道 316,603 45.29% (自民・公明が支援)
橋本剛  222,565 31.84% (民主・社民・国民新党が推薦)
大仁田厚 98,200  14.05%
押渕礼子 30,902   4.40%
深町孝郎 21,291   3.05%
山田正彦 6,634    0.95%
松下満幸 2,889   0.41%

得票数は@の記事を引用。得票率(四捨五入の都合上、合計が100%にはならない)は自分で計算。

長崎県は参議院議員選挙で1人区になるので、この結果を見て民主党は「やっぱこのままじゃヤバイんじゃねぇの?」と思ってるのでしょうね。そもそも、民主党の推薦者である橋本候補は農林水産省出身の元官僚なんですよ。民主党は「官僚支配からの脱却」と言いつつ、言ってることとやってることでいつになったら筋が通るのやら……。ちなみに、当選した中村候補は生粋の県庁マンです。



A【内閣支持37%「参院民主過半数」反対55% 世論調査】(2月22日)
http://www.asahi.com/politics/update/0222/TKY201002210317.html

そして話は変わりますが、Aの記事は長崎県知事選とほぼ同日で行われた朝日新聞の世論調査の結果です。このAの記事を見ると、内閣の支持率が37%で不支持率が46%となっています。
「あれ?」と思った方もいるでしょう。そうです、この内閣支持率・不支持率と、長崎県知事選挙での各候補者の得票率で、非常に似た数字が出ているんですよ。
当確の中村候補(自民・公明が支援)の得票率が45.29%、落選した橋本候補 (民主・社民・国民新党が推薦)の得票率が31.84%なので、まさにAの記事の内閣支持率・不支持率の影響が非常に強く出ているのだと思います。


しかし、この選挙結果もなかなか興味深いですね。基本的に、自民党・公明党支持者は中村候補に投票して、民主党・社民党・国民新党の支持者は橋本候補に投票したとは思うのですが、大仁田候補の得票率が14.05%もある事がくせものでしょうね。知名度は元々ある方ですが、彼の経歴を考えれば、自民党から参議院議員選挙に出馬して当選した後、政界引退しているわけです。おそらく、彼に投票している多くの人は「反自民」「プロレスファン」「有名人好き」の方だろうから、この14%の票は自民党よりも民主党に流れやすい票とも言えるのかもしれません。(もちろん、大仁田候補の票はある一定の割合で「反自民かつ反民主」の方もいるとは思いますが、彼の経歴を考えると自民党よりも民主党に流れやすい票である可能性が強いと思います。)

もし、大仁田候補が立候補せずに彼に集まった14%全ての票が橋本候補 (民主・社民・国民新党が推薦)に流れれば僅差の接戦だったのでしょう。ただ、もちろん大仁田候補の票が全部橋本票になるわけでも無いし、しかも長崎県と言えば現在民主党衆議院議員の福田衣里子氏が、自民党の久間章生元防衛相に勝った政権交代を象徴する県でもありましたよね。こういう土地柄を考慮すれば、与党側が非常に苦しいことには変わらないと思います。


という事で、次の参議院議員選挙前の大型選挙は3月14日(日)の「石川県知事選」となります。確か、ここも元民主党衆議院議員の方が立候補するはずで、民主党としては今の嫌な流れをここで止めたいところでしょうねぇ。
そういえば石川県と言えば、森喜朗元首相に接戦まで持ち込ませた田中美絵子民主党衆議院議員が石川2区で、長崎県と同じく政権交代を象徴するような県です。さてさて、石川県知事選もどうなるんでしょうねぇ。



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2010年02月22日

3月1日からPontaスタート

気がつけば、5日間連続の「時事カテゴリ」のエントリーでした。別に意図的に連続したわけではありませんが、明日はさすがに他のカテゴリーのエントリーを書く予定です。



@【Pontaのビジネスモデルは?】(2009年10月27日)
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/33236163.html

A【共通ポイントプログラム「Ponta」に、KFC、SBIグループ、サカイ引越センター等、新たに14社が参画】(2010年2月4日)
http://www.loyalty.co.jp/pdf/100204.pdf


「Tポイント」に続く、異業種共通ポイントの「Ponta」に関するニュースの続編です。すでに本ブログでも、↑@のエントリーで「ローソン」「ゲオ」「昭和シェル石油」が参画するのはお伝えしていましたが、↑Aのプレスリリースによると、新たに「ケンタッキーフライドチキン(最初は千葉県内のみでPonta導入)」「SBIグループ」「サカイ引越センター」「ルートインジャパン」をはじめ14社が参画して、いよいよ3月1日からPontaがスタートするとの事。

さらに、Aを読み進めていくと、「Edy支払いでPontaが貯まるようになる」との事です。おそらく「Edyでポイント」プログラムに、Pontaが加わるということなんでしょうね。近日中に、Edy側からも発表がある事と思います。


とりあえず現時点の情報では、PontaがTポイントより明らかに優位な点が見つからないのですが、後追いで同じような事をするからには、Tポイント以上のアドバンテージが無いと、Tポイントを凌駕するのは難しいと思いますよ。例えば、「使用できる店舗数がTポイントよりも多い」とか「還元率がTポイントよりも高い」みたいなものがあれば、取って代わる事もあるのかもしれませんが……。

とりあえず、俺は昨年に「ファミマTカード」を作ったこともあり、今のところはTポイント派なのでしばらく様子を見ようとは思うのですが、Tポイントは大きなライバル出現によって、今後いろいろなキャンペーンをやったりとか、利用者に対する利便性や利益還元率を高めてくれる事をするのではないかと予測しています。

B【CCC「Tポイント」、消費財メーカーと提携 まずボシュロム】
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20100218ATDD170CA17022010.html

と思ってたら、まさにタイミング良くこんな↑Bのニュースが本日発表されていますねぇ。まぁ、確かに競争相手がいれば消費者にも利益がでるのでしょうけどね。



そして、気になるのは今後もTポイントやPonta以外に、第三の異業種ポイントプログラムがあらわれるかどうかです。おそらく、TポイントとPontaでは、ライバル企業がお互い別々のポイントプログラムを導入する(ファミマ(Tポイント)/ローソン(Ponta)、TSUTAYA(Tポイント)/GEO(Ponta)が良い例)流れができるでしょうから、「顧客の囲い込み」という観点での第三の異業種ポイントプログラムは、難しいのではないかと思います。そもそも影響力のある「セブンイレブン」とか「イオン」については、異業種ポイントプログラムではなく、電子マネーによるポイントプログラムをすでにやってますし、これから第三の異業種ポイントプログラムに手を上げる企業が出てくるかなぁ……。
おそらく、もし第三の異業種ポイントプログラムが出るとしたら、TポイントやPontaみたいに、「店側にお客の購入履歴情報を出す事でポイント原資を得る」というビジネスモデルではなく、何か別の視点が必要になると思うなぁ……。



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2010年02月21日

嘘みたいな中国の不動産バブル

@【中国:リゾート地、海南島で1カ月で不動産価格2倍に】(2010年2月14日)
http://mainichi.jp/life/money/news/20100214k0000m020019000c.html

A【中国不動産、1月9.5%上昇、政府は「バブル」警戒】(2010年2月11日)
http://www.asahi.com/business/topics/economy/TKY201002110349.html

B【中国人民銀行、預金準備率また引き上げ バブル抑制】(2010年2月13日)

http://www.asahi.com/business/update/0213/TKY201002130007.html
政府が振興計画を明らかにしてから5日間で、島全体で取引された不動産の総額は、08年の年間総額に匹敵するとの報道もある。
@記事を引用
おいおい、これは明らかに中国政府の想定外じゃないの?!っていうか、1ヶ月で不動産価格が2倍ってのも通常じゃ考えられない話だよね。中国株買うよりも、全然投資効率良いじゃないですか?(笑)
しっかし、普通に考えればこの状態が長期間続くわけないのですが、果たして海南島の不動産バブルについては、どのように終結するのか見ものですねぇ。

もっとも、Aの記事の通り、中国の場合は海南島だけでなく全土で不動産価格が急上昇中なので、一体どのようにこの不動産バブルを制御するつもりなんですかねぇ。どうもBの記事のように、預金準備率の引き上げだけでは、不動産価格上昇を抑えられない気配も漂っているのではないかと思うのですが……。


このニュースは、超金融緩和政策を打った後の出口戦略がいかに重要かを示唆していますよね。確かに、リーマンショック前の中国はすでにインフレ過熱気味だった事もありますが、とりあえず景気が奈落の底に落ちたと同時に、中国人民銀行は民間銀行へ大量の資金供給を実施して、民間銀行に市中へどんどん資金貸し出しを促しました。この辺りは、社会主義の国である事を利用して中国政府の影響力をフル活用して、景気減速を何としてでも防ぎたかったのでしょうね。
ただし、民間銀行の新規貸出増加が膨れ上がった結果、↓のエントリーでも書きましたが、マネーストックが急激に膨張中で、しかも景気回復と重なって再びインフレ懸念が出てきているわけです。

C【2009年12月の日米欧中マネーストック最新状況】(2010年02月10日)
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/35247479.html

バブル崩壊後にどれだけ金融緩和しようが、銀行の貸し渋りを止められなかった日本から見れば、現在の中国のこの状況はある意味で非常に羨ましい話かもしれません。ただし、中国政府の想定している状況と決定的に異なる事が一つあるかと思います。というのは、おそらく中国政府は民間銀行に資金供給を行い、そのお金を市中に貸し出させて設備投資をさせたかったはずです。ところが実態は、貸し出したお金の大部分が「不動産」や「株」に流れていると見られているので、バブル膨張を促進させている可能性が大きいわけです。
さらに中国の場合は、2008年名目GDP成長率は16.85%、2009年名目GDP成長率は11.54%という状況ですが、政策金利はわずか5.58%しかないため、明らかに貯金するよりも何かに投資する方がお金を増やせるわけで、これもバブル膨張の大きな要因です。一方で中国は、株・債券みたいな金融商品や不動産のカウントされないマネーストック(M2)ですら急激に膨張しているわけで、株や不動産のみでなく中国国内のお金の保有量すら膨張している事になります。

今の中国は名目GDP成長率以上に、マネーストック・不動産価格・株価の増加率が大きいので、ある意味で「中国経済は大きな矛盾を抱えている」と言えるでしょう。しかしながら矛盾を一つ解決しようにも、「金利を引き上げれば外国からのお金が今よりも流入してくる(さらなるバブル膨張)」「元を切り上げれば中国経済成長の源泉である輸出がダメージを受ける」「金融を引き締め過ぎるとバブル崩壊する」等々、中国の景気を軟着陸させようとするのは、非常に舵取りが難しいだろうなぁと思います。


さて、いつ「その日」が来るのか俺にはわかりませんが、今後中国がどのような手段でバブルを回避しようとして、どのような結果になるのか、これは良いケーススタディーになるんでしょうね。



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2010年02月20日

エコカー減税の効果は?

ちょうど去年の今頃は、リーマンショックの影響で自動車業界がとんでもない事になってたのは、みなさんのご記憶に新しいと思います。今日は、自動車と二輪車の「生産台数」「輸出台数」「国内販売台数」の推移を追ってみて、政府の打ち出したエコカー減税の効果を考察してみましょう。

ちなみに、予め書いておくと、エコカー減税は「四輪車のみ」が対象となり、二輪車は減税対象にはなっていません。この事を頭に入れて↓のグラフを読むと、前政権の打ち出した景気対策はそれなりに効果のあった事がわかります。

car-production_japan.jpg

bike-production_japan.jpg
↑という事で、上のグラフが自動車(四輪者)、下のグラフが二輪車です。なお、ここでは「生産台数」「輸出台数」「国内販売台数」を出していますが、これらの関係はおおざっぱに書くと、
「生産台数」≒「輸出台数」+「国内販売台数」
となっています。(国内顧客に販売されずに、ディーラに売れ留まっている車は「国内販売台数」にカウントされないので、完全なイコールではありません。)

とりあえず、ここではまず上のグラフである「自動車」を見てみましょう。「自動車」については、2008年11月から急激に生産台数が落ち始めました。この主因は、輸出の急減によるものである事が「輸出台数」を見れば一目瞭然です。一方で「国内販売台数」の方は、毎年ピークを迎える3月では、確かに前年と比較すれば20万台程度の減少はあるものの、他の月に関してはそこまで落ちていない事がわかります。むしろ、2009年後半を見ると、販売台数としてはすでに元に戻ったと見るのが自然な見方でしょうね。この車の国内需要がそこまで落ちなかったのは、「エコカー減税」の効果が大きかったと思います。その一方で海外への輸出車に対しては、政策効果が効かない事から60万台くらいの輸出量だったものが20万台程度にまで急減してしまったわけですよ。
総じて見ると、リーマンショック前までは日本国内で100万台〜110万台を生産していたのですが、最悪期で50万台まで生産台数が減少して、現在では80万台程度まで回復しているということですね。ただ、再び110万台にのせるためには、輸出を増やすしかない状況であり、やはり外需頼みではあるんですよねぇ。

そして、下のグラフである「二輪車」を見てみましょう。二輪車の場合は、輸出も国内販売台数も減少の一途を辿っている事がわかります。特に、「輸出台数」については最盛期の14万台から3万台程度まで落ち込んでしまっています。さらに、国内販売台数の方も減少傾向に歯止めがかからず、販売台数2万台を切るのが視野に入ってきました。自動車(四輪車)とは違い、二輪車の方は国内需要も回復しないんですね。この辺の状況は、自動車(四輪車)とはっきり明暗がわかれています。とはいえ、二輪車の方はエコカー減税(2009年2月スタート)の始まる前から生産台数が落ちていたので、自動車(四輪車)とはそもそも状況が多少違うわけですが。


いずれにしても、二輪車はこの3年間で相当に生産台数が落ち込んでいるので、各メーカーとも悩みどころでしょうね。というか、二輪車に関しては「元々かなりの外需依存だった」というところに、真の問題があったわけですよ。そんな中、リーマンショックが起きて外需が激減し、減り続ける国内需要にも政府が何も手を打たなかったため、二輪車市場は壊滅的打撃を受けたわけです。(ちなみに余談ですが、二輪車のグラフを見る限り9月や10月に輸出が増えているのは、おそらくアメリカ向けの輸出がこの時期に増えるからでしょう。(アメリカの会計年度は10月スタートのため))
一方、自動車(四輪車)の方も外需は激減しましたが、内需の減少はエコカー減税の政策で最小限に抑えたために、二輪車ほど壊滅的な状況にはならなかったわけですね。そしてひたすら減税効果により内需の底割れを防ぎ最悪状況を回避し続け、ようやく外需が回復し始めた状況ということです。

確かに外需については、日本政府は手の打ちようがないので、このような世界不況に陥ってしまうと、財政支出をしてでも内需を刺激するしか輸出産業の景気底割れを防ぐ方法が無いのも事実だと思います。しかも日本は、世界不況になればなるほど円高が進んでしまうために、不利な条件が重なっているわけですよ。
前政権はその事もわかっていたので、G7の中でも最も早くに補正予算をまとめ上げて、「エコカー減税」や「エコポイント」でどうにもならなくなる輸出産業のアシストをしたかったわけです。(ところが当時の民主党に妨害されて、予算案は早くに出来たけど国会がなかなか通らなかったわけですが。)
これから二番底が来るかどうかわかりませんが、その辺りの機動的で妥当な政策判断を民主党ができるのかどうか多少心配なところではあります。



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2010年02月19日

JALに続いてウィルコムも

@【ウィルコムが更生法を申請、負債2千億超】(2010年02月18日)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100218-OYT1T00887.htm

A【ウィルコムの誤算】(2009年09月26日)
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/32440669.html

@の記事の通り、ついにウィルコムが白旗を上げて、会社更生法の適用申請をしたそうです。本ブログでは以前、Aのエントリーでウィルコムの財務体質が悪化していると指摘していましたが、結局は業績回復ができずに今日に至ってしまいました。

さて、この後のウィルコムは@の記事にも書いてあるように、「現行PHS」(外資が出資予定)と「次世代PHS」(ソフトバンクが出資予定)の2社に分割するそうですが、これでソフトバンクの戦略が固まりましたね。とりあえず、どういう戦略かを後ほど説明することとして、最近の携帯電話の業界事情の方を説明しておきましょう。

今の日本の携帯電話キャリアである「Docomo」「AU」「ソフトバンク」「イーモバイル」は、3.9世代の通信方式である「LTE」の導入を表明しています。LTEは、音声通信の他に100Mbps程度のデータ通信ができる仕様になっているのですが、「Docomo」は2010年の年末にサービス開始予定(2010年はデータ端末のみで、音声共用端末は2011年以降にリリース)です。ちなみに「AU」の方は2012年頃、「イーモバイル」も2011年上半期頃に商用化というラフな計画しか今のところはありません。そして「ソフトバンク」に至っては、今のところLTE導入に対する時期すら明確に明らかにしていません。

つまり「ソフトバンク」は、LTE導入に関しては完全に出遅れているわけで、このままだと近いうちに音声通信のみに特化せざるを得ない状況なのです。何故、「ソフトバンク」がLTE導入に出遅れているかと言うと、大きな要因は以下の2つです。
@LTEに投資するだけのお金が無い(何せソフトバンクは2兆円近くの有利子負債がある)
A現時点でソフトバンク用LTEの電波帯域割り当てが無い(アナログTVが停波する2012年以降に空いた電波帯域をもらえる)

そこで、「ソフトバンク」が「ウィルコムの次世代PHS部門」を買収する意図が見えてくるわけですよ。おそらく、「ソフトバンク」にとっては買収によって
1.ウィルコムの加入者400万人を取り込める(加入者数でライバルAUに近づける)
2.ソフトバンクの貧弱なネットワーク(確かによく通信障害起きるよね)をウィルコムの次世代PHSネットワークで増強できる。
3.他の会社よりも、LTE導入が相当遅れるだろうから、とりあえずウィルコムの次世代PHS(20Mbps)によって、つなぎの役割を担わせる。
4.すでにウィルコムは、「PHSネットワーク」と「3Gネットワーク」のデュアル端末(HYBRID W-ZERO3)を開発していているので、その技術を手に入れることで、ソフトバンクの今後の開発費を抑えることができる。

というメリットがありそうですね。おそらく孫社長の計算では、「ソフトバンク単体で、このままコツコツとネットワーク増強に対する設備投資や、端末開発を実施するよりも、ウィルコムを買収した方がコスト的に安い上に、加入者増にも直結できる」というところなんでしょうね。


という事で、俺的に次の注目は「イーモバイル」ですね。「Docomo」のLTEが割安な価格で提供されることになれば、LTEを後発でリリースする「イーモバイル」は苦しい状況になる可能性もあるので、数年後くらいに「イーモバイル」が買収されるなんていう事も起こりそうな気もするんだよなぁ……。てっきり俺は、すでに業務提携している「ソフトバンク」と「イーモバイル」でくっつくものだと予想していたのですが。



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2010年02月18日

生き残りをかけた戦略

@【北朝鮮が外資100億ドル誘致、来月平壌で調印式】(2010年2月15日)
http://bit.ly/cRwYT9

この@の記事って、実はすごいニュースだと思うのだけど、イマイチ日本で盛り上がらないので、とりあえずご紹介。

北朝鮮に100億ドル(北朝鮮のGDPの7割)もの外国資本が投入されるとの事。しかも、この100億ドルの6割が中国資本という事で、北朝鮮は経済的には完全に中国の影響下に入った事になるわけですよ。やはり、デノミが失敗して国内経済がどうにもならなくなったんでしょうかね?

このニュースで注目すべきは、「北朝鮮」ではなくてむしろ「中国」です。俺の勝手な推測ですが、おそらく中国資本の投入は「ドル」ではなく「元」で行われるのではないかと思ってます。現在の北朝鮮は、中国からの陸路でしかモノが入ってこないですし、北朝鮮通貨のウォンがデノミ失敗でまさに紙切れになっていますよね?むしろいっその事、「元」の流通を許してしまう方が北朝鮮経済も安定するんじゃないのかなぁ……。(GDPの40%くらいのお金が「元」で北朝鮮内に流入してくる事態になれば、必然的に北朝鮮国内でも「元」での決済が普通にできるようになると思うんだけど)
中国にとっても「元」の基軸通貨化を進めたいはずなので、「まず手始めに北朝鮮から」と考えているのでしょうかね?まぁ、今回の資本投下による中国の真の狙いは、
@元決済エリアの拡大
A北朝鮮のレアメタル採掘
でしょうから、北朝鮮の北側(平壌から中国国境にかけて)しか開発する気が無いと思いますけどね。

そしてこれだけの規模の話ってのは、おそらく数ヶ月前(あるいは数年前)から北朝鮮と中国でいろいろと裏で話が進んでいたはずです。そう考えると、この前の北朝鮮のデノミ政策によって庶民から外貨を没収した事というのは、今回の100億ドルの外資誘致成功のニュースと何かしら関係しているのではないでしょうか。果たして実際はどういうやり取りが合って、どういう意図で北朝鮮がデノミしたのかわかりませんが、北朝鮮が新たな方向に舵を切り出したのは間違いないでしょうね。ただ、北朝鮮は経済的にも完全に中国の意向を無視できなくなるのも間違いないでしょう。


さすがに、「中国の軍隊が北朝鮮に常駐する」とかであればまだしも、「外資による資本投入」くらいであれば、アメリカも直接口出しはしないんじゃないのかな?おそらくアメリカは中国に「やってもいいけど、その代わり北朝鮮を6カ国協議に復帰させてくれ」という事くらいの注文は付けたのだろうと思いますが……。

そして日本は、例のごとく今回の話も蚊帳の外だったのではないでしょうか?小沢幹事長が訪中するほど親中を掲げた民主党政権であれば、何かしら北朝鮮利権を持って来れた可能性もあったとは思うんですけどね。いやいや、別に今回については「利権を持ってこれなかった」という事で民主党を批判するつもりはありません。何せ、今まであの国にかかわってろくな事になっていないので、ひたすら静観するのも一つの手段としてアリだと思います。


A【北朝鮮最高人民会議常任委員長「米との敵対関係終息を」】(2010年2月15日)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/100215/kor1002152332004-n1.htm

そして、↑Aの記事の通り北朝鮮も態度を軟化させましたね。北朝鮮の国内政治体制が保証されるならば、「中国には政治的にも経済的にも頭を下げる」という大胆な戦略に打って出たわけで、これで近いうちに北朝鮮が自滅する事は無くなったんじゃないですかね?


という事で、どうもここ最近で北朝鮮情勢が大きく動き始めている気がします。おそらく、実際に資本投入される来月意向は、北朝鮮の経済だけじゃなく、政治状況もいろいろと動き出しそうな気がします。



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2010年02月17日

フーリエ変換の理解に向けて@

本ブログ開設以来、是非とも皆様へ説明したかった数学分野が「フーリエ変換」でした。ただ、この「フーリエ変換」なるものは理工系の大学生ですら、「なるべくこの分野は勉強したくない」と避ける人が多く、説明するにも非常に難解な概念が多いため、今までこの話題は避けていました。
本ブログの読者のニーズとはかなりずれるかもしれませんが、とりあえず何回かにわけて「フーリエ変換」のわかりやすい説明をして行こうかと思っています。


まず、そもそもこの「フーリエ変換」(とその仲間達)が実際に何に使われているかと言うと、
1.MP3プレイヤー(音楽や音声データを扱う時によく使われる)
2.MPEG・JPEGの映像・画像(映像・画像データを扱う時によく使われる)
3.レーダーやソナー(音波や電波分析によく使われる)
4.無線通信(電波の送受信をする時によく使われる)
というところでしょうか。3.は軍事分野ですが、それ以外は現代生活に密着した製品(特にここ10年〜20年で広まったもの)によく使われています。


という事で、この「(離散)フーリエ変換」とはどんなものかというと、簡単に書けば「あるベクトルを複数のベクトルで分解する」という事です。こんな例を考えてみましょう。今、「国語」「数学」「理科」「社会」の4科目のテストをしたときのあなたの点数が(78,64,72,82)だったとします。このように、4科目の点数を一組の全科目ベクトルとみなす事ができます。つまり、「1個目が国語の点数」「2個目が数学の点数」「3個目が理科の点数」「4個目が社会の点数」という4次元ベクトルですね。
よって、全科目ベクトルは以下の通り各科目ベクトルの和である事がわかります。

vector-and-base.jpg
ここで大事なのは↑の赤枠にも書きましたが、「4次元ベクトルである全科目ベクトルを数学的に表現するには、4つの基底ベクトル(4つの軸)と4つの点数が必要になる」という事です。

そして、ここからが肝心なポイントですが、実は基底ベクトル(軸)の取り方は自由度があります。今の時点では
(1,0,0,0)←国語を表す
(0,1,0,0)←数学を表す
(0,0,1,0)←理科を表す
(0,0,0,1)←社会を表す
このように、それぞれの基底ベクトル(軸)が「科目」と解釈できるのですが、この4つの基底ベクトル(軸)を以下のように考えてみましょう。
(1,1,1,1)
(1,1,-1,-1)
(1,-1,-1,1)
(1,-1,1,-1)
すると、全科目ベクトル(78,64,72,82)は以下のようにベクトル分解でき、新たな尺度での4つの点数(74,-3,6,1)が出てきます。

vector-and-converted-base.jpg
ちなみに、それぞれの点数が何を表しているかというと以下の通りです。

【点数@】
基底ベクトル@が(1,1,1,1)となっているので、点数@は総合力(4科目の平均点)を表している。点数@が大きければ大きいほど、平均的に点数の取れている事がわかる。

【点数A】
基底ベクトルAが(1,1,-1,-1)となっているので、点数Aは「国語&数学の点数」から「理科&社会の点数」を引いた値で、点数Aはマイナスの値も取りうる。つまり、点数Aが大きいと「暗記能力」よりも「論理的思考能力」が高く、点数Aが低いと「論理的思考能力」よりも「暗記能力」が高い事になる。この事から、点数Aの高低によって、「論理的思考」と「暗記」のどちらが得意なのかを計る指標値に成りうる。

【点数B】
基底ベクトルBが(1,-1,-1,1)となっているので、点数Bは「国語&社会の点数」から「数学&理科の点数」を引いた値で、マイナスの値も取りうる。つまり、点数Bが大きいと文系科目が得意で、点数Bが小さいと理系科目が得意という事がわかる。よって、点数Bの高低によって、「文系」と「理系」のどちらが得意なのかを計る指標値に成りうる。

【点数C】
基底ベクトルCが(1,-1,1,-1)となっているので、点数Cは「国語&理科の点数」から「数学&社会の点数」を引いた値で、これもマイナスの値を取りうる。点数Cは、直感的にどういう点数なのか説明しづらいが、とりあえずこの点数Cが0に近ければ「論理や暗記」と「文系や理系」で説明のできる点数の取り方をしているという事になる。一方で、この点数Cの絶対値が大きいと「論理や暗記」と「文系や理系」で説明のできない点数の取り方をしているという事になる。


このように、元々は各科目の点数を全科目ベクトル(78,64,72,82)で表していたのだけど、基底を変える(軸の取り方を変える)ことによって、新たな点数(74,-3,6,1)に変換する事ができるわけです。
実は、フーリエ変換というものは基本的にはこれと同じことをしていて、元々のベクトルを複雑な基底ベクトルで分解して、何か別のベクトルに変換しているんですよ。

今の例の場合は、(78,64,72,82)というベクトルに対して、
(1,0,0,0)(0,1,0,0)(0,0,1,0)(0,0,0,1)という基底ベクトル(軸)ではなく、(1,1,1,1)(1,1,-1,-1)(1,-1,-1,1)(1,-1,1,-1)という4つの基底ベクトル(軸)に変えた場合に、(74,-3,6,1)という新たな点数ベクトルに変換したわけですが、フーリエ変換の場合はこの基底ベクトルの取り方に特徴があったりします。この辺は、また次回にでも説明します。



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2010年02月16日

2009年Q4の日本GDP

@【10〜12月の名目GDP、年率0.9%増 7四半期ぶりプラス】
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100215ATFL1502915022010.html

A【10〜12月期GDP、4・6%成長 3四半期連続プラス】
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100215/mca1002150859007-n1.htm

昨日、2009年Q4の日本のGDPが発表されました。とりあえず、@の記事の通り、物価変動を考慮しない名目GDPが7四半期ぶりに前期比でプラスとなりました。基本的に、実質GDPが増えても名目GDPが増えない限りは、国債返済の実質負担が重くなるだけですので、名目GDPが久しぶりに増加した事に、俺個人としてはほっとしています。
さて、一方でAの記事の通り、物価変動を考慮した実質GDPは前期比で1.1%(年率換算で4.6%)と、数字上では日本の景気も急回復しているように見えるのですが、この実質GDPの中身を見てみるとそんなに楽観はできません。今日は、その辺りを考察してみましょう。


2009Q4_japan-realGDP.jpg
という事で、↑が2007年Q1からの日本の実質GDP推移になります。実質GDPを見ると、日本の景気の底は2009年Q1だった事がわかりますね。その後、実質GDPは3四半期かけて3.18兆円増加しました。
それでは、2009年Q4について詳しく見てみてみましょう。2009年Q4のそれぞれの項目で、前期比を取ってみると以下のようになります。

最終民間消費支出:+0.51兆円
民間住宅:-0.10兆円
民間企業設備:+0.17兆円
民間在庫品増加:+0.08兆円
政府最終消費支出:+0.20兆円
公的固定資本形成:-0.08兆円
公的在庫品増加:±0.00兆円
純輸出:+0.72兆円

なるほど。「民間住宅」は未だに底が見えない状況ですが、その他の項目については明るさを取り戻している事がわかりますね。外需である「純輸出」が一番の回復要因ではありますが、何とか他の項目も純輸出に続いて、伸びて欲しいものです。

ところで、俺が多少気になっているのは「最終民間消費支出」の動向です。この項目が増加した要因としては、「エコポイントやエコカー減税の政府支援で拡大が続いた」と、Aの記事で書いてありますが、元々この政策では需要を先食いするために、あまりに前期比から増加すると、この先が少し心配です。おそらく、2009年Q4は年末のボーナス商戦の影響も大きかったとは思いますが、果たして2010年Q1はどうなるのでしょうか?

そして、心配なのは「民間住宅」ですね。現政権の打ち出す二次補正予算については、「住宅版エコポイント」がありましたが、果たしてこの政策によってどの程度「民間住宅」を上げられるか期待したいところです。俺の直感的な予測ですが、「エコ住宅の新築工事」に対しては、住宅版エコポイントの還元率が良くないので(何せ上限が30万ポイント)、思ったより効果がでないと思います。一方で、「エコリフォーム」の方は還元率も良いので、かなり効果が出るとは思いますね。ただ、リフォームの場合は新築とは違って、その他の分野への経済波及効果がイマイチなのが気になるところです。

「民間企業設備」は、2009年Q3で底を打ったとは思われますが、回復に勢いがありませんねぇ。そもそもの話として、この項目が日本の景気を悪くしている主要因であるので、何とか20兆円台まで戻せるように頑張って欲しいところなのです。ところが日本の大企業は、夏の参議院選挙の結果を見た上で、その後の本格的な投資を実行するものと思われるので、俺的には2010年前半に「民間企業設備」が急激に回復するとは思えません。財界や大企業にとってみれば、政治が安定した上で「どのような経済成長戦略を政府は描こうとしているのか」がわからなければ、投資の方向性を見出しづらいのでしょうね。
もっとも、「家計を中心に政策を打ち出す民主党」と「財界や大企業」の距離感は、なかなか縮まらないとは思いますが。

「純輸出」については、どこまで伸ばす事ができるのかわかりませんが、アメリカでのトヨタ車リコール問題の影響も今後出てくる可能性もあり、なかなか先の読めないところがあります。ただ、今の輸出増加ペースを今後数四半期に渡って維持するのは難しく、しかも輸入の増加によって純輸出を押し下げる可能性を考慮すれば、今の5.38兆円から大幅には伸びないと思います。「過去の純輸出の推移」と「中国やアメリカとの貿易動向」を察するに、やはり7兆円くらいが限界なんじゃないでしょうかね?
いずれにしても、今の日本経済の状況から察するに、この「純輸出」が伸び悩むとなると、いよいよ二番底の懸念が出てくるでしょうね。そうならないためには、中国の富裕層に日本車や日本製の電化製品を売りつけるのが一番楽な方法であるかもしれません。


さて、今後の日本GDPの見通しですが、一番危ないのは次の2010年Q1です。2010年Q1でGDPが増加しそうな要因は、1月28日に成立した「二次補正」(予算総額7兆2000億円)くらいしか無いのですが、事務手続きやらその他の要因で2010年3月までにその分の支出が全て民間企業に回らない事を考えると、「純輸出」でその他の減少分をカバーできずに、GDPが前期比でマイナスになるのではないかと、結構心配です。
そして2010年Q2以降は、前年度から4.1%程度増加した来年度政府予算がスタートするので、ある程度政府最終消費支出が前年度比で増加する事で、GDPを底支えするかもしれませんね。ただし、この頃には「純輸出」の増加が止まる事も予想されるので、内需の成長が鍵を握ってくるような気がします。


ちなみに、2010年Q1のGDP発表は5月中旬なのですが、「普天間問題でどうにもならなくなったところに、さらに景気の二番底到来のニュースで、相当に追い詰められた鳩山首相の姿を見てみたい」と、多少思わなくもないですが、果たしてどうなるでしょうか?
という事で、3ヵ月後の2010年Q1の日本のGDP発表が今から気がかりです。



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2010年02月15日

日本の資産/負債から考察B

【日本の資産/負債から考察@】(2010年01月08日)
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/34616600.html

【日本の資産/負債から考察A】(2010年01月20日)
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/34838083.html

という事で、今日は「日本の資産/負債から考察」シリーズの3回目です。ちなみに、前回までは、↓の表から読み取れる以下の3つの事を書きました。

japan_asset-debt.jpg

1.「政府」の負債が増えた一方で、「家計」と「金融機関」の資産も増え続けた。

2.対外的に見た場合、日本全体で見れば「破産」どころか、「純資産」が増え続けていて、財務的に問題は見当たらない。

3.日本の財務面での真の問題は、国内ストック(「政府負債」と「家計資産」)のバランスの悪さ。

という事で、今日はどうやったら「政府負債」と「家計資産」のアンバラを解消できるか考えてみましょう。


さて、とりあえず「政府負債」も「家計資産」も減らす方法で、一番簡単なのは「増税」でしょうね。増税は、「家計資産」を減少させた分、「政府負債」を返済する事ができるわけで、一番手っ取り早く、しかも確実にアンバラを解消させる手段です。財務省は高らかに増税を主張していますが、官僚的な視点で書くのであれば、この手法が一番確実な上に、日本経済の基礎的な部分をいじらなくて良いからでしょう。ただし、この手法は国民に直接負担を強いるものであるので、なかなか国民に説得しづらい方法である事も事実です。確かに個人として考えるならば、「頼んでもないのに国が勝手に借金を膨張させた挙句に、何で俺が最後に尻拭いしなきゃいけないんだよ?!」と思いたくもなるのですが、国の借金増加によって日本経済のフローを下支えしていたからこそ、失われた10年はあの程度の不景気で済んだのも事実なんですよ。われわれ国民側もその辺をどう理解するかで、民主党の経済対策の見方が大きく変わるところです。


そして話を元に戻しましょう。アンバラ解消のもう一つの手段は、長期的に名目GDPを増加させて実質の借金価値を下げる方法です。

【分母を上げる?それとも分子を下げる?】
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/29596799.html

実はこの話、↑のエントリーですでに一度書いていたりします。基本的に、国の借金の危なさを計る一つの指標は「国債発行残高/名目GDP」ですが、世界的にはこの指標値が大きくなれば国の財政が危なく、この指標値が小さくなれば安全とみなされます。日本の場合は、G7の中でもこの指標値が最も高く、昨年度末で175%程度です。(とりあえず、日本にこの指標を当てはめるのが良いのか悪いのかは置いておいて)この指標値を下げようと思ったら、分子の「国債発行残高」を下げるか、分母の「名目GDP」を上げればいいわけです。つまりこの方法は、名目GDPの増加(多少のインフレと経済成長)によって借金の実質負担価値を下げるというところに主眼が置かれたものですね。
この方法は、「多少のインフレ」を期待するので、物の値段が上がる分「家計資産」の実質価値は減少するものですよね。ただ、「増税」と言われるよりはこちらの方がまだ国民から理解を得られるのではないでしょうか?ただし、物価を安定的に管理する日銀はこの方法をあまり採用したくないでしょうし、財務省も「確実性」という観点と、「多少のインフレによって円安に振れさせる可能性」を考えると、この方法はあまりやりたくないと思われます。それに、「インフレ」という単語に噛み付く評論家とかもたくさんいらっしゃるでしょうね。


という感じで、おそらく「政府負債」と「家計資産」のアンバラを解消する代表的な方法してはこの2通りあります。かつての自民党では、物価や財政論において「インフレターゲット」が論議されましたが、今のところ民主党は物価には興味なさそうなので、「増税」一辺倒にしか考えて無さそうですよね。
とりあえず、日本経済にまず必要な事は「デフレ脱却」ですが、仮に「量的緩和拡大」&「政府支出増大」をするのであれば、政策の連続性や親和性という観点からは、「増税」よりも「多少のインフレと名目GDP増加」の方が、理には適っているのではないかと個人的には思います。(もちろん、この手法には多少の不確実性もあるとは思っていますが)

という事で、次回の本シリーズ最終回(第4回)では、「増税」「名目GDP成長(多少のインフレ)」のそれぞれの場合で、俺達個人がどのような資産管理を行えば、最も所有資産の実質価値を下げられずにすむのか、考察してみましょう。



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2010年02月14日

そろそろ世論を直視してよ

@【内閣不支持45%、支持36%=内閣発足後、初の逆転−時事世論調査】
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2010021200945

A【支持率下落、迫る危険水域=小沢氏の進退再燃も−時事世論調査】
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010021201041

B【「小沢氏不起訴は不当」 検察審査会に市民団体申し立て】
http://www.asahi.com/national/update/0213/TKY201002120497.html

そりゃそうだ。「検察から起訴されらなきゃ、責任を取る必要は無い」なんて言ってるから、こんな事になるんですよ。そもそも今回のケースで小沢幹事長は、「法的な責任の取り方」はまだしも、「道義的な責任」については「無い」と断言してるようなものです。そりゃ、首相を凌ぐほどの政権与党の権力者がこんな事を言えば、国民だって支持しませんよ。とはいうものの、民主党のこの状態ですら36%も支持している人がいるという事に、俺はすごい驚いてしまうのですが。(笑)
まぁもっとも、「イメージ」を象徴する「金の問題」と、「実質の仕事」を象徴する「政策実行」の問題は、切り離して考えるべきです。俺個人の感覚では、「イメージ」が悪くても、きちんとした仕事をすればそれなりに評価しても良いとは思います。ところが今の民主党の場合は、「イメージ」も悪いし「実質の仕事」もろくな事をしていないので、まったくどうしようもないですね。(笑)多少の評価ができるのは、「事業仕分け」くらいかな?


という事で、民主党が参議院選挙で勝つためにはどうすれば良いかを考えたのですが、おそらく民主党が支持率で鍵を握りそうなのは、以下の6つあたりじゃないでしょうかね?

【支持率上昇要因】
1.子ども手当ての支給(6月予定)
2.高速道路無料化(6月予定)
3.特殊法人仕分け(来年度(4月?)予定)

【支持率減少要因】
4.外国人参政権(強行突破?)
5.普天間問題(5月決着予定)
6.政治と金問題(随時進展ありそう)

いやぁ、1.と2.の両方が選挙直前の6月って事で苦しいのでは?その頃までにまともな支持率を保っていれば、勝つための最後の一手として、1.と2.は有効かもしれませんけどね。ただ、今のまま行けば、5.あたりをきっかけに参議院選挙まで政権がもたない可能性もあるしなぁ……。
そして舛添さんも、5.の時期で民主党批判の盛り上がった頃を見計らって新党作るんじゃないでしょうかね?ちょうどその頃に、Cの記事にあるように検察審査会で小沢幹事長が「起訴」というタイミングが重なれば、完全に選挙に負けちゃいそうな気もしますが……。

やはり、民主党は「鳩山首相が普天間移設を諦める決断をした上で首相を辞職」「民主党の若手を中心とした内閣を組閣」「小沢幹事長に議員辞職(離党)勧告を突きつける」「外国人参政権はとりあえず白紙」という事を同時にやらないと、ウルトラ逆転Cは難しいんじゃないのかなぁ……。それに加えて「まともな経済政策を打ち出す」という事であれば、俺も真剣に一票を入れるか迷うかもしれませんけど……



党内では首相より権力のある人による独裁状況が続いているし、まぁ無理でしょうね。(笑)



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posted by きらっち at 00:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治

2010年02月13日

安かろう悪かろう

実は自分の持っている仕事で、外部に発注する案件があります。今問題になっている天下りしている財団法人への発注とかではなく、いたって普通の発注案件なのですが、非常にやっかいな事に頭を悩ませています。

役所が発注する業務は、特段の理由(「特許」とか、「その会社でしかできない」等々)が無い限りは、役所側の意思で受注者を決める随意契約ではなく、競争入札(価格競争する事により、一番安く請け負う会社が受注する)を行う事になるわけです。

当然、自分の持っている発注案件は随意契約ではなく、競争入札によって受注会社が決定したのですが、この会社があまりまともな仕事をしないので、非常に困ってるんですよ。入札結果を見た時は「おっ、こんなに安く受注してくれる会社があるんだ。」と思って嬉しかったわけですが、実際に仕事をやらせたら仕様書に書いてある事すらまともにできずに、毎日毎日こちらが指示を出していて、他の仕事がまともに進まなくなっているわけです。


最近はこのように、「安く受注したは良いけど、まともな仕事をしない会社が増えている」と他の部署の人も言っていたけど、こういう現象もデフレの要因になる一つなんですよねぇ。同品質で値段が下がるならまだしも、品質も値段も下がるようだと役所側としては非常に困ってしまいます。
さらについ最近、年度末が近づきもう発注ができなくなるにもかかわらず、12月終わりにある案件を格安で受注した会社が「やっぱりこの業務はできません」と言ってきて、他の部署の担当者がカンカンに怒ってた事もあったなぁ……。(笑)


やはり、実際の担当者としては、こういう「安かろう悪かろう」の会社とはあまり付き合いたくないものです。



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posted by きらっち at 00:10| Comment(3) | TrackBack(0) | 仕事

2010年02月12日

今は内需産業が堅い!

【12月の失業率、2か月ぶりに改善-先行きは懸念】
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/100130/49351.html

という事で、2009年12月の日本の失業率は5.1%との事。失業率のニュースは、この数字以上の詳細が報道される事はあまり無いので、「どの産業の就業者数がどの程度増減したか」という情報って、あまり聞かないんだよね。という事で、今日は産業別の就業者数について調べてみたので、これを見ていこう。


employment-by-industry-sector_1.jpg

employment-by-industry-sector_2.jpg

↑が、それぞれ日本の主要15産業における2007年1月の就業者数を100と見た場合の推移をあらわしたグラフである。これを見ると、どの産業が低迷していて、どの産業が調子良いのか大方は推測できますね。
まず、就業者数が明らかな減少傾向を示しているのは、上のグラフで言うと「建設業」「製造業」、下のグラフで言うと「複合サービス事業」というところでしょうか?特に、「複合サービス事業」は2007年1月時点と比較すれば、就業者数が30%程度も減少しているわけで、相当需要が落ちた事がわかります。最大の労働人口を抱える「製造業」の就業者数も10%程度の減少を示しており、さらにこの先減少するのか心配なところです。(おそらく、減少するような気がしますが……)一方で、「建設業」に関しては2009年の春が最悪期で、それからは若干の持ち直しの傾向が見られます。前政権による公共事業支出の効果が出ているのかもしれませんね。

そして逆に、就業者数の増えた産業を見てみましょう。上のグラフで言うと、「運輸業・郵便業」は通して100以上になってますし、2009年の下半期からは「情報通信業」も就業者数が上昇しています。下のグラフで言うと、「医療・福祉」「生活関連サービス業・娯楽業」が明確に該当するかと思います。
これらの結果から読み取れるのは、直近で就業者数の増えている産業は「内需産業」なんですよね。外需は基本的に調子の良し悪しの波が非常に荒いために、安定している内需産業が失業率上昇を防いでいる構図になっています。さらに、日本は他国と比較すると内需の強い国(GDPの60%程度が個人消費で、GDP対輸出額はわずか16%程度)なので、こういう世界不況の最中では、他国に比べたらまだ日本国内の雇用状況はマシという事でしょうね。


あとは、ここ数ヶ月で就業者数が急激に減っている産業がいくつかあります。上のグラフの「金融業、保険業」「不動産業・物品賃貸業」なんですが、これら2つは2009年前半までは就業者数が増えていたわけですが、何故か2009年後半にかけて就業者数が結構な勢いで減少に転じた事がわかります。元々、この2つの産業は就業者数が安定しているものではありませんでしたが、心配なところです。やはり、不動産や金融関係の会社が、これからどんどん潰れる兆候なんですかね?


という事で、今日は日本の各産業における就業者数の推移を見てみました。これを踏まえて、もし今俺がクビになったら、安定して今後も就業者数増加の見込まれる「医療・福祉」の業界に就活しに行きますかねぇ……。(笑)



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posted by きらっち at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済

2010年02月11日

近場巡り

すみません。今日は社会的なネタではなく、単なる日記です。


最近の休日は、「積極的に外に出て自分の目で世の中をいろいろ見てみよう」と思ってる一環で、近場の名所(というほどの物ではないのだけど)をいろいろ回っています。

ryu-park.jpg
↑まずは、数十段の階段を上って周囲よりもかなり高低差のある丘で有名なR公園。この公園は、この丘以外に特段何かあるわけでもないのだけど、丘の上の見晴らしが良いので、運動を兼ねて見てきました。自分が大学入学したくらいにこの公園はできたのだけど、当時はまだ全然開発されていなくて、何も無い土地だけが広がっていたのだけど、今は画像の通り新興住宅地になってしまい、10年の年月経過を感じさせられました。


uni.jpg

sushi.jpg
そして、↑は今日行ってきたばかりの魚市場と市場の中にある回転寿司屋さん。この魚市場は高速道路の近くにあるせいか、やたら県外客が多くて、寒くて天気がイマイチな今日もそれなりにお客さんが来てました。以前は、回転寿司では20皿近く食べてた時期もあったけれど、最近は10皿が限界で自分の年を感じてしまう結果になりました。(笑)


まぁこれ以外でも、ちょこちょこ近場巡りをやってるのですが、「探せば自分の町の周りにもいろいろあるんだなぁ」という事を実感します。ややもすると、「うちの町は何もないので、東京に出た方が面白いよ。」という方もたくさんいらっしゃるのですが、注意深く地元に目を向けてみれば意外に光るものが見つかるのかもしれません。



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posted by きらっち at 16:45| Comment(7) | TrackBack(0) | 日記

2010年02月10日

2009年12月の日米欧中マネーストック最新状況

@【2009年12月の日米欧中マネタリーベース最新状況】(2010年02月06日)
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/35176671.html

↑@のエントリーで、日米欧中のマネタリーベースの推移を出していました。そして今日は@のエントリーで予告していた通り、「マネーストック」の方の推移を見てみましょう。

まず、「マネーストック」とは、金融機関から世の中へ供給されている総通貨量の事なんだけど、企業・家計・政府等々が保有する通貨量残高を集計したものなんだ。そして、これは主要各国で「何を通貨」とするのかで解釈が若干異なる事から、マネーストックにもいろいろ種類があるわけですよ。アメリカや中国は、マネーストックの中でも「M2」というカテゴリーが一般的なんだけど、日本やEUの場合は「M3」というカテゴリーが最もよく使用されるので、本ブログでもこれに従うことにします。

200912_money-stock_juec.jpg
という事で、↑が2007年1月の各国マネーストックを100とした時のその後の推移となります。
まず真っ先に、中国のマネーストックの増加ペースがすごいですよね。特に、リーマンショック後の2008年11月〜2009年3月までは凄まじいペースでマネーストックが積みあがっている事がわかります。一般的に、「マネーストックが増加する」という事は、「金融機関が積極的にお金を市中に貸出しをして景気が良い方向に向かっている(ただし増えすぎるとインフレにつながる)」と解釈するのが今までの定説なわけですが、よくよく他国のマネーストックを見てみると、同時期にはアメリカのマネーストックも増加ペースが速まっていた事がわかります。もちろん、この時期はリーマンショック直後で信用懸念が一気に世界中に広まった時期なので、アメリカの金融機関の貸し出しが増えたわけではないはずです。

そうです。おそらく、今までの通常の経済状態であれば、マネーストック増加の解釈としては「金融機関が積極的にお金を市中に貸出しをして景気が良い方向に向かっている」という事だったのでしょうけど、不況時におけるマネーストック増加の解釈は、おそらく何か違う要因があるという事でしょう。
マネーストックの場合は、基本的には「現金通貨」「預金通貨」が計上されるので、債券や株券の類はどれだけ持っていても、M2やM3のマネーストックには積みあがりません。よって、所有していた株券を売って現金に換えた場合は、その売値分だけマネーストックが積み上がる事になります。これを踏まえれば、おそらく不況時のマネーストック増加は「手持ち資産を安全性の高い現金・預金に変える事」(資産シフト)に起因するものだと推測されます。ただ、中国のこれだけのマネーストック増加は、資産シフトだけで説明がつくのでしょうかね?中国は何せ、3年間でマネーストックが1.7倍以上になっている上に、リーマンショック以前からマネーストックの増加率が日米欧よりも高いんですねぇ。そして中国は、今年に入って再びインフレ懸念も出てきたので、これは詳細をいろいろ分析してみたいところではありますね。

一方で、日本のマネーストックはリーマンショック以降で若干増加しているので、資産シフトの動きが若干はあるのかもしれませんが、概してここ3年程度はほとんど変化がありませんね。↑@のエントリーで、日本はマネタリーベースにほとんど変化が無かった旨を書いたのですが、「マネタリーベース」のみでなく「マネーストック」にもほとんど変化が無いわけです。これは悪く言えば、「ほとんど経済成長していない」と言える一方で、「貨幣論的には、日本経済が安定的に推移している」というあらわれなのかもしれません。

そして、個人的に一番気になるのはEUです。EUは2009年9月のリーマンショック後、中国やアメリカとは逆にマネーストックの増加傾向が止まり、むしろ最近では減少傾向を示している事がわかります。これは一体、どういう事なんでしょうかね?元々、EUは金融業がメインのビジネスモデルとなっている国がたくさんあるので、安全な現金・預金へ資産シフトしてもほとんど利益が出ない事を嫌って、より何かへ投資してるって事ですかね?あるいは、マネーストックでは計上されない実物資産(金や食料等々)に投資を増やしているのか……。う〜ん、これも詳細について調べたい衝動にかられるなぁ……。


という事で、マネタリーベースとマネーストックについては再び3ヶ月後くらいに最新状況を報告する事にします。



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posted by きらっち at 23:34| Comment(11) | TrackBack(0) | 経済

2010年02月09日

やはりデノミは失敗か。

@【北朝鮮デノミ 問題は外貨との交換比率】(2009年12月3日)
http://kiracchi-serendipity.sblo.jp/article/33980274.html

A【北朝鮮デノミ2か月、ウォン急落で価値1割に】(2010年2月9日)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100209-OYT1T00227.htm

B【北朝鮮 デノミ失敗 餓死者続出】】(2010年2月4日)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/international/213776.html

さて、↑@のエントリーで、俺は北朝鮮の貿易動向を踏まえた上で「北朝鮮のデノミの鍵は対外為替レートだ」という趣旨の事を書きました。さらに、北朝鮮は供給能力をすぐに上げられない事から、デノミをしたところですぐに輸出増加を誘導するのは無理で、一方で輸入価格が上昇する事によってさらなるインフレを促進するだけじゃないの?と疑問を呈したのですが、AやBの記事を見る限り、まさに思ったとおりの展開になってきたなぁ。(笑)
しかし、そもそも北朝鮮の経済政策担当者は、何を意図してデノミをやったのでしょうかね?多少先の事を考えれば、市場統制がどうのこうのを言う前に国内経済がこうなるのはわかっていたはずなのに……。北朝鮮は、いっそのこと自国通貨を捨てて、中国の元を流通させた方がよっぽど国内が安定するんじゃないの?(笑)

しかし、北朝鮮がすぐに外貨を獲得できる方法って何があるんですかね?輸出を増やそうとしても自国内で設備投資の調達はできないし、突然デノミするような政府は外貨建ての国債も発行できないだろうし、北朝鮮政府の規制によって北朝鮮国内の投資や観光も著しい制限がかかるわけですよ。何だかこういう事を書いていると、自らの手で自国の稼ぐ方法を潰しているようにしか思えないよなぁ……。


そして一つ素朴な疑問なんだけど、北朝鮮って対外的には経常赤字でしょ?(貿易収支は赤字確定。サービス収支、所得収支、経常移転収支で貿易赤字分をカバーできているとは考えづらい)そして、外国資本に対して厳しい規制をかけているので、資本収支も黒字とは思えない。でも、北朝鮮はデフォルトしていないので、どこかで何らかのファイナンスしてるはずなんだよね。とはいえ、経常収支も資本収支も赤字であれば、必然的に外貨準備高が減っているはずなのだけど、北朝鮮ってそんなに外貨準備高あるんですかね?(国際収支を発表してくれればわかる話なのだけど、そもそも北朝鮮は国際収支統計を作っていないらしい。)
いやぁよくよく考えると、どこからお金が湧いているのか不思議な国なんですよ。いやぁ、本来であれば北朝鮮の経済分析をしたいところなんだけど、まともな資料がほとんどないので、憶測でしか語れない国なんですよねぇ。



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posted by きらっち at 21:20| Comment(11) | TrackBack(0) | 経済

2010年02月08日

統計において不偏分散を(n-1)で割る理由

という事で、今日は統計で誰もが思う疑問を考えてみましょう。高校までの教科書には、平均と分散の求め方を↓のように習っていたと思います。
ave-var_formula.jpg
ところが、実際に統計学を駆使しようとすると「不偏分散を求めるには(n-1)で割る」という事になっています。もともと我々は、↑のように分散をnで割っていたわけで、「この差は一体どういう事なんだ?」と不思議に思う方が多いかと思います。

統計学の参考書等には、単なる一言で「分散は自由度が1低いから、(n-1)で割るのだ」と説明しているものも多いのですが、「そもそも何故にnではなく、自由度で割らなくてはいけないのか」という根源的な説明が書いてあるテキストを、俺は今まで読んだことがありません。
という事で、今日はその辺を実例と共に説明しようかと思います。


とりあえず、「TVの視聴率」を考えてみましょう。ある番組の視聴率を完璧に誤差無く調べようとすると、TVを保有している全世帯のモニタリングが必要になります。ところが、全世帯をモニタリングするとなるとコストや時間等々の制約が厳しくなるために、実際のところ一部世帯を抽出するしか手段がないわけです。この時、「実際の視聴率」と「抽出した世帯の視聴率」が大きくかけ離れては困りますよね。このように、全体から一部を取り出してくる場合、2者の間で同じような統計的性質が保存されているのが望ましいわけです。


そこで、例を変えて次の事を考えてみましょう。今、サイコロを30回振って出た目の「平均」と「分散」を計算します。サイコロは3つあるので、これらを10回ずつ振る事にしましょう。実際に、↓のようにサイコロの目が出たとします。この時、サイコロの目を30回振った時の平均は3.433、(nで割る)分散は2.246でした(図中の@とAの箇所)。
unbiased-variance.jpg
そして一方で、一回ずつそれぞれのサイコロを振った場合の平均と分散を考えてみます。↑の例の場合だと、1回目に3つのサイコロを振った平均は4.67、(nで割る)分散が0.22、(n-1で割る)分散が0.33ですね(図中のBの箇所)。これは言い変えると、全10セット(サイコロを30回振る)から、一部を抽出した1セットでの「平均」と「分散」を求めていることになります。
先ほど、「全体から一部を取り出してくる場合、2者の間で同じような統計的性質が保存されているのが望ましい」と書きましたが、まさに今回の場合も、全10セットの平均と分散が、各セットの平均と分散と同程度である事が望ましいわけです。何故ならば、もし各セットの平均と分散が同程度であれば、30回(10セット)もサイコロを振る必要が無く、コストも手間もかからないわけですよね。
という事で、各セット間の「平均の平均」「(nで割る)分散の平均」「(n-1で割る)分散の平均」を見てみましょう(図中のCの箇所)。
「あれ?」と思う方がたくさんいらっしゃるかと思いますが、サイコロを30回振った時のAと比較すると、Cでは平均こそ一致していますが、分散は全然違いますね。サイコロを30回振った時の分散は2.246ですが、各セット間の「(nで割る)分散の平均」はわずか1.422にすぎません。一方で、各セット間の「(n-1で割る)分散の平均」は2.133と、(n-1)で割る方がサイコロを30回振った時の分散値に近づく事がわかります。そう、この部分が(n-1)で割る方が良い本質的な理由です。

元々、分散については、「全標本で計算する分散値」よりも、「一部の標本のみで計算する分散値」の方が、低く出る性質があります。よって、「全体から一部を取り出してくる場合、2者の間で同じような統計的性質が保存されているのが望ましい」という性質(不偏性)をより確保するために、nではなく自由度にかこつけて(n-1)で割る方が良いという事なのです。
実際にどういう場合に使い分ければ良いのかというと、「母集団全てを把握している場合」は普通にnで割って、「母集団の一部から母集団の分散を推定したい場合」に(n-1)で割ればいいわけですよ。おそらく実際の使い方としては、「母集団を全てわかっている場合」なんてのは実社会ではほとんど無いでしょうから、(n-1)で割る場合の方がほとんどなんじゃないですかね?もっとも、nであろうが(n-1)であろうが、扱うサンプル数が多くなれば数値上あまり大きな違いが出てくるわけではありませんが、サンプル数の少ないときには注意が必要でしょうね。


という事で、統計については今まで何も書いてこなかったので、これからは「回帰分析」とか「主成分分析」について、折を見て書こうかなと思っております。この辺りの分野は、経済指標とかいろいろなデータを読み取る上での基本的なリテラシーになる上に、民間会社とかでもマーケッティング等々に使える重要なツールになるので、数学の中でも直接的に世の中の役に立つ分野なんじゃないかなぁ、と俺は思っています。



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posted by きらっち at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 科学